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雇用契約書がないのは違法?法律や作成しないリスクを解説!

労務管理システム

2023.07.02

2023.07.02

雇用契約を結ぶ際に、雇用契約書を取り交わしていない企業は少なくありません。しかし、雇用契約書がないことによって、会社や従業員にとって不都合な問題が生じる可能性があるため注意が必要です。本記事では、雇用契約書の役割や作成しないことによる問題点について詳しく解説します。

1. 雇用契約書の作成義務は?

雇用契約書とは、会社が提示した労働契約の内容について、双方で合意したことを証明する役割をもつ書類です。

法律によって雇用契約書を取り交わすことは義務付けられていないため、作成していなかったとしても罰則が適用されることはありません。

しかし、書面を交わさずに口頭のみで労働契約を締結するのは、後に労使間でトラブルが生じた際に解決を困難にする可能性があるため、雇用契約書を作成するのが一般的です。

1-1. 労働条件を書面で明示するのは企業の義務

労働基準法第15条1項によって、従業員を新しく雇い入れる際は、労働条件を事前に明示するよう事業主に義務付けています。

これは、正社員のみならず、契約社員やパート・アルバイトといった有期労働契約の従業員であっても労働条件を明示しなくてはいけません。

明示が必要となる労働条件の項目については、以下のとおりです。

  • 労働契約の期間
  • 有期雇用契約の場合は契約の更新基準
  • 就業場所
  • 従事する業務内容
  • 始業時刻・終業時刻
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 休憩時間、休日、休暇
  • 交替制勤務の場合は、交替期日や順序などに関する事項
  • 賃金の決定・計算方法・支払方法・締切・支払時期
  • 退職に関する事項 (解雇を含む)

この他にも明示しなくてはいけない労働条件はありますが、上述の項目については労働者にとって特に重要な項目となるため、書面による明示が義務付けられています。

また、労働条件の明示にあたっては、事実と反する内容を明示するのは禁じられています。

もし、明示した労働条件が事実と異なっていた場合は、労働者は即時に労働契約を解除することができるため、書面を作成するにあたっては十分な注意が必要です。

1-2. 労働条件通知書と兼用することが可能

労働条件の明示については、労働条件通知書を作成して従業員へ交付することが法律によって義務付けられています。

雇用契約書と労働条件通知書の2通を作成する手間を省くために、「労働条件通知書兼雇用契約書」を作成して、労働条件を明示することも可能です。

いずれかの方法によって、労働条件を明示しなくてはいけませんが、仮にこれを怠った場合は労働基準法第15条の違反となり、罰金30万円以下が課せられることになります(労働基準法第120条1号)。

労使間のトラブルを避け、法律違反とならないよう雇用契約を締結するには、必要な労働条件を明記した雇用契約書を作成するのが賢明といえるでしょう。

2. 雇用契約書の作成目的とは?

雇用契約書の作成目的は、労働条件を明確にすることで従業員の権利を明確にし、不当な扱いや不利益を被ることを防ぐこととされています。

具体的には、以下の3つの内容が該当しています。

2-1. 従業員に雇用主(使用者)を明らかにするため

従業員の雇用主が明確でない場合、賃金の支払義務や、労災時の責任を負う担当者が定まらない不健全な状況へとなってしまいます。

特に子会社やグループ会社、関連会社などがある場合には特に不明確になる傾向にあるため、雇用契約書で雇用主を明示することが重要となります。

2-2. 従業員に賃金を明らかにするため

労働に対する賃金について書面で明示されていない場合、会社側の都合に沿って減額や遅延などの行為が生じかねません。

従業員にとって賃金は重要な事項となるため、共通認識をもった規則通りに支払うためにも、賃金額、支払期日を明確に記載する必要があります。

2-3. 企業として労働時間・休日に関するルールを順守するため

労働時間や休日に関しては、労働基準法により明確な規定が存在します。ただし「所定労働時間」や休日の曜日については、各企業が定める必要があります。

ルールを順守できるよう雇用契約書に明記しておくことが重要です。

3. 雇用契約書がないことで生じるリスク・デメリット

雇用契約書は、労働者にとって必要な労働条件が明示された書類です。雇用契約書を交付しないと、企業にとってさまざまな問題が生じることが想定されます。

ここでは、雇用契約書がないことで生じるリスクとデメリットについて、解説します。

3-1. 従業員からの信頼が得られない

雇用契約書は、就業場所や業務の内容、賃金など労働条件を書面にて明示し、従業員の権利を明確にする役割も担っています。そのため、雇用契約書を従業員へ交付しないということは、従業員の権利が不明確になってしまう恐れがあります。

従業員の中には、雇用契約書が交付されないことで、会社に対し不満や不安を覚える方も出てくるでしょう。従業員に安心感を与えずに働かせることは労務管理上望ましいことではなく、離職者の増加や労使間のトラブルを引き起こす恐れがあります。

また、近年ではSNSの発達にともない、従業員が口コミサイトに書き込むというケースも少なくありません。

そのようなことがあれば、会社のイメージダウンはまぬがれぬことはできず、新規採用などにも影響が及ぶ恐れもあります。

3-2. 転勤・配置転換でトラブルが生じる可能性がある

会社が従業員に転勤や配置転換を命じるには、雇用契約書に転勤や配置転換に関する決まりをあらかじめ明示しておく必要があります。

しかし、雇用契約書を交付しないと、転勤や配置転換に関する決まりが不明瞭となり、従業員へ命ずることができなくなります。仮に、転勤や配置転換を命じたとしても、従業員に「そんな話、雇用契約時に聞いていない」と拒否されてしまえば、それ以上命ずることはできません。

就業規則に転勤や配置転換に関する規定があったとしても、過去の裁判例で異動が認められなかったケースもあります。

確実に転勤や配置転換をおこないたいのであれば、雇用契約書に明記した上で従業員に交付する必要があるでしょう。

3-3. 試用期間を適用できない場合がある

新しく人を採用した際に、従業員として適性を見極めるための試用期間を設けている企業は多くあります。試用期間を従業員に適用したい場合は、雇用契約書がなくても就業規則に規定があり、社内で周知されていれば、適用させることができます。

ただし、就業規則に試用期間に関する規定がない場合については、試用期間について明記した雇用契約書を作成する必要があります。

なお、雇用契約書に明記された試用期間の内容が就業規則よりもの基準に達しない場合、その部分については無効となり、就業規則の内容が適用となります。

雇用契約書を作成する際は、就業規則とも照らし合わせて作成しましょう。

4. 雇用契約書に関するよくある質問

ここからは、雇用契約書に関してよく生じる疑問について解説します。

雇用契約書がない場合に新たに作成する方法や、労働条件を書面以外で明示するために注意すべき点をあわせて紹介します。

4-1. 雇用契約書がない場合、一から作成する方法とは?

雇用契約書を新たに作成する際には、まず上述した労働条件を明示するうえで必要な記載事項の内容を検討し、記入する必要があります。

また正社員・契約社員・パート社員・アルバイトなどの雇用形態に応じて、追加で記載すべき項目や、トラブルを防ぐために任意で設ける記載事項も漏れなく記入しましょう。

具体的な作成方法や、作成時に注意すべきポイントについておさらいしたい方は、詳しく解説している下記の記事をご参照ください。

4-2. 労働条件を書面以外で明示する際の注意点とは?

2019年4月1日より、書面の他にメールやFAX、SNSによる労働条件の明示についても認められるようになりました。

ただし、書面以外の方法によって労働条件を明示する場合は、事前に従業員の承諾を得る必要があります。

さらに、メールやFAX、SNSで明示する場合はPDFなどで添付し、従業員が後で出力して紙に印刷できるような方法で送る必要があります。送った後は、受信できているかどうかの確認もしなくてはいけません。

これらの条件を満たすことができれば、ペーパーレス化を図ることができ、書類管理の手間を省けるようになります。
関連記事:雇用契約書を電子化するメリット・デメリットとは?注意点も解説

5. 会社と従業員、双方の安心のためにも雇用契約書は作成すべき

雇用契約書は作成が義務化されていませんが、労使間でトラブルがあった際に役立てることができますので、作成して従業員に交付するのが賢明でしょう。

雇用契約書の作成にあたっては、労働条件通知書を兼ねた形で作成するのも手段の一つです。1枚にまとめる場合には、労働基準法で定められた労働条件の必要項目を明示することが求められます。

雇用契約書を作成しておくと、会社と従業員の安心にもつながりますので、新しく人を雇用する際は書面で交付するようにしましょう。

 

【監修者】小島章彦(社会保険労務士)

 

大学卒業後、某信用金庫にて営業と融資の窓口業務に関わる。 現在は、某システム開発会社に勤務。 会社員として働きながら、法律系WEBライターとして人事労務関係や社会保険関係のライティングを4年半以上行っている。 また、金融知識を生かした金融関係のライティングも含め、多数の執筆案件を経験している。 その他保有している資格は、行政書士、日商簿記3級など。

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