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労働条件の明示事項・明示方法とは?口頭や電子化での注意点も解説!

労務管理システム

2023.07.01

2023.07.01

労働者を雇用する際には「労働条件通知書」を作成し、労働者に交付することが義務付けられています。労働条件通知書での明示事項や、交付方法は労働基準法で規定されているため、理解しておくことが重要です。本記事では、労働条件の明示事項や明示方法、注意点などについてあわせて解説します。

1. 労働条件の明示は、労働基準法により義務付けられている

労働基準法第15条第1項には、労働契約の締結時における条件の明示義務が定められています。労働者を雇用するときには、労働条件を書面にまとめて提示しなければなりません。

労働条件の明示義務は正社員を雇用する場合だけではなく、雇用形態を問わず、全ての場合に生じます。多くの企業では、労働条件通知書とともに雇用契約書を作成します。雇用契約書には契約内容を詳しく記載し、労働者のサインまたは捺印してもらうことが一般的です。

雇用契約書は労働条件通知書とは異なり、書面として残す義務はありません。ただし、雇用契約書を正しく作成すれば、契約内容を確認して合意した上で業務をスタートしてもらうことが可能となります。

労働条件通知書と雇用契約書の内容は重複することがあるため、企業によっては労働条件通知書と雇用契約書を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」を作成するケースがあります。労働条件通知書の下部に、労働条件に同意する旨を記載し、捺印をすれば正式な書類として認められます。

混乱を避けたいときには、労働条件通知書と雇用契約書は別々に作成したほうがよいでしょう。

1-1. 労働条件の明示はいつすべきもの?

労働条件を明示すべきタイミングは、労働基準法第15 条第1 項によると労働契約を締結する時であると規定されています。ただし職業安定法によると、求人募集時においても労働条件を明示する義務があるとされています。

求人募集時には、実際と異なる労働条件を明示することは禁じられています。ただしもし明示した労働条件から変更が生じる可能性がある場合には、その旨を記載することが求められます。また変更後には、求職者にすみやかに連携しなければなりません。

参考:労働者を募集する企業の皆様へ|厚生労働省

1-2. 労働条件の明示を怠った際の罰則について

労働条件の明示は、法律により義務付けられています。そのため、適切に明示をしなかった場合、労働基準法違反として30万円以下の罰金、またはパート労働法違反として10万円以下の罰金が科される可能性があります。

2. 労働条件を労働者に明示する目的・効果とは

企業には、労働条件を書面(もしくは一定条件を満たした電子媒体にて)で明示する義務があります。企業が労働者に対して労働条件を具体的に明示することには、以下の目的が挙げられます。

2-1. 万一のトラブルを回避する

労働条件を明示せずに仕事をスタートさせた場合、労働者側は仕事内容や賃金などを適切に把握できず困ってしまう可能性があります。結果的に、労働基準監督署に通告されるなどのトラブルに発展したり、言った言わないの水掛け論が起きたりする可能性も考えられます。

労働条件を提示し書面の形で残しておけば、あとあとトラブルが起きるリスクを軽減できます。

2-2. 労働者に納得した上で入社してもらう

労働条件の告知には、労働者が働くにあたって把握しておくべき情報を前もって伝えるという重要な目的があります。労働者は提示された労働条件を確認し、その条件で仕事をすべきかを決定することになります。

実際の仕事内容や職場の雰囲気については、働いてみなければわからない点もあるでしょう。とはいえ、あらかじめ労働条件を明示すれば、労働者は条件面を具体的に知ることができます。納得して入社してもらうためにも、労働条件の明示は必須といえるでしょう。

2-3. 労働者に安心して働いてもらう

従業員にとっては、働き方や給与面、休日などの労働条件を把握することは非常に重要です。

詳しい労働条件を把握できれば安心ですし、明示された労働条件をもとにどの求人に応募するかを考えることができます。

従業員に安心して業務に取り組んでもらうためにも、不安や不信感を与えないよう、明示事項内容はしっかりと説明し、従業員からの理解を得ることが重要となります。

3. 労働条件通知書に明示が必要な絶対的明示事項とは

労働条件通知書は、以下のような項目を盛り込んで作成します。

  • 契約期間
  • 就業場所と業務内容
  • 就業時間
  • 休日、休暇
  • 賃金
  • 退職に関する事項(解雇の事由も含める)
  • そのほか

参考:労働基準法第 15条第 1項|厚生労働省

相対的明示事項とは、労働条件通知書に必ずしも記載する義務のない項目のことです。ただし、該当する項目に関しては口頭で説明するなどの対処が必須となります。

相対的明示事項には以下のような項目があります。

  • 退職手当が発生するケース
  • 退職手当の決定方法や計算方法、支払い方法、支払いの時期
  • 賞与などの臨時に支払われる賃金
  • 最低賃金
  • 労働者の負担が必要となる食費や作業用品
  • 安全や衛生に関する内容
  • 職業訓練に関する内容
  • 災害補償や業務外の傷病扶助
  • 表彰、制裁
  • 休職

これらの事項を企業が制度として設けているときには、必ず告知をおこないましょう。労働条件通知書への記載が義務付けられていませんが、口頭説明のみでは混乱が生じることもあります。

労働者に労働条件をより深く理解してもらうためにも、書面に残しておくのが安心です。

参考:労働基準法第 15条第 1項|厚生労働省

3-1. 有期労働契約における絶対的明示事項とは

一定期間に限定した労働契約である「有期労働契約」の場合、以下の明示事項を追記しなければなりません。

  • 契約更新の有無
  • 契約更新の判断基準

これらの項目は「絶対的明示事項」に該当し、労働条件通知書には必ず記載しなければなりません。

契約更新の有無の記入例としては、「自動的に更新をする」「更新をする可能性がある」「更新はしない」などが挙げられます。

契約更新の判断基準の記入例としては、「契約期間満了時の業務の進捗状況・成果により判断する」「本人の勤務成績・態度により判断する」などが挙げられます。

3-2. パート・アルバイトにおける絶対的明示事項とは

なお、アルバイトやパートなど短期間または有期雇用労働者の場合には、下記の4項目についても記載が求められます。

  • 昇給の有無
  • 賞与の有無
  • 退職金の有無
  • 相談窓口の記載

これらの項目も「絶対的明示事項」とよばれ、労働条件通知書には記載する必要があります。。労働者が仕事を始めるにあたって把握すべき項目を適切に伝え、業務に対する共通認識を持つことが大切なのです。

記載する際には、会社のルールや取り決めが労働者に伝わるよう配慮する必要があります。具体的な数字を適宜盛り込むなど工夫し、内容を正確にまとめましょう。

3-3. シフト勤務における労働時間の書き方とは

変形労働時間制やシフト勤務など、交代制勤務の場合には、可能な限り具体的に労働時間を明示しましょう。想定される就業時間のパターンを記載しておくことが一般的です。

ただしパターンが複雑で説明が記載しきれない場合には、就業時間における考え方等を明示することが求められます。

なお、当該明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合においては、労働者の利便性をも考慮し、所定労働時間を超える労働の有無以外の事項については、勤務の種類ごとの始業及び終業の時刻、休日等に関する考え方を示した上、当該労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足りるものである

引用:・労働基準法の一部を改正する法律の施行について|厚生労働省

4. 労働条件の明示方法について

ここからは、労働条件を明示する方法について解説します。

労働条件を明示するには、「労働条件通知書」の交付が挙げられますが、口頭や電子媒体での明示も法的効力があるかについて確認してみましょう。

4-1. 労働条件の明示方法は口頭でも可能?

労働条件の明示は、口頭では認められていません。労働条件の「絶対的明示事項」「相対的明示事項」に該当する情報は、書面での交付が義務付けられているため、順守しましょう。

ただし、労働契約に関しては口頭でおこなったとしても法律上、成立可能とされています。(民法第五百二十二条)

4-2. 労働条件の明示方法を電子化するには?

労働条件の明示方法の電子化は、2019年4月の労働基準法の改正により、可能となりました。

法改正前は労働条件通知書の交付は書面のみとされていましたが、改正後にはFAXやメール、LINEなどのSNSを使って労働条件の明示をおこなうことも可能となったのです。労働条件通知書を電子交付すれば、履歴データが残るので便利です。

また、書面の電子交付は企業のペーパーレス化や業務効率化にもつながります。

ただし、電子化するには以下の条件を満たす必要があるため注意しましょう。

  • 労働者の希望があること
  • 出力し、書面が作成できること
  • 労働者本人のみが閲覧できる方法であること

労働者のブログや個人のホームページなどを使って労働条件を通知することは認められていません。こういったツールは第三者に閲覧させることを目的としているため、企業と労働者の間で契約に関する文書を取り交わすには不適当なのです。

5. 雇用の際には労働基準法に明示された労働条件を適切に告知することが重要

労働者を雇用するときには、労働条件を必ず告知しましょう。

労働条件を詳しく提示すれば労働者は働き方を具体的にイメージでき、スムーズに業務をスタートさせることができます。また労働条件の告知は、万一のトラブルを防ぐことにもつながります。

労働者が希望する場合には、労働条件を電子データで告知することも可能です。ただし電子交付にはルールが定められているので、適切な方法での告知を遵守しましょう。

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