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時短勤務はいつまで利用可能にするべき?就業規則上の考え方について解説

労務管理システム

2023.08.23

2023.08.23

時短勤務は育児や介護などの理由で労働時間を短縮して働くことです。従業員の条件によって、企業は時短勤務を設ける義務が発生する場合があります。本記事では、時短勤務制度の取得可能期間について、ケース別に詳しく解説します。また、就業規則への記載例も紹介しますので、期間の設定について検討中の方は参考にしてみてください。

1. 時短勤務制度をいつまで利用可能にできるのかケース別に解説

時短勤務は育児と介護によって、フルタイムで働くことが難しい従業員に対する制度です。時短勤務が適用になる期間は、従業員の状況によって異なります。ケースごとに取得できる期間を紹介します。

1-1. 3歳未満の子どもがいる従業員の場合

育児・介護法では、3歳未満の子どもがいる従業員が時短勤務を希望した場合、子どもの3歳の誕生日の前日まで時短勤務の取得が認められています。そのため、3歳未満の子どもがいる場合は、子どもの3歳の誕生日までが取得できる期間です。

例えば、出産後3ヵ月という短い期間で職場復帰した従業員が時短勤務を希望したのであれば、2年9ヵ月間は時短勤務を取得できる権利を持っています。時短勤務は男性でも取得できる制度であるため、子どもが産まれてすぐ男性が時短勤務を希望した場合は、3年間時短勤務が取得できることになります。

1-2. 3歳から就学前の子どもがいる従業員の場合

子どもが3歳の誕生日を迎えるまでの時短勤務の取得は従業員の権利で、制度利用の申し出があった場合の対応は事業主の義務です。ただ、3歳の誕生日から子どもの就学前の期間に時短勤務を認めるかどうかは義務ではなく、努力義務となっています。法的な強制力はありません。

企業によっては就学前まで続けて時短勤務を許可しているケースもありますが、企業側にも事情があると、時短勤務は原則的に難しいケースも考えられるでしょう。3歳以降いつまで時短勤務を取得させるかは、企業側に裁量があります。

1-3. 小学生の子どもがいる従業員の場合

育児・介護法では3歳から就学前の子どもがいる従業員の時短勤務は、企業の努力義務としていますが、小学校に入学してからは努力義務の範囲には入っていません。しかし、多様な働き方を推進している企業のなかには、子どもが10歳になるまで時短勤務を認めている企業や、小学校3年生が終了するまで認めている企業もあるようです。

従業員の子どもが小学校に入学して以降の時短勤務は、事業主の義務・努力義務ではないため、取得させる場合の期間は企業が自由に決めることができます。取得を認める場合は、従業員の事情や、企業側の事情を考慮して期間を決めると良いでしょう。

1-4. 要介護の家族がいる従業員の場合

要介護の家族をもつ従業員が時短勤務を希望した場合は、介護対象の家族1人につき時短勤務取得から連続3年以上の期間が時短勤務の期間として定められています。また3年間の間に2回以上取得できることになっているので、一旦時短勤務をやめたとしても、3年以内であればもう一度取得することは可能です。

ただし、期間に関しては法律で連続3年以上の期間となっているだけであって、3年が過ぎた後も時短勤務を認めている企業はあります。時短勤務を取得して3年経過した後にいつまでの期間取得を認めるかは企業側の裁量なので、従業員と話し合った上で決定すると良いでしょう。

また、介護が理由の時短勤務の場合は、原則6時間の勤務ということは決まっておらず、以下のいずれかの措置を取ることができます。

  • 時短勤務
  • フレックスタイム制度
  • 時差出勤制度
  • 介護サービスの費用補助

時短勤務以外の措置を取る場合でも、法律で定められた期間は利用開始から3年以上の間です。

2. 時短勤務に関するルールを就業規則で定める必要がある

時短勤務を導入する際、時短勤務に関するルールを就業規則に定めましょう。定めるルールの内容は、時短勤務制度の利用可能期間や申請期限などです。育児・介護休業関連の場合、個別の対応が必要になるケースもあることが想定されるので、柔軟な内容を検討したうえでルールを定めましょう。就業規則に定めたら、その他の事項を含めて従業員に周知する必要があります。

2-1. 時短勤務制度の利用可能期間

3歳未満の子どもがいる従業員は「子どもの3歳の誕生日の前日まで」など、従業員から要望があれば時短勤務を可能にするべきと育児・介護休業法で定められている期間は確実に時短勤務制度を可能にしなければなりません。

それ以降の期間に関しては、企業の裁量で時短勤務を可能にするかを決定できます。

企業の裁量で時短勤務を可能にする期間を含めて、就業規則に記載しておきましょう。

2-2. 時短勤務の申請期限

時短勤務に関して就業規則に定める場合は、時短勤務の申請期限についても記載しておきましょう。時短勤務開始日から1ヵ月前までとされていることが多いですが、時短勤務になることで業務量の調整等も必要なので、調整の時間を考慮したうえで申請期限を決めましょう。

3. 時短勤務を就業規則で定める際の記載例

就業規則で時短勤務の取得可能期間を定めるときの記載例をいくつか紹介します。企業ごとの事情も考慮したうえで、記載例を参考に自社に合わせた規定を盛り込みましょう。

3-1. 子どもの3歳の誕生日前日までを取得可能期間とする場合の例

  • 原則的に育児時短勤務を利用する者は、適用期間は子の3歳までの誕生日前日までを限度とする。
  • やむを得ない事情により、労働者が延長を希望する場合は話し合いにより期間を決定する。

3-2. 子どもの就学前までを取得期間とする場合の例

  • 原則的に育児時短勤務を利用する者は、適用期間は子が小学校に入学するまでを限度とする。

3-3. 子どもの就学後の取得期間の余地を持たせたい場合

  • 原則的に育児時短勤務を利用する者は、適用期間は子が小学校に入学するまでを限度とする。
  • やむを得ない事情により、会社が認めた場合は、子の小学校◯年修了までの期間を限度に、育児時短勤務をさせることがある。

3-4. 要介護者がいる場合の時短勤務期間を定める場合

  • 介護時短勤務を利用する者は、利用開始日から3年の間に2回までの範囲で、個別に期間を定める。
  • 利用開始から3年経過後の時短勤務に関しては、労働者との話し合いにより決定する。

4. 時短勤務に対応できない場合の代替措置

育児が理由で時短勤務を従業員が希望する場合、その申し出を拒否するのは法律違反となります。ただし、時短勤務を希望していても、事情により時短勤務に対応できない場合は、代替措置を取ることが認められています。企業の体制や従業員が従事している業務内容によっては時短勤務を認めることで業務が回らなくなってしまうこともあるでしょう。以下の代替措置で時短勤務に近い形で働きやすい環境整備をおこないましょう。

4-1. フレックスタイム制度を設ける

フレックスタイム制度とは、あらかじめ定められた総労働時間を満たすのであれば、出勤や退勤の時間は従業員の裁量で決められるという制度です6時間しか働かない日もあれば、10時間働く日もあるというように、一定期間で決められた総労働時間のなかで、従業員が自由に働くことができます。

基本的にはオフィスにいなければならない時間をコアタイムとして設定し、その時間は原則的にオフィスにいなければなりません。ただ、コアタイムを設定せず、従業員が完全に勤務する時間を決めることができるスーパーフレックスタイム制度というものもあります。

4-2. 時差出勤制度を設ける

時差出勤制度は、1日の所定労働時間はフルタイムの労働時間から変わらないものの、出勤時間と退勤時間を調節できる制度です。時差出勤することで、保育園の送り迎えの時間に合わせて働くことができます。

4-3. 事業所内に保育所を設置する

事業所内に保育所やそれに準じる託児所などの施設や制度などを企業の負担で用意する措置です。従業員にベビーシッターを雇わせて、その費用を会社が支払うという方法をとることもできます。

5. 従業員の事情を踏まえて時短勤務制度の利用可能期間を決定しよう

育児時短勤務も介護時短勤務も、法律では取得できる期間が明確に定められています。

ただ、従業員ごとに事情が異なるため、一律の対応ではうまくいかないこともあるかもしれません。原則として期間を定め、あとは従業員との話し合いで期間を調整するなど、柔軟な対応を検討しましょう。従業員が働きやすい環境の整備は優秀な人材の確保につながります。就業規則に時短勤務に関するルールを定めるときは、その点を踏まえて規定を決定しましょう。

【監修者】小島章彦(社会保険労務士)

 

大学卒業後、某信用金庫にて営業と融資の窓口業務に関わる。 現在は、某システム開発会社に勤務。 会社員として働きながら、法律系WEBライターとして人事労務関係や社会保険関係のライティングを4年半以上行っている。 また、金融知識を生かした金融関係のライティングも含め、多数の執筆案件を経験している。 その他保有している資格は、行政書士、日商簿記3級など。

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