請求書の書き方・作り方とは?記載項目やルールを解説!
請求書発行システム
2023.03.09
2023.03.09
請求書の書き方は、法的に定められていません。しかし、請求書を作成するにあたって、記載が必須とされる項目やマナーがあります。また、スムーズに支払いがおこなわれるように、請求書を作成することが大切です。 当記事では、請求書に記載が必要な項目や、請求書の「但し書き」の必要性、立替金請求書の書き方、さまざまな状況における請求書の書き方について解説します。
請求書に記載が必要な項目とは
ここでは、請求書に記載が必要とされる項目について詳しく紹介します。
国税庁が定めている記載事項
国税庁の「請求書等の記載事項や発行のしかた」に基づくと、請求書には、下記の5つの項目を記載したうえで、発行することが推奨されます。
・ 書類作成者の氏名または名称
・ 取引年月日
・ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
・ 税率ごとに区分して合計した税込対価の額
・ 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|国税庁
なお、小売業や飲食店業、タクシーなどを経営する事業者が発行する請求書には、「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称」の記載を省略できます。
また、取引先から受け取った請求書に、「軽減税率の対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載がない場合には、取引の事実に基づき自社で追記することが可能です。
記載されているとよい項目
請求書には、決まったフォーマットはないため、必要に応じて下記のような項目を付け加えることでスムーズに取引をおこなうことができます。
- 発行日
- 振込先
- 支払期限
ほかにも、請求書番号を記載すれば、請求書の管理効率の向上が期待できます。また、商品やサービスの単価を記載したり、消費税額を別の項目として記載したりすることで、取引先は請求書の内容を把握しやすくなり、スムーズに支払手続きを進められるでしょう。
請求書の書き方の見本・例
ここでは、請求書の書き方の見本・例についてわかりやすく解説します。
発行日
請求書の発行日は、実際に請求書を作成した日付ではなく、請求書を発行した日や取引先の締め日などにします。あらかじめ取引先に発行日の記載方法について確認することが大切です。
請求先の宛名
請求先の宛名には、会社名・部署名・役職名・担当者名の順で記載します。また、会社名や部署名の場合は「御中」、担当者名などの個人名の場合は「様」を敬称として使用します。そして、会社名は「株式会社」を「(株)」に省略などはしないで、正式名称で記載することが大切です。
請求者の会社名・住所・電話番号
請求者の会社名も、請求先の会社名と同様で正式名称で記載します。また、住所は、一般的に郵便番号を記載したうえで、都道府県から記載し始めます。請求者の情報には、これら以外にも、メールアドレスやFAXなどを記載することもあります。
印鑑
請求書に印鑑を押す義務はありません。ただし、商習慣上あるほうが望ましいです。印鑑を押すときは、改ざんや偽造を防ぐために、会社名などに被せるようにしましょう。
商品名・数量・単価
商品名や数量、単価を明記することで、取引先に取引内容を明確に伝えることができます。
小計
小計には、税抜の合計金額を記載します。
消費税
消費税には、軽減税率が導入されていることもあり、取引先ときちんと確認したうえで記載しましょう。また、源泉徴収税を記載することもあります。
請求金額の合計
請求金額の合計には、税抜の合計金額と消費税額をあわせた総額を記載します。
振込先・振込手数料
振込先には、振込口座を記載します。取引先がわかりやすいように、銀行コードや支店コードも記載しておくとより丁寧でしょう。また、振込手数料は、請求先と請求者のどちらが負担するのかは、場合によって異なるため、取引先にきちんと確認しましょう。
支払期限
支払期限はあらかじめ取引先に確認してから記載しましょう。また、トラブルを防ぐために、取引内容や支払方法などのルールを契約前にきちんと決めて、書面などに残しておくことが大切です。
請求書の「但し書き」の書き方
領収書では、提供した商品やサービスの内容を詳細に表記するために、基本的に「但し書き」を記載します。領収書の但し書きには、「飲食代として」「旅費交通費として」「通信費として」などと記載します。
一方、請求書には、商品やサービスの内容・数量・単価などの取引内容が記載されており、何に対しての請求なのかがわかるため、但し書きを記載する必要はありません。
立替金請求書の書き方
立替金とは、他社が本来支払うべき代金を、自社が一時的に代わりに支払った代金のことです。たとえば、取引先が本来負担すべき配送料を、自社が代わりに支払ったときの料金が立替金として挙げられます。
立替金は、本来自社で負担するものではないため、立替金請求書を発行して、立て替えた分の料金を回収する必要があります。
立替金請求書は、立替金支払依頼書と呼ばれることもあり、立替金が生じた場合には、素早く発行して、立替金の精算をおこなうことが大切です。
立替金請求書は、通常の請求書とほとんど記載項目や記載方法は変わりません。ただし、タイトルは「立替金請求書」や「立替金支払依頼書」などのように、取引先が受け取ったときにすぐにわかるようにしましょう。また、立替金の内容や金額、数量など、認識のズレが生じないように記載することが重要です。
こんな時、請求書の書き方はどうする?
ここでは、さまざまな場面での請求書の書き方について詳しく紹介します。
前払金や着手金の場合の書き方
前払金や着手金とは、依頼を受けて業務に取りかかるときに必要な代金のことです。前払金や着手金を取引先に請求する場合には、一般的には前払金・着手金専用の請求書を用意します。前払金や着手金の請求書を記載するにあたって、タイトルは「前払金請求書」や「着手金請求書」と記載し、何の前払金(着手金)なのか詳細をきちんと記載することが大切です。
前払金請求書(着手金請求書)を作成するときは、消費税の扱い方に気を付ける必要があります。消費税は、原則として商品やサービスの提供があったときに課税をおこないます。そのため、前払金(着手金)のみを請求する場合には、前払金請求書(着手金請求書)に消費税の記載が必要ないこともあります。
金額を相殺する場合の書き方
買掛金を減らしたり、返品などを理由に返金をおこなったりする場合で、金額を相殺した請求書を作成するときは、書き方に注意する必要があります。請求書に新しく項目を設けて、マイナス処理をおこない、いつ、どのような取引によって相殺処理がおこなわれたのかを備考などに記載しておくことが大切です。
また、相殺処理をおこなう場合には、あらかじめ取引先の了承を得る必要があります。そして、領収書が取引先から求められた場合には、間違いがないように適切に対応しましょう。
たとえば、過去の取引で商品に欠陥があり、返品により10万円返金する必要があるとします。そして、新しい取引で30万円の発注があったとします。金額の相殺をおこなう場合は、請求金額が20万円(30万円-10万円)となり、その内容を請求書に明記することが重要です。
値引きする場合の書き方
大量購入があった場合や、クレームがあった場合などで、値引きして請求書を作成することもあるかもしれません。この場合には、値引きの項目を作成して、マイナス処理をおこないます。また、値引きの理由を明記しておくことで、取引先との認識の違いをなくし、トラブルを防止することが可能です。
また、値引きは税抜金額からおこないます。値引きを税込金額からおこなうと、税抜金額を計算するときに端数が生じるなど、記載ミスやトラブルにつながる恐れがあります。
そして、請求書には税抜金額から値引きしたら、値引き前の税抜金額、値引き金額、値引き後の税抜金額を記載したうえで、値引き後の税抜金額から計算した消費税額と税込金額を正しく記載しましょう。
請求書が2枚になる場合の書き方
請求書に記載する商品やサービスの数が多い場合など、請求項目が増えると、請求書が2枚になることもあります。たとえば、1枚目には請求金額を記載し、2枚目にその内訳を書くことがあります。
請求書が複数枚になる場合には、請求書番号の末尾に連番を振ると、管理がしやすくなります。また、取引先に請求書が複数枚あることを知らせるために、備考などに「1/2枚目」「2/2枚目」などとページ番号を振ったり、送付状に請求書が複数枚ある旨を記載したりするのがおすすめです。
そして、複数枚ある請求書がバラバラだと、紛失してしまう可能性もあるため、ホチキスなどを利用してまとめておくことが大切といえます。
請求書の正しい書き方をマスターしよう!
請求書には、国税庁の資料に基づくと5つの必須の記載項目があります。しかし、5つの項目だけでは、実務では不十分なこともあるため、必要に応じて項目を付け足すことが大切です。
また、立替金や、前払金・着手金、値引きなどが発生した場合には、それぞれの状況にあった請求書の書き方があります。請求書には、定まったフォーマットがないため、事前に取引先に確認したうえで、スムーズな取引につながる請求書を発行しましょう。
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