経理は自動化できる?自動化に役立つツールやメリットも紹介
経費精算システム
2023.07.10
2023.07.10
近年は人手不足を解消するために、システムやツールを活用して業務を自動化する動きが加速しています。経理も例外ではありませんが、経理は人に依存している業務も多いため、自動化は難しいという意見もあります。 この記事では、経理は自動化することが可能なのかを検証するとともに、経理業務を自動化するメリットや、自動化できる業務とおすすめの自動化ツール、自動化による経理の未来について解説します。
経理は自動化される?
経理業務はルーティン業務が多いため、比較的自動化しやすいと言われています。 もちろん、自動化のため調整が必要になる部分もありますが、一度自動化に成功すれば、人の手を介さずに業務をおこなうことが可能です。そのため、多くの企業では、積極的に経理の自動化に取り組んでおり、すでに実用化が完了しているところもあります。
一方で、経理業務の中には自動化が難しい業務もあります。仕事のやり方や内容に決まったかたちがなく、都度、人の判断が必要な仕事は自動化するのに向いていません。 たとえば、普段はPC上で処理しているデータを会議用資料としてまとめてほしいと依頼された場合、必要な項目を判断したうえで表にまとめる必要が出てきます。 また、税務関連の法律や規則は時代の流れとともに改正されますが、その内容をシステムに反映するには手動での更新が必要です。
このように、定型から外れた業務に関しては、人の判断と作業が必要不可欠であるため、経理業務のすべてを自動化するのは難しいと考えられています。今後、AI技術がさらに発達すれば、すべての経理業務の自動化される可能性もありますが、現時点では一部のルーティン業務に絞って自動化を進めるのが一般的です。
自動化できる経理業務の内容について、詳しくは後述します。
経理業務を自動化するメリット
経理業務を自動化すると、以下のようなメリットを期待できます。
経理の負担を削減できる
経理は、売掛金や買掛金の記帳、会社の資産の管理、給与計算、請求業務、税務申告書の作成など、会社のお金に関する幅広い業務を一手に担っています。 毎日おこなう業務に加え、月末や決算の時期にはとくに業務量が増えるため、時間外労働を余儀なくされることも多々あります。 伝票入力や請求書の作成といった経理業務を自動化すれば、これまで手動でおこなってきた業務にかかる時間と手間をカットできるため、経理担当者の負担を大幅に削減できます。
人手不足の問題を解消できる
日本は少子高齢化の影響により、どの産業も慢性的な人手不足に悩まされています。人手不足によって一人あたりにかかる負担が増えると、早期離職されるリスクが高くなり、ますます人手が足りなくなるという悪循環に陥る恐れがあります。 業務自動化で一人あたりの負担が減れば、今いる人材だけで仕事をこなせるようになり、人手不足の問題を解消できます。また、労働環境の改善は離職率の防止にもつながるため、一石二鳥です。
ヒューマンエラーを防げる
経理の主要業務の一つであるデータ入力や金額の計算は、ヒューマンエラーが発生しやすい傾向にあります。数字を一つ間違えただけでも、会社に多大な損害を与えたり、給与計算を誤って従業員に迷惑をかけたりする恐れがあるため、責任重大です。 経理業務をシステムで自動化すれば、データの誤入力や入力漏れ、計算ミスなどが発生しにくくなるため、素早く、正確に業務を遂行できます。
コストを削減できる
経理業務の多くを自動化すると、一人あたりの労働生産性が向上するため、新たに人を雇うコストを削減できます。 経理業務が効率化されれば、経理担当者が月末に残業をすることなく終業でき、残業代などのコストカットにもつながるかもしれません。
迅速な経営判断につながる
経理の自動化によって作業時間が短縮されると、早い段階でその月の試算表を作成することができます。 試算表は、決算書の作成や経営の改善などに用いられるため、早期に作成すれば、より迅速に経営判断へ反映させることが可能になります。
経理で自動化できる業務とおすすめの自動化ツール
経理担当者は、さまざまな業務をおこなっていますが、とくに自動化に適している業務は以下のとおりです。
- 仕訳入力
- 帳票類の発行
- 経費精算
- 請求書の発行
- 入金の消込
- 伝票入力
- 年末調整
- 固定資産管理
これらは業務のやり方が定型化しているため、システムやツールを活用することで自動化することが可能です。とくに1~6は頻繁におこなわれる業務なため、自動化すれば大幅な業務の効率化を期待できます。 これらの業務を自動化できるおすすめのツールは、大きく分けて2つあります。
経費精算を自動化する経費精算システム
経費精算システムとは、経費申請書の作成や承認、仕訳といった経費精算にまつわる業務を効率化するシステムのことです。申請書の作成や承認は基本的にシステム上でおこなえるようになり、紙ベースの申請書を作成、印刷したり、承認者に回したりする手間を省くことができます。 また、システムのなかには領収書のデータを取り込んで自動仕訳してくれる機能が搭載されているものもあり、データ入力や仕訳の業務を自動化することができます。
会計ソフトと連携できるシステムを選べば、経理で処理したデータを会計ソフトにそのまま落とし込めるため、データ入力の二度手間も省くことが可能です。 システムに搭載されている機能は製品によって異なるため、経理業務をどこまで自動化したいのか、自社のニーズを明確にしてからシステムを選択しましょう。

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入金の消込作業を自動化するRPAソフト
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略称で、日本語ではロボットによる業務自動化を意味します。経理業務にRPAソフトを導入すると、入力した売掛金を消去していく入金の消込作業を自動化することが可能です。 入金の消込作業は請求業務に関連する重要な作業の一つで、消込を忘れると二重請求の原因になります。
逆に、入金されていないのに誤って消込作業をおこなってしまうと、売掛金の未回収が発生するリスクが高くなります。 RPAソフトによって入金の消込作業を自動化すれば、ヒューマンエラーによる二重請求や売掛金の未回収の予防に役立ちます。

【わかりやすく図解】RPAとは?仕組みや機能、メリットが具体的にわかる
働き方改革などの背景から日々の業務を効率化してくれるツールとして注目されているRPA。今回は、そんなRPAについて仕組みやメリット、導入事例を図解などを用いて詳しく解説します。RPAについて初心者の方にもわかりやすい内容となっているのでぜひ確認してみてください。
経理業務の自動化で描ける未来
経費精算システムやRPAソフトなどを活用すれば、定型化されている経理業務の多くを自動化することが可能です。かたちが定まっていないものやイレギュラーな事象については、まだ人の手を介する必要がありますが、今後AI技術が進歩すれば、人と同じように判断し、臨機応変に対応することも不可能ではないと言われています。 ただ、AIによって経理業務のほとんどが自動化されたとしても、人の役割がなくなるわけではありません。
たとえば、AIがこなした経理業務を経営判断に活かしたり、AIそのものの運用やメンテナンスをおこなったりするのは人の仕事です。 経理業務の自動化によって、人の手が不要になる業務は今後増えていくと予想されますが、今後はシステムやツール、AIを使いこなすための知識やスキルを持った人材が新たに求められる時代になるでしょう。
経理を自動化して経理の負担を減らそう
経理はシステムやツールが得意とする定型業務が多いため、自動化に適した業務と言われています。経理を自動化すれば、経理担当者の負担減につながるほか、人手不足の解消、ヒューマンエラーの予防、コスト削減など、さまざまなメリットを期待できます。 経理を自動化するシステムには、経費精算システムやRPAソフトなどがあるため、積極的に導入を検討してみましょう。
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