ICカードによる交通費精算のメリットや注意点を徹底解説
経費精算システム
2023.06.29
2023.06.29
交通費精算に関する業務を効率化するには、ICカードの活用が有用です。ICカードで交通費を支払った場合は、データで管理することや、後日でも正確な履歴を入手することができるためです。 人的なミスも防ぎやすくなり、正確な交通費管理も可能になります。 本記事ではICカードによる交通費精算のメリットと注意点を解説します。
ICカードの利用で交通費精算の効率化が可能になる
交通費精算は面倒に感じ、後回しにする人が多い業務です。 とくに移動が多い営業担当者は、交通費精算のために多くの時間を取られることになります。そのため、申請漏れや計算ミスが発生しやすいです。 また、交通費精算の承認をする側の人も、書類の確認作業に時間を取られます。そうした問題を解決するために、ICカードは非常に便利です。
ICカードで交通機関を利用した場合は、利用した日や利用区間、料金などの情報が記録されます。そのデータをICカードリーダーと専門のシステムで管理できるようにすれば、交通費精算書類の作成の際に利用情報を転記する手間がかからなくなります。 承認をする側や経理担当の確認作業も減り、交通費処理に関する業務負担を軽減できる可能性があります。
ICカードによる交通費精算の例
交通費の精算で使われることが多いICカードは、交通系ICカードとクレジットカードです。それぞれの利用例をみていきましょう。
交通系ICカード
SuicaやPASMOなどの交通系ICカードは、いまや電車やバスを利用する際に使われる代表的な決済手段です。 交通系ICカードには乗降車情報や利用金額などの履歴が自動で蓄積されます。 ICカードの履歴を取得する方法には自動券売機を使う方法とICカードリーダーを利用する方法があります。 前者の場合、利用履歴は駅の自動券売機で取得します。
日付や利用駅など、必要なデータがすべて印字されるため、それを元に交通費を精算できます。 ICカードリーダーを使う場合は、ICカードを読み込ませるだけで情報が取得できるのでスムーズに精算業務をおこなうことが可能です。細かい利用内容もすべて自動で登録されるため、この方法では申請する側も承認する側も大幅に業務を削減できます。
クレジットカード
新幹線や飛行機を使った長距離移動の交通費は、高額になります。そのため、社員個人のクレジットカードを使って交通費を立て替えるかたちで支払った場合は、領収書が必要です。 会社の規定にもよりますが、一般的には交通費精算書と領収書がそろって、はじめて申請や承認がおこなえます。
領収書がない場合は、クレジットカードの利用明細や請求明細でも精算が可能です。 交通費精算書を作成したり、承認したりする手間はかかりますが、クレジットカードは利用履歴が簡単に確認できるため、後日精算をする場合でも、現金決済よりもミスが発生しにくいです。
ICカードを利用した交通費精算のメリット
ICカードを使って交通費精算をすれば、さまざまな業務にかかっていた時間を削減できます。どんなメリットが発生するのか、具体的にみていきましょう。
申請から承認がスムーズになる
ICカードの交通費精算で、ICカードリーダーによる読み込みと連携した経費精算システムを使う場合は、申請から承認までにかかる時間を大幅に短縮できます。 ICカードから利用履歴を読み込み、それをシステムで自動登録できるからです。申請者は領収書の整理や交通費精算書の作成が不要になり、承認者も申請内容の確認にかかる時間を減らせます。
とくに承認者は、クラウド型システムを利用すれば、場所を選ばずに確認ができます。隙間時間に業務を進めやすくなるでしょう。
ミスや申請漏れを防ぎやすくなる
営業担当者をはじめ、近距離で交通機関を頻繁に使う社員は、交通費の管理ができずにミスや申告漏れが発生しやすいです。交通系ICカードで利用内容を管理できれば、そうした問題は大幅に改善できます。よくある定期区間の除外ミスもなくなるでしょう。
クレジットカードも利用履歴を確認できるため、後日精算する場合でも詳細な情報を正確に把握することが可能です。ミスや申告漏れを減らすことで、差し戻しや確認作業も削減できます。
経理処理も効率化できる
交通系ICカードのICカードリーダーと、経費精算システムを連動して使う場合に限りますが、経理処理も大幅に効率化できます。読み取った利用履歴のデータから自動仕訳が可能で、個別の入力業務を減らせるからです。 また、申請者のミスや不正利用のリスクも減ることで、確認業務に取られていた時間も減らせます。
ICカードを利用する際の注意点
ICカードによる交通費精算にはメリットが多いです。しかし、交通費精算に関連するすべての課題を解決できるものではありません。 利用する際の注意点を解説します。
履歴の保持件数と保持期間に上限がある
交通系ICカードに記録される利用履歴には、上限があります。 Suicaでは、履歴の表示は直近20件までで、印字は直近100件までです。(※1)また、利用から26週間を超えた履歴は印字できません。 こうした履歴の上限を正確に把握し、データが消える前に印字やICカードリーダーによる読み込みをおこなう必要があります。
印字した履歴を紛失するリスクがある
交通系ICカードの履歴を印字したシートは、新幹線の切符と同程度の小さいサイズです。そのため、誤って捨ててしまったり、どこかに紛れ込んでしまったりしやすく、紛失することがあります。 履歴を印字する方式を採用している場合、そうした管理ミスを完全に防ぐことは難しいかもしれません。
ビジネス用かプライベート用かの履歴を判別する必要がある
ビジネス用とプライベート用でICカードを分けずに1枚にまとめて使用している場合、移動履歴は混在して表示されます。精算時は、混在した履歴をきちんと判別する必要があります。 履歴が判別できないと交通費精算がおこなえない可能性もあるため、モバイルICカードとの併用やビジネス用とプライベート用を分けて使用する方法をアナウンスしておくとよいでしょう。
ICカードは交通費精算を大幅に効率化できる
多くの社員が手間に感じる交通費精算は、ICカードや経費精算システムの導入により、効率化することが可能です。 とくに細かい利用が多い近距離の公共交通機関の交通費精算は、交通系ICカードとICカードリーダーによって大幅に効率化できます。ミスも減らせるため、より正確な経費の管理が可能になります。
しかし、ICカードは万能ではありません。ICカードの特徴や使い方、人が管理すべき部分を正確に認識し、ほかのシステムと組み合わせながら上手に活用することが大切です。
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