電子帳票とは?紙媒体から移行する際に必要な電子帳簿保存法の要件も紹介
電子帳票システム
2023.07.06
2023.07.06
帳票とは、帳簿や伝票など、業務に関連する書類であり、企業はさまざまな帳票を作成しています。 従来、多くの企業はそれらの帳票を紙で管理していましたが、パソコンやインターネットを利用して業務をおこなう現代では、帳票の電子化も主流になりつつあります。 ここでは、電子帳票について、導入のメリットやデメリット、押さえておきたい機能などを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
電子帳票とは?
そもそも帳票とは、帳簿や伝票など業務に関連する書類のことを指します。そして、それらの帳票類を電子化してデータとして管理し、Web上でやり取りできるようにしたものを電子帳票と呼びます。PCやスキャナを活用して紙媒体の帳票をデータ化し、データとして保存します。
近年はこれを仕組み化した電子帳票システムが、業務効率化やセキュリティの向上などを背景に、注目を集めています。また、電子帳票だけでなく、注文書は発注書などほかのさまざまな帳票を電子化してやり取りするための仕組みに、EDIと呼ばれるものもあります。
EDIについては以下の記事で詳しく記載しています。
関連記事:EDIとは?必要性やEOSとの違い、2024年問題について解説!
電子帳票システムが注目されている背景
近年、電子帳票システムは注目を集めています。ここでは電子帳票システムが注目を集めている背景について詳しく紹介していきます。
電子帳簿保存法の改正
1998年7月に制定された電子帳簿保存法では、国税関係帳簿書類のすべて、または一部を電子データによって保存することが認められました。また、2005年の法改正で国税関係書類の一部はスキャナ保存も可能になりました。これによって、帳票も要件を満たすことで電子データ保存やスキャナ保存をすることができるようになりました。
このような背景から、電子帳簿を活用できる機会が増加したため、電子帳票システムを取り入れる企業が増えたのではないでしょうか。
エコを重視する流れ
電子帳票システムを活用することで、印刷時に必要だった紙やインクなどの使用を減らすことができ、エコに貢献することができ、エコに貢献することができます。また、社会的にもペーパーレスを推進している企業として世間にアピールすることができます。
近年ペーパーレスな環境で仕事を進める企業が増えてきています。以下の記事では、ペーパーレスを推し進めるメリットについて書いてあるので詳しくはご覧ください。
文書から電子帳票に移行して問題ないの?|電子帳票保存法の要件
これまで紙媒体で帳票を管理していた方にとっては、「データで保存しても問題ないの?」「紙媒体の方が安全じゃないの?」と不安に思われる方もいるかもしれません。データ上で帳票を保存・管理するには一定の基準が必要であり、その基準は電子帳票保存法で定められています。
ここでは、これまで紙媒体で保存していた書類をデータとして保存するためには、どのような要件を満たしていればいいのかを紹介します。
電子帳票保存法の適用を受けるための要件
- 記録事項の訂正・削除を行った場合の事実内容を確認できること
- 通常の業務処理期間を経過した後の入力履歴を確認できること
- 電子化した帳簿の記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できること
- システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を備え付けること
- etc
電子帳票保存法の要件を受けるための要件に関して、例えば上のようなものが定められています。詳しくは上記総務省のリンクからご覧ください。
電子帳票システムの代表的な機能
電子帳票システムにはどのような機能が備わっているのでしょうか。ここでは、電子帳票システムの代表的な機能について、それぞれ紹介していきます。
帳票の作成・活用
電子帳票システムは、ほかのシステムで出力されたCSVやPDFから必要なデータを抽出し、形式に合わせて帳票を作成することが可能です。また、システム内にある帳票データは、プリンターやFAXと連携したり、PDFやExcelに変換して活用したりすることができます。
帳票書類を一括保存・管理
電子帳票システムは、作成した帳票書類を一括で管理・保存することができます。またフォルダを作成したり、ジャンルごとに分類したりするなど、見やすく管理することができます。さらに、帳票ごとに期間を設定して保管することができるため、保管効率も良くなります。
電子帳簿保存法への対応
帳票を電子データとして保管するためには、国税庁が定める電子帳簿保存法の要件を満たし、税務署長に申請をする必要があります。多くの電子帳票システムは、この要件を満たせるような機能が備え付けられているため、システムの指示通りに対応するだけで要件を満たした帳票の作成が可能になります。
帳票の即時検索・閲覧
電子帳票システムの検索機能を用いれば、膨大な過去の資料からすばやく必要な情報を検索し、閲覧することができます。また、日時や帳票の詳細など、さまざまなフィルターをかけて検索することができるため、探している帳票を効率良く見つけることが可能になります。
帳票の編集
電子化した帳票は、紙への書き込みと同じように編集することが可能です。チェックした部分にしおりやマーカーの設定ができたり、システムによっては手書きの書き込みもできたりするため、情報共有をスムーズにおこなうことができます。
セキュリティ機能
電子帳票システムは、帳票を電子化することで一元管理ができるため、セキュリティを強化することが可能です。たとえば、社内のなかでも一定の人しかデータを閲覧できないようにするアクセス制限や、利用パソコンの制限、閲覧・印刷ログの履歴確認、電子署名・タイムスタンプによる帳票の改ざん防止などがおこなえます。
またアクセス制限においても、フォルダや帳票ごとにアクセス権を付与できるので、より厳重な帳票管理が可能になります。
電子帳票システムを活用するメリット
電子帳票システムを導入し、活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは電子帳票システムを活用するメリットを3つ紹介します。
コスト削減
電子帳票システムを導入することで、帳票は電子データになるため紙代やインク代といった資材コスト、書類の印刷やファイリングといった作業コストなどを削減することができます。
また作業コストの削減によって業務工程を省略することができるため、人件費もカットできます。電子帳票システムの導入によって、さまざまなコストを削減することが可能になります。
業務効率の向上
帳票を電子化することで、紙を管理する手間を減らすことができます。
また、必要なデータはシステム内で検索し、すぐに抽出することができます。さらに、見積書や請求書などを、必要なときにすぐに送ることができたり、データの集計が取りやすくなったりするなど、さまざまな面で業務の効率化を図ることができます。
また、AIなどで自動抽出・データ分析をおこなえるシステムもあるため、さまざまな業務を自動化し、効率良く作業することが可能になります。
セキュリティ強化
紙で帳票を管理してしている場合、書類の保存期間が満了するまで社内や倉庫などで保管する必要がありました。そのため年数を重ねるごとに書類は溜まり、それらの管理を徹底するのは大変な作業でした。
しかし、電子帳票システムなら、一元管理が可能な上に物理的スペースもとらないため、管理がとても楽になります。システムの機能にも、アクセス制限や閲覧履歴の記録などが備わっているため、情報漏えいのリスク対策もできます。
電子帳票システムを活用するデメリット
データ保存体制を整えておく必要がある
電子帳票システムを導入することで、これまで紙媒体で管理していた帳票をデータ化して管理することになるため、データの保存体制やバックアップ体制をしっかり整えておく必要があります。データが紛失したり流出したりするなど、情報漏洩のリスクが高まるためそのリスクをしっかりカバーするための体制を整えておくようにしましょう。
導入コストがかかる
電子帳票システムを導入する際には、その導入過程で多くの関係各所の協力を仰ぐ必要があります。新たなシステムをインストールしてもらったり、使い方をレクチャーしたりなど、紙媒体での帳票管理からデータでの管理に移行するまでには多少の導入コストがかかってしまいます。
電子帳票システムを活用して業務を効率化させよう
紙媒体で帳票を管理する場合、管理・運用の煩雑さや、電子帳票に比べ時間がかかってしまう点がデメリットとして挙げられるでしょう。そんな悩みを抱えている企業は帳票を電子化することがおすすめです。そうすることで、コスト削減や業務効率の向上、セキュリティ強化など、さまざまなメリットを見込むことができます。
電子帳票だけでなく、電子契約に関しても詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
また、以下の記事では具体的な電子帳票システムについて紹介しています。おすすめのサービスや特徴について詳しく解説しているので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
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