電子署名にかかる費用は?方法や費用相場を解説!
電子契約サービス
2023.07.06
2023.07.06
電子署名とは、電子契約書を取り交わす際に付与するものです。 署名した本人であることの確認や、電子文書が改ざんされていないことの証明になります。 電子署名の信頼性を高めるには、電子認証局が発行する「電子証明書」を取得しましょう。 また、電子著名の発行には費用が発生します。 今回は、電子署名にかかる費用相場や作成方法について詳しく解説します。
電子署名とは
電子署名とは、電子文書で取り交わす契約の際、「作成者本人であること」「内容に改ざんされていないこと」を証明するためのものです。
書面での契約書でいうところの、押印や署名に該当します。
電子署名は紙面への押印や署名とは異なり、偽造が容易であるという問題点があります。
そこで、電子認証局が発行する「電子証明書」や「タイムスタンプ」を付与して電子署名を法的に有効なものにするだけでなく、第三者による偽造やなりすましを防ぎます。
電子署名には、当事者型と事業者型の2つの種類があります。
当事者型とは、電子取引の際、送付先と送付元の双方が、電子認証局で厳重な本人確認を受けた後、電子証明書を発行しなければならない電子署名です。
電子署名にかかる費用
電子署名に電子証明書を付与するには費用がかかります。
電子証明書を付与するには、法務省、または民間の電子認証局で発行してもらうか、電子契約サービスを利用する方法があります。
電子認証局を利用する場合は1年で4,300円から
電子証明書を発行する電子認証局には、公的に認められた認証局である「パブリック認証局」と、企業や個人が独自で開設した「プライベート認証局」の2つがあります。
パブリック認証局で電子証明書を発行するには、利用料金がかかります。
電子証明書の発行形式にはファイルタイプとICカードタイプがあり、年間費用に大きな差はありません。
しかし、ICカードタイプを利用するにはICカードリーダーが必要になるため、別途購入料金(1万円程度)がかかります。
ファイルタイプの電子証明書を発行するには、法務省の電子証明登記所で3カ月の有効期間で1,300円、1年で4,300円かかります。
民間の認証局では、1年から2年の有効期間で1、2万円程度、3年から4年で3、4万円程度が相場です。
電子契約サービスでの電子署名でかかる費用は基本料金+従量課金
電子契約サービスは、そのシステム自体が電子証明書を受けています。
そのため、利用者が電子証明書の発行手続きをする必要がなく、手間やコストを抑えることができます。
また、締結済みの契約書の管理もしやすい点も電子契約サービスのメリットの一つでしょう。
電子契約サービスの導入には、基本料金がかかります。
一般的な電子契約サービスの月額は幅広く、サービス内容もさまざまです。
また、一つの契約書につき従量課金がかかることもあります。
また、導入した電子契約サービスによっては、別途初期費用が必要な場合もあります。
電子署名の費用対効果
企業が電子署名を導入することで得られる費用対効果としては、主に次の3つが挙げられます。
1. 契約書の電子化によって省スペースを実現
電子署名を導入し、紙面での契約書を電子化すれば、従来のように契約書をファイリングして保管する必要がなくなります。
書類のファイル整理は手間がかかるうえ、量が増えればそれなりの保管スペースが必要です。
契約書を電子データ化すれば、書類を保管するためのスペースが不要になるだけでなく。原本の管理も楽になるでしょう。
2. 契約業務の効率化を図れる
電子署名付きの電子契約を導入すれば、契約書の作成から締結、管理までのスピードが向上し、契約業務を効率化できます。
紙の契約書を使用した契約書業務は、契約書を作成後、紙に印刷して押印、封入、切手の貼付、郵送という手順で送付先の手元に届き、送付先は契約書の内容を確認後、押印して返送します。
そのため、契約を結ぶまでに時間がかかります。
電子署名付きの電子契約書を利用すれば、電子データ化した契約書をメールでやりとりできるため、契約までにかかる業務を大幅削減し、1日から2日程度での契約締結が実現します。
3. ペーパーレス化によるコスト削減
電子署名の導入によって契約書のペーパーレス化が進めば、物理的なやりとりとそれにかかる費用を削減できます。
紙面での契約書にかかるコストについて考えてみましょう。
契約書を印刷する用紙代、プリントする際のインク代、契約書を郵送する際の封筒と、必要であれば返信用封筒の代金、送料などがかかります。
A4サイズの書類を送る際の送料は120円、レターパックで郵送する場合は370~520円です。
また、紙で契約書を発行する場合は、契約書に記載されている金額に応じて、印紙を貼る必要があります。
このように、一つの契約を締結するには、さまざまなコストがかかります。
年間で300件から400件程度の契約がある企業であれば、40万、50万円程度のコストがかかるでしょう。
その点、電子署名を導入すれば、電子データ化した契約書でやりとりが可能になるため、紙代や印刷代、インク代、送料などのコストを削減できます。
また、印紙税法では、電子データでの契約書は紙文書の作成、交付に該当しないため、印紙税が発生します。(※1,2)
電子署名の導入は、契約業務のコスト削減だけでなく、節税対策にもつながります。
(※2)第7節 作成者等|国税庁
電子署名を作成する方法
電子署名を作成する主な方法として、WordやExcelで電子署名する方法のほか、AcrobatやAcrobat Readerを使ってPDF文書に付与する方法、電子契約サービスで電子文書に付与する方法の3つがあります。それぞれの作成方法は以下のとおりです。
1. WordやExcelを使って電子署名する
WordやExcelの文書データに電子署名を付与する場合は、あらかじめ電子認証局でデジタルID(証明書ID)を取得しておきましょう。
まずは、電子署名したいWordやExcelのファイルを開き、電子署名したい箇所にカーソルを移動させます。
続いて、「挿入」タブより、「テキスト」を選択し、「署名欄の追加」をクリックします。
ダイアログボックス内の「署名の設定」に必要な情報を入力したら、追加された署名欄を右クリックして署名を選択しましょう。
キーボードまたはタッチペンを使って署名し、保存したら完成です。
2. AcrobatやAcrobat ReaderでPDF文書に電子署名する
PDF文書に電子署名を付与する場合は、AcrobatやAcrobat Readerなど、PDFファイルを編集できるソフトを使用します。
まず、電子署名を付与したいPDF文書をAcrobatまたはAcrobat Readerで開きます。
「ツール」タブより「証明書」→「電子署名」を選択、「ドラッグして新規署名ボックスを作成」をクリックします。
「証明済み文書として保存」というダイアログボックスが出たら「OK」をクリックし、署名箇所を任意で指定します。
続いて、電子認証局から取得、または自分で作成したデジタルIDを設定し、「デジタルIDで署名」というダイアログボックスが出たら、IDを指定しましょう。
最後にデジタルIDを取得した際に設定したパスワードを入力して、ファイルを保存します。
デジタルIDはAcrobat Readerの「編集」タブより「環境設定」を選択し、「署名」→「IDと信頼済み証明書」の詳細タブをクリック、「デジタルIDと信頼済み証明書の設定」という項目から自分で新規作成することも可能です。
しかし、セキュリティ面を考えると、電子認証局に発行してもらうほうがよいでしょう。
自社や取引先が求めるセキュリティレベルや、信頼性に合わせることが大切です。
3. 電子契約サービスを利用する
電子契約サービスでは、信頼性の高い電子署名の付与が基本機能として備わっています。
電子証明書(デジタルID)を発行する手間がないため、文書データのセキュリティや信頼性を保ちながら、電子署名をはじめ電子契約に関する業務がさらに効率的になるでしょう。
月額費用やオプション機能などは、各電子契約サービスによってさまざまです。
年間の契約件数や自社が求めるセキュリティレベルなどから、自社に合ったサービスを導入しましょう。
電子署名に電子証明書を発行する際は有効期限に合わせた取得費用がかかる
電子署名は、電子化された契約書を取り交わす際、本人が作成したこと、内容に改ざんがないことを証明するためのものです。
電子署名の信頼性を高めるためには、電子認証局から電子証明書を発行してもらう必要があります。
法務省が開設しているパブリック認証局と個人や企業が開設しているプライベート認証局では費用が異なり、有効期限が長くなるほど高額になります。
ビジネス書類に電子署名をする際は、事前に電子証明書を発行し、セキュリティや信頼性を高めることをおすすめします。
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