電子契約書には角印を押すべき?必要性や法的効力を詳しく紹介
電子契約サービス
2023.03.28
2023.03.28
契約に関する業務フローの効率化やペーパーレス化を目的として、電子契約書を導入する企業も増えてきました。電子契約書についても、紙ベースの契約書と同様、角印や代表者印を押す必要はあるのでしょうか。 この記事では、電子契約書における角印の必要性や法的効力について詳しく解説します。電子契約書の信頼性を高める方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 契約書における角印の法的効力
角印は、さまざまな書類を作成する際に用いられますが、どのような法的効力があるのでしょうか。ここでは、紙ベースの契約書における角印の法的効力について解説しますので、確認しておきましょう。
1-1. 角印とは会社名が記された印
角印とは「株式会社〜」「合同会社〜」などの会社名が記された四角形のハンコのことです。会社印や社判などとも呼ばれ、主に領収書や請求書を作成する際に用いられます。その会社が作成した書類であると証明すること、書類の信頼性を高めることが角印の大きな役割です。
1-2. 角印は契約書には押印しないのが一般的
角印は、書類の信頼性を高めるうえで重要な存在ではあるものの、契約書を作成する際には基本的に用いられません。企業の代表者だけが使用できる代表者印とは異なり、角印は代表者以外の社員も使用できるためです。
絶対的なルールではありませんが、契約書を作成するときは代表者が署名し、さらに代表者印を押印するのが一般的です。角印には会社名しか記されておらず、代表者以外の社員でも使用できるため、仮に押したとしても、会社の代表者によって承認された契約書であることを証明できません。
重要な契約書には代表者印を用い、大量に作成する領収書や請求書、少額の取り引きに関する書類などにのみ角印を押印するケースが多いでしょう。
1-3. そもそも契約書における押印は慣習的なもの
重要な契約書には代表者印を用いることを紹介しましたが、そもそも契約書における押印は慣習的なものです。書面や押印が存在しない、いわゆる口約束でも契約は成立します。
ただ、口約束だけでは認識に相違があったり「いった」「いわない」という紛争になったりするため、企業間の重要な取り引きにおいては、契約書を作成して押印するのが一般的です。
契約書に金額や条件などを明記しておくことで、双方が取り引き内容を確認でき、納得したうえで仕事上の関係を構築できます。トラブルの防止にもつながるでしょう。
2. 電子契約書における角印の必要性
契約書には角印を使用しないのが一般的であることを解説しましたが、電子契約書においても同様です。電子契約書とは、PDFなどの電子データによって作成される契約書のことで、一定の要件を満たすことで法的に有効と認められます。
当然ですが、電子契約書は電子データであるため、紙の書類のように角印を押すことはできません。
また、電子契約書には「電子署名」が存在するため、基本的には押印する必要はありません。電子署名については、後ほど詳しく解説します。
2-1. 電子契約書に角印を押す場合は電子印鑑を使用する
無理に押す必要はありませんが、電子契約書に角印を押したい場合は電子印鑑を使用すると良いでしょう。電子印鑑とは、PDFなどの電子データに押印できるように、印影を画像化した印鑑のことです。 電子印鑑は、従来の角印の印影をスキャンする、無料アプリやイラストソフトを使う、といった方法で簡単に作成できます。有料のサービスを利用して作成することも可能です。電子印鑑があれば、パソコン上で書類作成と押印が完結するため、ペーパーレス化や業務の効率化を実現できるでしょう。
2-2. 電子印鑑の法的効力はそれほど高くはない
電子印鑑は比較的簡単に使用できるため、法的効力はそれほど高くありません。
画像処理技術やスキャン技術が向上したこともあり、単純に印影をスキャンしただけの電子印鑑は、不正に複製されてしまうリスクもあるため注意が必要です。電子印鑑を押す場合は、画像データに識別情報を付与したセキュリティ性の高いものを利用しましょう。
3. 電子契約書では角印や代表者印の代わりに電子署名を使用する
電子契約書の場合、角印や代表者印を押印する代わりに、電子署名を付与することにより法的効力を担保するのが基本です。電子署名を正しく付与することで、確実に本人が署名していることや、電子契約書の内容が改ざんされていないことを証明できます。
3-1. 電子署名の信頼性は高い
電子署名とは、手書きの署名を単純にスキャンしたものではありません。電子署名は、本人確認データである電子証明書を付与するなど、信頼性やセキュリティ性を高めるためのプロセスを経て発行されます。
電子証明書は、認証局という第三者機関によって発行される、インターネット上の身分証明書のような存在です。電子証明書が付与されることで、電子署名の信頼性が担保されています。
3-2. 電子署名を導入するメリット
業務を効率化できることは、電子署名や電子契約を導入する大きなメリットです。
電子契約書であれば、書面を印刷して押印したり、相手の会社へ郵送したりする必要はありません。メールで送付することも可能なため、契約に関する業務プロセスを効率的に進められるでしょう。
さまざまな経費を削減できることも電子署名を導入するメリットのひとつです。印刷するためのインク代や用紙代を削減できるだけではなく、大量の契約書を管理する手間もなくなります。
紙ベースの契約書の場合は収入印紙を貼らなければなりませんが、電子契約書の場合は必要ありません。電子署名や電子契約を導入することで、コストを大きく削減できるでしょう。
3-3. 電子署名を導入する方法
電子署名を行う場合は、電子契約システムを導入するのが一般的です。
業務効率化やペーパーレス化を目指して、電子契約システムを導入する企業も増えてきました。 電子契約システムを活用すれば、企業間の契約や雇用契約など、さまざまなタイプの契約書類をスムーズに作成できます。
電子署名やタイムスタンプを簡単に付与できるシステムも多いため、信頼性の高い契約書を作成することが可能です。
作成した契約書はシステム上で管理できるため、倉庫などで保管する必要はありません。契約に関するワークフローを効率化したい場合は、ぜひ電子契約システムの導入を検討しましょう。
4. 電子契約書には角印ではなく電子署名が必要!
今回は、電子契約書に角印を押す必要性や、電子契約書の信頼性を高めるポイントなどを解説しました。電子印鑑を使うことで、電子契約書に角印を押すことは可能ですが、電子印鑑の法的効力はそれほど高くありません。
とくに角印の印影を単純にスキャンしたようなものは、簡単に複製されてしまうため注意しましょう。 信頼性の高い電子契約書を作成するためには、電子署名を付与する必要があります。
正しいプロセスで電子署名を付与することで、契約書の内容が改ざんされていないことや、本人による署名であることなどを証明できます。難しい仕組みではありますが、電子契約システムを活用すれば簡単に使えるため、ぜひ導入を検討しましょう。
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