住宅ローン契約時の印紙代を書類ごとに徹底解説
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2023.03.28
2023.03.28
住宅ローンを契約する際は、さまざまな書類が必要ですが、書類の中には収入印紙が必要なものもあります。スムーズに契約を進めるためには、収入印紙を事前に用意しておかなければなりません。そのため、どの書類にいくらの収入印紙が必要かを把握しておくことが大切です。 今回は、住宅ローンを契約する際に必要な書類や書類ごとに必要な収入印紙代を解説します。
1. 住宅ローンの契約書に収入印紙が必要な理由
普段の生活で、収入印紙を貼付しなければならない機会はそれほど多くないかもしれません。経済的な取り引きを行うために作成した書類を課税文書と呼びますが、この課税文書には文字どおり税金が課せられます。 この際に課せられる税金が「印紙税」で、それを支払うために発行するのが収入印紙です。
収入印紙を購入する代金を支払うことで、印紙税を納付できます。課税文書に税金を納付するのは、印紙税法で定められているため、必要な書類には必ず貼付しなければなりません。
2. 住宅ローン契約時に必要な書類
住宅ローンを契約する際に必要な書類は以下のものがあります。 ・金銭消費貸借契約書 ・抵当権設定契約書 ・保証委託契約書(保証会社を利用する場合) ・団体信用生命保険申込書兼告知書 まずはそれぞれどのような書類なのかを確認していきましょう。
2-1. 金銭消費貸借契約書
金銭消費貸借契約書は、債務者となる借主が、貸主から金銭などを受け取り、一定の利子をつけて返済することを約束する契約書です。一般的に「借用書」と呼ばれます。ローンに関する取り決めを明示した書類であるため、住宅ローンに関する契約書の中では、一番重要な書類といえるでしょう。 住宅ローンの金銭消費貸借契約書には、以下のような情報が記載されています。
- 借入額
- 利息
- 金利
- 金利タイプ
- 返済期日
- 返済方法
- 遅延損害金
- 返済を滞納した場合の対応
- 借主・貸主の情報
この契約が成立すると、借主と貸主の間に経済的な取り引きが行われますから、金銭消費貸借契約書は課税文書となり、収入印紙が必要です。
2-2. 抵当権設定契約書
土地や建物などの不動産に抵当権を設定するために必要な契約書が、抵当権設定契約書です。万が一、住宅ローンの返済を滞納してしまった場合に、貸主が確実に貸出債権を回収するために、担保としてこの契約を結びます。 抵当権だけを設定するための抵当権設定契約書の場合は課税文書には該当しません。
ただし、住宅ローン契約時にこの契約書を交わす場合、抵当権を設定する不動産の情報に加え、返済が滞った場合の債権譲渡に関する内容も記載されています。債権譲渡に関する文書は課税文書に該当するため、抵当権設定契約書にも収入印紙が必要です。
2-3. 保証委託契約書(保証会社を利用する場合)
住宅ローンを契約する際に保証会社を利用する場合、保証委託契約書が必要です。この契約書は、借主が何らかの理由で返済できなくなった場合に、保証会社が借主に代わって金融機関に返済を行い、債権を譲り受けることが記載されています。
保証会社を利用して、もし返済が滞ってしまった場合は、債権を譲り受けた保証会社が借主に債務の返済を請求します。この契約書は課税文書にあたらないため、収入印紙は必要ありません。
2-4. 団体信用生命保険申込書兼告知書
契約者本人が死亡した場合や高度障害を負ってしまった場合、住宅ローンの残金がゼロになるという保険が、団体信用生命保険です。
契約者に万が一のことが起きた場合に、家計の負担を減らせます。 団体信用生命保険申込書兼告知書は、生命保険会社に提出される書類で、あくまで保険の契約書です。そのため、課税文書には該当せず、収入印紙は必要ありません。
3. 住宅ローン契約時に必要な印紙代
住宅ローンを契約する際に取り交わす契約書のうち、金銭消費貸借契約書と抵当権設定契約書は課税文書になります。課税文書は第1〜20号まで分類されていて、金銭消費貸借契約書は第1号文書、抵当権設定契約書は第15号文書です。それぞれの印紙代を見ていきましょう。
3-1. 第1号文書(金銭消費貸借契約書)
第1号文書に該当する契約書にもいくつか種類がありますが金銭消費貸借契約書は「消費貸借に関する契約書」に該当します。 第1号文書にあたる契約書には、契約金額に応じた収入印紙を貼付しなくてはなりません。第1号文書の印紙代は以下のとおりです。
契約金額 | 印紙代 |
10万円以下 | 200円 |
10万円を超え50万円以下 | 400円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 20,000円 |
5千万円を超え1億円以下 | 60,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 100,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 200,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 400,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 |
[参考]No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税局
3-2. 第15号文書(抵当権設定契約書)
住宅ローン契約時に取り交わす抵当権設定契約書は「債権譲渡または債務引受けに関する契約書」に該当する第15号文書です。 第15号文書の印紙代は以下のようになっています。
契約金額 | 印紙代 |
1万円以上のもの | 200円 |
金額が記載されていないもの | 200円 |
[参考]No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税局
4. 住宅取得時に必要なそのほかの書類と印紙代(不動産売買契約書など)
住宅取得時に必要なそのほかの書類は「不動産売買契約書」や「土地売買契約書」「工事請負契約」があります。 不動産売買契約書は、売主と買主が土地と建物などの不動産売買に合意したことを示す契約書です。土地売買契約書は、土地飲みの売買契約の合意を明示しています。
また、工事請負契約書は注文者が請負人となる業者に工事を発注したことと、業者が受注したことを示す契約書です。 それぞれの印紙代についても見ていきましょう。
4-1. 不動産売買契約書・土地売買契約書
不動産売買契約書と土地売買契約書は「不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書」にあたり、第1号文章になります。印紙代は以下のとおりです。
契約金額 | 印紙代 |
10万円以下 | 200円 |
10万円を超え50万円以下 | 400円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 20,000円 |
5千万円を超え1億円以下 | 60,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 100,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 200,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 400,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 |
[参考]No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税局
4-2. 工事請負契約書
工事請負契約書は「請負に関する契約書」に該当し、第2号文書に分類されます。印紙代は以下のとおりです。
契約金額 | 印紙代 |
1万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円を超え200万円以下 | 400円 |
200万円を超え300万円以下 | 1,000円 |
300万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 20,000円 |
5千万円を超え1億円以下 | 60,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 100,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 200,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 400,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 |
[参考]No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税局
5. 契約書に必要な収入印紙を用意しておこう
住宅ローンを契約する際は、金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約書に収入印紙を貼付しなければなりません。200円以上の収入印紙は、郵便局や法務局で購入する必要があるため、早めに準備しておきましょう。必要な書類には必ず収入印紙を貼り、正しく納税してください。
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