電子契約の原本を保管するときのポイントをわかりやすく解説
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2023.08.24
2023.08.24
書面の契約書であれば、製本して当事者双方が署名捺印したものが原本であると判断されますが、電子契約には明確な原本というものが存在していません。それでは、電子契約書の原本とはどのデータのことを指すのでしょうか。 この記事では、電子契約における原本の定義や保存時の注意点について解説します。
1. 稟議書とは?
稟議書とは、会社内で誰かの承認を必要とする事項を決裁者に知らせる書類のことです。 通常は権限の小さな社員から大きな社員へ回され、企業規模や案件の重要度によって承認する決裁者の数が増えていきます。
承認者の数が増えれば増えるほど、稟議の内容の正確さが重要となります。 伝言ゲームのように間違った情報が伝わってしまうと、契約がスムーズに締結できないからです。 契約の情報を正確にすべての決裁者に伝える点で、稟議書は大きな役割を果たしているのです。
1-1. 稟議書の意義
稟議書は情報を正確に伝える役割がありますが、その他にも重要な意義があります。 それは、会議の手間を省くためです。 通常、重要な契約を締結したり、他の事柄を決定したりする場合には、会議を開いて全体の承認を得る必要があります。
会議を開けば、一気に物事が決まるように思いますが、全員のスケジュール調整や会場の確保などに時間と手間がかかるものです。 そのため、稟議書を使って書類を決裁者に承認してもらうことで会議を開く手間を省いているのです。
会議を開くほど重要な契約ではないものの、決裁者には承認をもらっておきたい案件では、稟議書が非常に有効です。 さらに、稟議書は関係する部署に正確な情報を共有する役割も果たします。 複数の部署や部門が協力して一つの案件に対応している場合、稟議書を回すことで連携がとりやすくなります。
稟議書の内容を見た結果、より良い提案が行えることもあり、契約の内容や進め方をブラッシュアップしていくことが可能となるのです。
1-2. 稟議書の問題点
稟議書は会議の手間を省いたり、情報共有を正確に行えたりするメリットがある一方、問題点もあります。 まず最終的な決定に至るまで時間がかかります。 決裁者が多かったり、出張で不在が続いたりした場合、稟議書を回してから決裁まで数日から数週間かかるかもしれません。 契約をスピーディーに進めたいものの、稟議書が遅れると機会を逃してしまう恐れもあります。
さらに、稟議書を使うと責任の所在が不明確になる恐れがあります。 稟議書では複数の決裁者が一つの案件に関わるため、一人ひとりの責任意識が甘くなりがちです。 稟議書の申請者にとって、決裁者は立場が上であることが多いので、責任を追及しにくい面もあります。
2. 契約に際して稟議書を書くときのポイント
契約に際して稟議書を書く際には、いくつかのポイントを押さえておかなければなりません。 スムーズに承認を得るために意識すべきポイントを4つ見ていきましょう。
2-1. 契約の目的や目標を明確にする
稟議書で素早く決裁を得るためには、なぜその契約が必要なのか、契約によってどんな目的が達成されるのかを明確にしなければなりません。
自社の現状や契約締結に至るまでの背景、契約をどのように進めてきたかといった詳細を可能な限り記載しましょう。 稟議書が却下されるのは多くの場合、説明不足によるものです。 決裁者が契約の背景や内容をまったく知らないことを前提に稟議書を作成するとよいでしょう。
2-2. 契約内容を細かく書く
契約のための稟議書であれば、契約内容を細かく記載しなければなりません。 決裁者は契約の内容を知らずに決済することはできないので、詳細を漏れなく書きましょう。 質問の余地がないまでに細かく契約内容を書いておけば、却下されるリスクを最小限に抑えられます。
2-3. 契約で得られるメリットを知らせる
稟議書では、契約を締結した結果得られるメリットやベネフィットについて決裁者に知らせなければなりません。 ここで重要なのは、契約を締結したいあまり主観的な内容にならないことです。 決裁者が知りたいのは、申請者の熱意や主観によるメリットではなく、客観的かつ論理的なメリット・ベネフィットです。
たとえば、コストの削減や顧客満足度の向上、職場環境の改善などがメリットとして挙げられます。 可能であれば、メリットを数値として提示できればより説得力のある稟議書になるでしょう。
2-4. 契約によるリスクやデメリットを説明する
稟議書を作成する際には、契約によるリスクやデメリットについてもしっかり説明すべきです。 決裁者は、自分の決定の結果、会社に不利益がもたらされないか心配になるものです。 さらに契約では、メリットやベネフィットが、リスクやデメリットを上回らなければなりません。
そのため稟議書では、どのようなリスクやデメリットが予想されるか、どの程度のリスクなのか、どのように回避できるのか説明しておきましょう。 決裁者を納得させられる解決策が提示できれば、承認をもらうのがより容易になります。
3. 契約のための稟議書に書くべき項目
契約のための稟議書では、書くべき項目がいくつか存在します。 書くべき項目が足りないと、再提出を求められることになるので、注意が必要です。 必要に応じて、社内で決められているテンプレートやインターネット上でダウンロードできるテンプレートを使えます。 では、契約のための稟議書に必要な項目を7つ見ていきましょう。
3-1. 決裁区分
契約のための稟議書では、決裁区分を書かなければなりません。 可決や否決、保留など、どのような区分になっているのかわかるようにしておきましょう。
3-2. 申請日と決裁日
自分が稟議書を提出した日と、決裁者が契約を承認した日を記載します。
3-3. 件名
契約の名称を記載しましょう。 取引相手の正式名称や契約の種類が求められることもあります。
3-4. 承認欄
稟議書には、決裁者が承認したことを記載する欄が必要です。 決裁者の氏名や所属部門の名前、押印するスペースを確保しましょう。 決裁者の人数が増えれば増えるほど、承認欄も多く必要になる点に注意が必要です。
3-5. 稟議事項
稟議事項は、何を承認してほしいかという点を記載します。 契約のための稟議書の場合、契約の内容について書かなければなりません。 決裁者は、どのような契約内容なのかが分からなければ承認しようがないので、できるだけ詳しく稟議事項を記載しましょう。
3-6. 契約金額
契約内容とともに、契約金額についても明確な記載が必要です。 契約金額の大きさによっては、さらに多くの決裁者に承認を得なければならないかもしれません。
3-7. メリットやリスク
契約にはメリットやリスクが必ず存在します。 したがって、契約の稟議書にもメリットやリスクについて記載しなければなりません。 メリットについては書きやすいですが、リスクはあまり書きたくないかもしれません。 しかし、決裁者はリスクも理解したうえで判断したいはずなので、リスクも正直に記載することが重要です。
4. 稟議書は会社のルールに従って作ることが重要
契約のための稟議書は、会議を減らし情報を共有しつつ、決裁者の承認を得る便利な方法です。 社内のルールに則って稟議書を作成し、スムーズに契約を締結できるようにしましょう。
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