アンラーニングとは?リスキリングやアップスキリングとの違いを解説!
DX
2023.11.14
2023.11.14
近年では、DXの推進の必要性が高まっており、リスキリングが注目されています。リスキリングを効率よく実施するうえで、アンラーニングを取り入れることもあります。当記事では、アンラーニングとリスキリング、アップスキリングの意味や違い、アンラーニングを推進するメリット、ステップ、注意点などを解説します。アンラーニングの知識を身に付けたい人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

【企業担当者向け】リスキリング実践ガイドブック
この資料では、企業の担当者向けにリスキリングについて解説しています。リスキリングの基本知識から、実践の手順やポイントまで解説しています。リスキリングの導入を検討している方におすすめです。
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アンラーニングとは?
アンラーニングとは、英語では「Unlearning」と呼び、目まぐるしくビジネス環境が変化する現代社会を生き抜くために、過去の知識やスキルに固執しないよう、意識的に学習知識を捨てることを意味します。
また、アンラーニングは、「学びほぐし」「学習棄却」と呼ばれることもあります。なお、アンラーニングの代わりに、アンラーン(unlearn)という用語が使われることもありますが、同じ意味合いで使用されることが多いです。
技術やビジネスモデルなどの移り変わりの激しい現代で、有効ではなくなった知識やスキルにとらわれていると、期待しているような成果が出せないといった事態が起きるかもしれません。
意図的に必要のなくなった過去の経験を捨て去り、今に適している知識やスキルを取り入れることが今後のビジネスでは求められています。
アンラーニングと「リスキリング」「アップスキリング」の違い
アンラーニングと似た用語に、リスキリングやアップスキリングがあります。ここでは、リスキリングとアップスキリングの意味を説明したうえで、アンラーニングとリスキリング、アンラーニングとアップスキリングの違いをわかりやすく解説します。
リスキリングとは、英語では「Reskilling」と呼び、経済産業省では下記のように定義しています。
リスキリングとは
新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること
近年では、IT技術の発展の影響からデジタル化が進んでおり、技術革新やビジネスモデルの変化に対応し、価値を創造し続けるために、新たに知識やスキルを習得することが必要とされています。
このように、リスキリングとは新しい職業に就くために、保有していない新しい知識やスキルを習得する取り組みを指します。
一方、アンラーニングは知識やスキルを取捨選択して、バージョンアップしていく取り組みを指します。以上から、アンラーニングでは「捨て去る」の意味合いが強く、リスキリングでは「獲得する」の意味合いが強いという違いがあります。

リスキリングとは?意味・事例・メリットをわかりやすく解説!
近年では、IT技術の急激な発展の影響もあり、DXを推進したり、DX人材を育成したりするために、注目を集めているのが「リスキリング」です。しかし、リスキリングという用語を聞いたことはあるけれど、具体的な意味はわからないという方は多いのではないのでしょうか。 リスキリングとはどのような意味やメリットがあるのかについて解説します。また、リスキリングを実施する方法も紹介します。
アップスキリングとは?
アップスキリング(Upskilling)とは現在の職業で、新しい知識・技術を取り入れてスキルを向上させる取り組みを指します。アップスキリングは、アンラーニングよりもリスキリングと似た意味をもちます。
しかし、リスキリングとアップスキリングでは、新しい知識・技術を取り入れる目的としていますが、現在の職業でスキルアップするためなのか、別の職業に就くためなのかという違いがあります。
アンラーニングが必要とされている背景
VUCAという用語が使われるように、現在の社会ではグローバル化や技術進歩などにより、ビジネス環境が急激に変化しており、将来の予測が難しくなりつつあります。なお、VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語です。
また、変化の激しい時代に、企業はビジネスを継続・成長させるためにも、デジタル技術を取り入れるなど、DXを進めることが求められています。DXを推進するには、DX人材を育成する必要があり、リスキリングが注目されています。 このように、これまでの技術や価値観だけに頼っていては、現代のビジネスの競争で生き抜くことができません。
そこで、従来の考え方にとらわれず、柔軟に新しい知識やスキルを吸収するためにアンラーニングが必要とされています。
企業がアンラーニングを推進するメリット
ここでは、企業がアンラーニングを推進することで得られるメリットについて詳しく紹介します。
社員の成長を促進できる
現代のようなビジネス市場の変化が激しい時代では、すぐに知識が古くなってしまうこともあります。そのため、常にスキルのアップデートをおこなう必要があります。
アンラーニングを実施してこれまでの考え方や価値観において不要なものを捨て去ることで、リスキリングの際などに新たな知識やスキルが吸収しやすくなります。
このように、アンラーニングは、知識のアップデートやスキルアップの後押しにつながり、従業員の成長を促進することが可能です。
ベテラン社員の意識改革につながる
ベテラン従業員の場合、これまでの上手くいった経験に固執してしまい、新しい知識やスキルを取り入れることを疎かにしていることもあるかもしれません。
現代ではビジネス環境が目まぐるしく変化しているため、従来の知識やスキルだけではスムーズに対応できない問題も出てくる可能性があります。 アンラーニングを推進することで、従来の考え方や価値観などを見直し、新たな知識やスキルを獲得する機会を作り出すことが可能です。
このように、アンラーニングは、ベテラン従業員の意識改革につながり、従来にはなかったアイデアや課題解決へのアプローチなどを生み出す足掛かりになります。
業務の改善につながる
アンラーニングを推進することで、既存の社内ルールや業務フローなどを見直すことができます。業務における新たな気づきや無駄を発見し、改善をおこなえば業務の効率化につなげることが可能です。
ただし、社内ルールや業務フローなどを変更すると、従業員がその環境に慣れるまでに時間がかかることもあり、最初は業務効率が下がったと感じる場合もあるかもしれません。短期的な成果で判断せず、中長期的な効果を見据えて取り組むことが大切です。
変化に強い組織づくりにつながる
現代のような変化が激しい時代では、柔軟に情報を取捨選択する必要があります。たとえ経験が豊富な従業員でも、過去の経験だけにとらわれていると、成果が出ないなど、伸び悩みを感じてしまうかもしれません。
アンラーニングにより、これまでの考え方や価値観などを見直し、新しい知識やスキルを吸収できる基盤を整備することで、変化が激しい時代でも従業員の継続的な成長が期待できます。
また、従業員一人ひとりがアンラーニングへの意識を持ち、継続的な学習習慣を推進することで、ビジネス環境の変化にあわせて、スピーディーかつ柔軟に対応できる組織を作り出すことができます。
アンラーニングのステップ
ここでは、アンラーニングのステップについて詳しく紹介します。
①:社員個人が自己内省や振り返りをおこなう
アンラーニングを始める場合、まず従業員一人ひとりが自己内省や振り返りをおこない、考え方や価値観などを整理します。
日々の成功・失敗などの体験を記録することで、時代にあわない思い込みや、譲れないこだわりなどに気づくことができるかもしれません。 自己内省や振り返りをおこない整理ができたら、今後の業務で必要かどうかを見直しましょう。
アンラーニングを実施する場合、自分を客観視したり、新しい価値観に触れたりするために、チームメンバーや他部署、外部など幅広い方と交流するのがおすすめです。
②:新しいスキルや知識の獲得の場をつくる
自己内省や振り返りにより、考え方や価値観などを整理できたら、新しい知識やスキルを学ぶ場が必要になります。 たとえば、外部機関を活用したり、研修・交流の場を設けたりすることで、従業員は新しい知識やスキルを身に付けることが可能です。
③:効果測定や評価をおこなう
アンラーニングを実施した後は、効果を測定し、評価をおこなうことが大切です。アンラーニングの実施と評価を繰り返しおこなうことで、継続的な成長が期待できます。 アンラーニングの効果を測定する場合、自分だけではなく、上司などと面談をすると、客観的な評価を得ることができます。
また、新しい知識やスキルの習得度を数字を用いるなど定量的に測定すると、明確な評価をおこなうことが可能です。
アンラーニングの注意点
ここでは、アンラーニングのデメリットとなりうる注意点について詳しく紹介します。
モチベーションの低下に注意する
アンラーニングでは、従来の考え方や価値観などを捨て去ったうえで、新しい知識やスキルを学習して実行に移すため、従業員によっては不安を感じることがあります。また、これまで培った知識やスキルを否定されていると感じる方もいるかもしれません。
このような背景もあり、アンラーニングを実施すると、従業員の業務に対するモチベーションが低下し、企業全体の生産性が下がってしまうという恐れがあります。
そのため、アンラーニングの目的や必要性を従業員にきちんと周知し、否定ではなく、新しい成長のための取り組みであることを伝えることが大切です。
社員が内省や学び直しの機会を得られるようにサポートする
アンラーニングは自分が積み上げてきた学びを捨て去ることでもあるため、従業員が不安などのネガティブな感情を抱く可能性があります。
そのため、従業員が気持ちよくアンラーニングに取り組めるように、内省や学び直しを支援し、組織全体でサポートする体制を整備することが大切です。
また、アンラーニングは、一人ではなくプロジェクトや部署などチーム単位でおこなうのがおすすめです。個人でアンラーニングを実施し、業務への取り組み方を変えてしまうと、周囲に迷惑をかけてしまう可能性があります。チーム単位で実施することで、内容を共有し、助け合いながら円滑に進めることが可能です。
他部署や異業種と交流する機会を設ける
アンラーニングを実施する際は、あらゆる視点を養うために、他部署や異業種と交流する機会を設けることも大切です。所属している組織にはない考え方や価値観を身に付けられるので、幅広い視点から知識・スキルの取捨選択ができるようになります。また、これまで交流したことのない人たちと関わり刺激しあうことで、思わぬ人脈が生まれる機会にもつながるかもしれません。
ラーニングを否定しないように注意する
アンラーニングに意識が集中すると、時代にあった考え方や価値観の取捨選択ばかりに目が向き、新しく学ぶこと(ラーニング)をストップしてしまう人もいるかもしれません。
アンラーニングの目的の一つは、過去の価値観やスキルに固執しないよう意識的に古い考え方を捨て去り、リスキリングなどで新しい知識を吸収しやすくすることです。
そのため、アンラーニングを実施する際は、ラーニングを否定することなく、どちらもバランスよく取り入れることが大切です。
アンラーニングから社内のリスキリングを始めよう!
アンラーニングによって、古くなった知識やスキルを意図的に捨て去ることで、従業員の意識改革につながり、時代の変化にあわせて強い組織づくりをおこなうことができます。
ただし、変化を好まない従業員などにアンラーニングを実施すると、これまでに蓄積した知識やスキルが否定されていると感じ、モチベーションの低下につながる恐れがあります。アンラーニングを進める際には、従業員に目的やメリットをきちんと説明し、組織全体で取り組みを支援する体制を構築することが大切です。

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