コールセンターのクレーム対応で大切な4つの心構え
CTI・コールセンターシステム
2023.05.23
2023.05.23
コールセンターではオペレーターが顧客の気持ちに寄り添い、親身に応対することで、顧客満足度の向上につながります。コールセンター運営では電話がつながらない「呼損率」を減らすため、顧客一人当たりの対応時間を減らすことが大切です。同時に、顧客の悩みを聞き、クレーム対応の質を高めることも欠かせません。 本記事では、コールセンターのクレーム対応のポイントや、やってはいけないNG事例を紹介していきます。
コールセンターのクレーム対応で大切な4つの心構えやテクニック
顧客満足度が高いクレーム対応には共通点があります。オペレーターが正しいクレーム対応を学ぶことで、顧客の不満や悩みを解決し、顧客もオペレーターも気持ちよく電話を終えることができます。 ここでは、オペレーターがクレーム対応の際に心がけたいポイントを4つ紹介します。
顧客をお待たせしたら「お詫び」の言葉を
コールセンターへのクレームでもっとも多いのが、「電話をかけてもつながらない」というものです。また、ほかのクレーム内容でも、その日のコール数が多くなかなかオペレーターの手が回らない場合、顧客を待たせることがあります。
顧客を少しでも待たせてしまったら、まず「大変お待たせいたしました」とお詫びの言葉を述べましょう。お詫びの言葉から入ることで、顧客の心象が良くなり、気持ちよく会話をスタートできます。 電話を切るときも、「このたびはご不便をおかけいたしました」と再度お詫びの言葉を述べましょう。 こうした小さなことの積み重ねが、顧客の企業イメージを高めることにつながります。
顧客の主張を「要約」しよう
クレーム対応で大切なのが、「顧客の話にちゃんと耳を傾けている」姿勢を見せることです。顧客との心の距離を縮めるため、「話を要約して返す」テクニックを活用しましょう。 ただ相手の話に相槌を打つだけでは、顧客は納得してくれません。
顧客の話を噛み砕き、要約して返すことで、顧客の話に耳を傾け、理解するよう努めていることをアピールできます。同時に顧客との認識のズレを修正することもでき、顧客対応の質を高めるうえでも役立つテクニックです。
顧客の求めていることを考え、気持ちに寄り添う
クレーム対応にあたっては、常に「顧客視点」を持つことが大切です。「自分が客なら、オペレーターに何を求めるか」を考え、顧客視点に立つことを心がけましょう。
とくに、クレームの電話をかけてくる顧客は、不満や怒りの気持ちを持っているケースも多いでしょう。まずは顧客の気持ちに寄り添い、共感するような言葉をかけましょう。 そのうえで、顧客の悩みや困りごとについて話を進めていけば、問題解決へと導きやすくなるでしょう。
クレームは個人攻撃ではない
新人のオペレーターに多いのが、「自分がクレームを受けている」と感じてしまい、ストレスをためてしまうことです。しかし、顧客が不満を抱いているのは商品やサービスについてであり、オペレーター自身に対してではありません。
コールセンター勤務経験の長いオペレーターは、オペレーター自身とクレーム内容を切り分け、冷静に対処するスキルを身に付けます。 顧客から怒りの言葉を投げかけられても、感情的になったり、個人的に受け止めたりせず、問題や困りごとの解決に注力しましょう。
コールセンターでよくあるクレームとその原因2つ
そもそも、なぜ顧客はクレームの電話をかけるのでしょうか。 クレームが発生する原因や背景を知ることで、クレームの電話をかける顧客の心理に寄り添い、適切なクレーム対応をおこなうことが可能です。 ここでは、コールセンターでよくあるクレームの種類や、その原因となる顧客の心理を解説します。
想定していないことが発生した
顧客からのクレームでもっとも多いのが、「顧客自身が想定していなかったことが起きた」ケースです。
たとえば、「想定していたよりも高額な請求書が届いた」「想定していたよりも商品やサービスの質がよくない」など、顧客が商品やサービスに抱く期待が、実際の顧客体験を下回った場合にクレームが発生します。 クレームの電話をかける顧客の多くは、期待が裏切られたことへの説明や、疑問点の解決を求めています。 まずは顧客の話を聞き、「なぜそうなったか」を丁寧にご案内することで問題解決につながります。
不満な気持ちが解消されていない
顧客によっては、商品やサービスへの不満な気持ちを解消するため、コールセンターへ電話をかけてくることがあります。 こうしたケースでは、「商品やサービスについて問い合わせたが、たらい回しにされた」「一度電話をかけたが、その際に不親切な対応や事務的な対応をされた」など、コールセンターやコンタクトセンター側の対応が引き金になってトラブルになることも少なくありません。
まずは顧客の状況を汲み取り、何に不満を感じているかを整理したうえで、適切な対応をすることが大切です。このような場合は、問題そのものの解決よりも、不満や怒りの解消を目的としていることも少なくないでしょう。
オペレーターが顧客の話を真摯に聞き、誠心誠意対応することで、顧客のお怒りを和らげることができます。 ご迷惑をかけたことへのお詫びや、貴重なご意見をいただいたことへのお礼を申し添えることも忘れないようにしましょう。
コールセンターのクレーム対応でやってはいけない3つのこと
コールセンターのクレーム対応では、やってはいけない行動が3つあります。 オペレーターがその行動をとることで、顧客のお怒りがさらにヒートアップし、さらなる不満やクレームにつながるケースも少なくありません。 ここでは、コールセンターのクレーム対応でなるべく避けたい3つの電話応対を紹介します。
3つのNGワードを使わない
クレームや問い合わせに対応するとき、使うのを避けたい言葉が3つあります。 それは、「絶対」「でも、だって」「思います」です。 「(商品などが)絶対に壊れません」「確実に(請求書などを)送付しています」といった、主観で断言したり顧客の意見を全否定したりするような言葉は、顧客に対して不快な気持ちを与えかねません。
また、後で勘違いや手違いであることが判明した場合、さらなるクレームを招く恐れがあります。 反対に、「~と思います」「たぶん、~ではないでしょうか」など、曖昧な言葉や憶測するような言葉も避けたほうがよい言葉です。 顧客が「担当者は事情を知らないのではないか」「こちらの話を理解していないのではないか」と不安に感じてしまう可能性があります。
また、自己弁護をするような言葉や、言い訳をしているように聞こえるような言葉は、顧客のお怒りをさらにヒートアップさせかねません。 このほかにも、ビジネスマナーとして望ましくない言葉は数多くあります。 オペレーターの採用や教育にあたっては、まず顧客対応での使用を避けたい言葉について指導することが大切です。
避けたい言葉の種類 | 具体例 |
---|---|
断定するような言葉 | 絶対に、確実に |
憶測するような言葉 | 思います、たぶん |
弁解するような言葉 | でも、だって、ですから |
ただひたすら謝るのはNG
前項で、クレーム対応では顧客の気持ちに寄り添い、共感することが大切だと述べました。 しかし、クレームの内容に関係なく、ただひたすら謝るのも対応方法として望ましくありません。
悪質なクレーマーは少数ですが、クレームによっては企業側にまったく過失がなく、理不尽な要求であるケースもあります。 そうしたクレームを穏便におさめるため、ただひたすら謝ったり、低姿勢で対応したりしてしまうと、悪質なクレーマーに言質をとられ、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。
クレーム対応では顧客の心情や気持ちに寄り添いつつも、言質をとられないことが大事です。 電話の相手は顧客であると当時に、ビジネスの相手であることを心がけながらクレーム対応をおこないましょう。
自分だけで解決しようとはしない
顧客の疑問や悩みに応えるため、何でも自分の力だけで解決しようとするオペレーターがいます。 しかし、自分の知らない内容やよくわからない内容について生半可な知識で対応すると、かえって顧客を混乱させ、心象を悪化させる事態につながりかねません。
問い合わせへの回答や対応に自信が持てない場合は、自分だけで解決しようとするのではなく、周囲の上司、リーダー、スーパーバイザー(SV)などに相談し、正確な知識をもとに判断や対応をおこなうことが大切です。 その場合、顧客をさらに待たせることになるため、「たいへんお待たせいたしました」など、お詫びの言葉を添えるのを忘れないようにしましょう。
コールセンターのクレーム対応の心構えを知り、顧客満足度を高めよう
コールセンターへ電話をかける顧客は、理不尽な要求をするクレーマーばかりではありません。 今は不満を持っていても、クレームを迅速かつ的確に解決することで、企業にとって重要な顧客になる可能性もあります。コールセンターの呼損率を減らすことだけでなく、顧客満足度の高い電話応対が優良顧客の育成につながります。
この記事で紹介したクレーム対応の心構えや、オペレーターのNG対応を学び、顧客満足度を高める対応をおこないましょう。 また、コールセンターでは、自社に合ったCTIシステムを導入できているかどうかも顧客満足度に影響します。 以下の記事ではCTIシステムを幅広く紹介しています。これから新しくコールセンターの立ち上げを考えている方や、システムを見直したい方はぜひチェックしてみてください。
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