打刻の意味や正しいやり方とは?打刻忘れのリスクや対策を徹底解説!
勤怠管理システム
2023.07.31
2023.07.31
打刻とは、正確な勤怠管理をおこなうためにタイムカードや勤怠管理システムを使って従業員の勤怠時間を記録することです。労働基準法の改正や働き方改革の影響もあり、企業には従業員の労働時間を正確に把握し、勤務状況を管理することが求められています。打刻の意味や必要性、おこなわない場合のリスクを詳しく解説します。

タイムカードのお悩み解決BOOK
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
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「打刻」とはどんな意味?読み方は?
打刻とは、辞書によると「金属など硬いものに文字や数字を打ち記すこと」と「タイムレコーダーなどで時刻を打ち記すこと」の2つの意味があります。勤怠管理で用いられる打刻の意味は後者で、読み方は「だこく」です。
打刻とは、始業や終業、休憩時間など、勤務に関する時刻を記録することを意味します。
打刻はなぜ必要?打刻の目的について
ここでは、打刻の必要性や目的について詳しく紹介します。
労働時間を客観的に正しく把握するため
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、「使用者には労働時間を適正に把握する責務がある」と記載されています。そのため、使用者は従業員の労働時間を適切に把握するために、従業員一人ひとりの始業・終業時間や労働時間、労働日数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数などを管理する必要があります。
また、ガイドラインには、原則的な方法として「使用者が、自ら現認することにより確認すること」と「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」が挙げられています。従業員数が少ない企業であれば、前者のやり方でも運用できるかもしれません。
しかし、従業員数が多くなると、前者の方法では、使用者の業務負担が増加したり、確認ミスが生じたりするというリスクがあります。そこで、タイムカードやシステムを使用して、従業員自身が打刻をおこなうことで、労働時間を記録して、客観的に把握することが可能です。
給与計算を1分単位で正しくおこなうため
労働基準法の第108条では、「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。」と記載されています。
また、使用者は従業員に対し、1分単位で給与計算をして賃金を支払う必要があります。そのため、使用者は、適切な給与計算をおこなうために、必要となる勤怠情報を記録しておかなければなりません。
また、時間外労働や休日労働、深夜労働が生じた場合には割増賃金をしはらったり、早退や遅刻、欠勤があった場合には給与から差し引いたりといった対応も必要です。これらの情報を正しく記録して、正確な給与計算をおこなうために、従業員に打刻をおこなわせる必要があります。
残業時間などを把握するため
近年では、働き方改革の影響もあり、ワークライフバランスを実現したり、長時間労働を抑制したりするための法改正が進められています。
たとえば、時間外労働の上限規制が、⼤企業では2019年4⽉から 、中⼩企業では2020年4⽉から導入されました。時間外労働の上限は、臨時的な事情がない限り、月45時間、年360時間です。違反すると、罰金などのペナルティが科される恐れもあります。
このように、企業は従業員の労働時間について細かく管理することが求められています。そのため、残業時間を正しく把握するために、打刻をおこなう必要があります。
また、打刻した実績から、時間外労働の多い従業員を見つけたら、原因を分析して、改善につなげるような対策を講じることが可能です。過重労働を防ぐことができると、従業員の健康の確保につながるだけではなく、無駄な人件費の削減や、業務の生産性の向上も期待できます。
打刻のやり方
ここでは、打刻のやり方や方法について詳しく紹介します。
打刻機を利用する
打刻機は、出勤・退勤するときに、紙のタイムカードを挿入して、打刻をおこないます。
休憩時間の打刻は必須ではありませんが、きちんと従業員が休憩を取っているのかを確認することは重要です。また、給与計算のときに、集計ミスが生じないように、休憩時間を備考などに記載するように運用するとよいでしょう。
ただし、紙のタイムカードの場合、別の従業員が代わりに打刻を押してしまうといった不正打刻に加え、紛失や盗難が生じる恐れもあるため、カードの管理を徹底することが大切です。また、手作業で運用するため、打刻忘れや打刻ミスが発生することも少なくありません。
あらかじめ打刻ルールを定め、従業員にきちんと周知して運用することが重要です。
ICカードリーダーを利用する
ICカードリーダーを利用する場合、タイムレコーダーや勤怠管理システムの従業員の情報と、ICカードの情報をリンクさせれば、カードリーダーにICカードをかざすだけで、打刻をおこなうことができます。既に従業員が保有している社員証や交通系カードなどのICカードを利用できれば、コストを抑えられるというメリットがあります。
紙タイムカードや手書きの出勤簿を利用して勤怠管理をおこなっている場合、ほかの人に打刻・申告してもらうなど、不正打刻や不正申告が生じるという恐れがあります。しかし、ICカードで運用をおこなえば、従業員本人のみが所有しているカードを利用するため、不正打刻を防止することが可能です。
ただし、ICカードは打刻方法として便利な反面、所持し忘れた場合や紛失した場合の対応を考えておく必要があります。また、ICカードリーダーの導入・運用には、費用がかかるため、費用対効果などを検討したうえで導入するようにしましょう。
クラウド型の打刻システムを利用する
クラウド型の打刻管理システムとは、オンラインで使用するクラウドサーバーを活用して、従業員の勤務状況を自動集計して把握・管理ができるシステムのことです。
クラウド型の打刻管理システムを利用する場合、多彩な打刻方法から自社に適したものを選べるという特徴があります。
たとえば、PC・スマホ・生体認証などの打刻方法があり、システムによって提供されている打刻方法は異なります。そのため、打刻方法を事前に従業員に周知し、すべての従業員が問題なく打刻がおこなえるように、打刻方法に関する疑問点を事前に解消しておくことが大切です。
また、打刻だけではなく、ワークフローやスケジュール管理、予実管理、アラート、統計など、システムによって、さまざまな便利な機能が搭載されています。そのため、勤怠管理を効率化することが可能です。さらに、サポート体制が充実している製品もあるため、自社のニーズにあわせて導入する打刻システムを検討することが大切です。

勤怠管理システムとは?導入のメリット・デメリットや比較方法を解説
勤怠管理システムは、従業員の打刻によって就業時刻を適切に把握し、管理するシステムです。クラウド型とオンプレミス型の2種類に分けられ、システムによっても打刻方法や対応可能な労働形態に違いがあります。本記事では、勤怠管理システムを比較する際のポイントや導入メリット等を解説します。
正しい打刻のタイミング
ここでは、打刻をおこなうタイミングについて詳しく紹介します。
打刻は始業時と終業時におこなう
打刻は従業員の労働時間を正確に把握するためにおこないます。
業務に関わる準備をおこなう時間も労働時間であるため、着替えが発生する場合は着替えの前に打刻をおこなわなければいけません。
また、残業などが発生する場合はすべての業務がおわってから打刻をおこないます。逆に職場にいても業務に関わらないことをしている場合には労働時間としてみなされないため、終業後同僚と残って談笑する時間があるという場合は、それよりも前に打刻をおこなう必要があります。
始業時間ぴったりの打刻は問題ない?
労働時間は、業務を始めた時間と終えた時間に基づいて計算されます。そのため、業務を始めたときと終えたときに、打刻をおこなう必要があります。
基本的に打刻時間をもとに、労働時間や給与は計算されるため、始業時間ぴったりに打刻すること自体に問題はありません。始業時間ぴったりに打刻をしても、遅刻にはならず、終業時間についても同様です。
ただし、企業の就業規則や労働場所の状況によっては時間ぴったりの打刻が遅刻や早退になる場合もあるため、打刻ルールの確認が必要です。
始業時刻前に早めに打刻しても良い?
打刻は労働の実態に即しておこなうことが必要とはいっても、始業時間・終業時間にぴったりに打刻することは困難です。そのため、始業時間よりも前、終業時間よりも後に打刻することは問題はありません。
ただし、実際の労働時間との差が大きい場合は、労働時間を適切に管理することができないため、打刻時間が始業・終業時間から大きく乖離した場合には報告をしてもらうなど、運用ルールを定めましょう。
打刻忘れや打刻ミスで生じるリスクとは
ここでは、打刻忘れや打刻ミスによって生じるリスクについて詳しく紹介します。
労働時間の法令に違反するリスク
打刻忘れや打刻ミスにより従業員の労働時間を正しく把握できない場合、「時間外労働の上限規制」など労働時間に関する法律に違反する可能性があります。
働き方改革にともなう法改正により、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働の上限規制が設けられました。
法改正後は、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別な事情がなければこれを超えることは禁じられています。
臨時的な特別な事情がある場合でも、年720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満の上限を超えて従業員を法定労働時間を超える労働に従事させることは法律で禁止されています。
これらの法律に違反した場合、事業者は6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されるおそれがあります。
また、同じ働き方改革の一環として、2019年4月より年5日の年次有給休暇の取得も義務づけられることになりました。
法改正以降は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日は有給休暇を取得させる必要があります。
もし年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合、労働基準法第39条違反として、30万円以下の罰金に処される可能性があります。
なお、打刻によって勤務時間を管理していたとしても、打刻まるめをおこなっていて勤務時間を15分単位で切り捨てたり切り上げたりしてた場合には、労働基準法第24条に違反する可能性があるため注意が必要です。
打刻修正などの業務が増える
打刻忘れや打刻ミスがあると、事実を確認したり、打刻を修正したりするなど、業務負担が増加します。毎月大量の打刻忘れや打刻ミスを修正するのは、大きな工数となるため、これらの業務に手間をとられると、人事担当者が本来注力したい業務に集中できません。
そのため、打刻忘れや打刻ミスを防止することは重要です。
給与計算が正しくおこなえず過払い・未払いが発生
打刻記録を集計していなかったり、打刻忘れや打刻ミスを修正しなかった場合、従業員の給与の計算が間違ってしまうという恐れがあります。
従業員の給与は1分単位で計算して支払う必要がありますが、勤怠まるめによって5分単位で切り捨てをおこなっていたり、15分単位で労働時間を集計していたりする場合、後に従業員から未払い分の賃金を請求されるケースもあります。
一方、実際よりも大きい時間で計算した場合、給与の過払いが発生し、人件費を圧迫する可能性があります。特に時間外労働の賃金は、残業の場合は通常の賃金の25%以上、休日出勤では通常の賃金の35%以上にすることが法律で定められているため、1日あたりは少額でも、月や年の合計金額は大きな金額になります
未払い・過払いともに後日修正することは可能ですが、未払い分を再度振り込んだり、過払い分を次月分の給与と相殺したりするのは手間と時間がかかります。
また、労働者が負担する社会保険料や税金は給与(標準報酬月額)を基準に算出するため、未払いや過払いによって保険料や納税額が変化した場合、別途社会保険や税金の調整手続きもおこなわなければなりません。
従業員の残業時間や休日出勤時間を正確に把握していれば、過払いや未払いにともなうさまざまなトラブルを防止することができます。
訴訟の際に不利な立場になる
打刻によって勤怠管理をおこなっていなかったり、打刻漏れや打刻ミスが多発していたりすると、トラブルがあったときに適切な対応ができないというリスクがあります。
たとえば、時間外労働や休日出勤の情報をきちんと把握できず、割増賃金の計算にミスが生じることで従業員から未払い賃金を請求される可能性があります。また、働き方改革関連法における時間外労働の上限規制に違反してしまうリスクがあります。
訴訟になってしまった際に、勤怠管理がおこなわれていないときちんと給与を支払っていたという事実を証明することが難しく、不利な状況に置かれる可能性が高くなります。もしこのような訴訟問題に発展すると、労務問題が発生した企業として、会社の信用性を損なう恐れもあるため注意が必要です。
このように、適切な打刻と勤怠管理をおこなわないと、訴訟問題に発展してしまったり、罰金などのペナルティが科されたりする可能性もあります。そのため、打刻忘れや打刻ミスがあったら、始末書を提出させるなどして、客観的な証拠書類を残すことが大切です。また、打刻忘れや打刻ミスが生じないように、原因を分析して対策を講じることも重要といえます。
打刻忘れで多い理由と打刻修正の書き方
打刻忘れが起こる理由と、打刻を修正する際の理由の書き方について解説します。
打刻忘れで多い理由
打刻忘れで多い理由は、「ただ単に忘れてしまった」です。しかし、この「忘れてしまった」には2つの種類があります。
従業員自身が原因の理由
1つは、従業員の置かれている状況が原因の理由です。一例を紹介します。
- 子どもの送迎が遅れ、ギリギリに出勤して完全に失念していた
- 就業後の予定が気になり、集中力を欠いていた
- 打刻の習慣が身についていない
打刻環境が原因の理由
もう1つは、打刻環境が原因の理由です。一例を紹介します。
- 打刻機の位置が遠い
- 打刻をしようとする人が多く、後回しにしてしまった
- 退社時に急な業務依頼があり、対応に追われてしまった
いずれの理由であっても、打刻忘れや打刻ミスが多いことは会社として問題です。従業員自身が原因の理由の場合は注意を促したり、自己管理を徹底してもらったりして再発を防止します。
しかし、打刻環境が原因の理由の場合は、職場環境の見直しが必要です。打刻機の位置を変えたり、個別のパソコンで打刻できる勤怠管理システムを導入したりして打刻忘れを防ぎましょう。
打刻修正の対処法や理由の書き方
打刻忘れや打刻ミスがあると勤怠管理や給与の支払いに支障が出るため、正しく対処しなくてはなりません。
また、打刻修正時の理由の書き方にもコツがあるので、例文を参考に書き方を覚えておきましょう。
打刻修正の対処方法
打刻忘れや打刻ミスが発覚した際は、気づいた時点で対処するのが鉄則です。そのまま放置しておくと出勤・退勤時間などを忘れてしまい、正しい勤怠管理を行えません。
まずは、該当の従業員に聞き取りを行います。もし、打刻ミスのあった時刻を忘れてしまった場合は、上長に確認したり他の従業員の打刻を参考にしたりすると正確な時刻を把握しやすくなります。
該当の従業員への確認が終わったら、すぐにタイムカードを修正します。手書きや打刻機を使用したタイムカードで勤怠を管理している場合は、打刻忘れ・ミスのあった箇所に手書きで正しい時刻を記入します。その上で、打刻忘れ・ミスによる勤務時間の修正があったことを認めてもらうため、従業員の上長に押印してもらいます。
勤怠管理システムを利用している場合は、該当する従業員の勤怠を手動で訂正します。なお、修正した箇所が勤怠に勤怠集計に正しく反映されていることを確認しましょう。
打刻修正の理由の書き方~始末書の例文~
企業によっては、打刻漏れ・ミスを起こした従業員に対して始末書の提出を義務付けいてい場合があります。始末書のフォーマットに迷う場合や、従業員から書き方について質問される場合に備え、書き方をマスターしておきましょう。
始末書は、一般的に以下の項目で構成されます。
- 打刻を忘れてしまったという事実
- 理由
- 反省の意思
- 再発防止策
特に重要なのか理由です。ただ忘れてしまったという事実を述べるだけでなく、なぜ打刻を忘れてしまったか原因を含めて正直に書くことが大切です。
始末書の例文を紹介します。
【始末書】
〇年〇月〇日の打刻忘れの発生原因及び改善策については以下のとおりです。
私、〇〇〇〇(従業員の名前)は〇月〇日の退社時、打刻を忘れて退社しました。原因は、退勤後の予定に気を取られたことによる打刻の失念です。勤務時間の管理に対する意識の欠如が招いた事態と受け止めています。
すでに該当日の正しい退勤時刻は申告・修正済みです。今回の件で関係社員に多大なご迷惑をおかけすることになり、心から反省をしています。
今後は、自席に「打刻注意」の付箋を貼り、退勤前は時間にゆとりをもつなどして意識改善を図ります。このような事態が起こらないように努めますので、何卒寛大な措置をお願い申し上げます。
打刻忘れ・打刻ミスが多い場合の対処法
ここでは、打刻忘れや打刻ミスを減らすための工夫やコツについて詳しく紹介します。
タイムレコーダーや打刻機の位置を工夫する
打刻機が入口から距離のある場所や通り道になる場所に設置されていない場合、従業員が打刻を忘れやすくなります。
タイムカードで打刻管理をおこなっている場合、打刻することを習慣化できるように、タイムレコーダーの位置を工夫することが大切です。
たとえば、タイムレコーダーを事業所の出入口に設置したり、壁にはり紙を貼るなど打刻に対する注意喚起をしたりすることで、従業員が打刻を忘れにくくなります。
また、打刻したかどうか、管理者がチェックするような運用体制にすると、従業員による打刻が習慣化され、打刻忘れを大幅に減らすことができるかもしれません。
打刻ルールを周知する
打刻忘れや打刻ミスがある程度生じることは、人的に運用している場合、仕方のない部分があるでしょう。そこで、打刻忘れや打刻ミスがあったときの打刻ルールをきちんと定めておくと、スムーズに対応することができます。
たとえば、打刻忘れや打刻ミスが多い場合には、人事評価に反映させるなど、ペナルティを設けると、課題を解消できるかもしれません。「一定回数打刻を忘れた場合に始末書を書かせる」など、手間のかかるペナルティがあると打刻を忘れないようにしようという意識が高まります
打刻忘れに対し、減給の処分をおこなうこともできますが、減給処分をおこなうには、事前に就業規則に明記して周知しておく必要があります。平均賃金の1日分の半額、1賃金支払期の総額の10分の1を超えると違法になるうえ、減給処分は労使トラブルにもなりやすいため、可能な限りおこなわない方が良いでしょう。
打刻ルールを定めたら、就業規則に記載し、きちんと従業員に周知する機会を設けることが大切です。従業員への周知を徹底することで、企業側と従業員の間での認識を適切に擦り合わせることができます。
また、普段は打刻の習慣があっても、リモートワークなどで勤務環境が変化すると打刻を忘れやすくなります。リモートワークの場合には、打刻に対するアラートやリマインド機能を活用すると良いでしょう。
打刻システムを導入する
従業員や職場の環境によって、適切な打刻方法はさまざまです。従来の打刻方法が最善と決めつけず、さまざまな勤怠管理方法を検討してみてもよいかもしれません。
たとえば、勤怠管理システムを導入する方法です。これまでITツールに触れた経験の少ない従業員が多い場合でも感覚的に操作できるため、慣れるまでにそれほど時間はかかりません。
一方、紙のタイムカードの場合、出勤や退勤が重なる時間帯に打刻機が混み合い、打刻を後回しにした従業員がそのまま打刻を忘れてしまう可能性が高まります。また、勤務集計に時間がかかったり、紙ベースでの保管場所の確保なども必要です。
その点、勤怠管理システムは手軽に打刻でき、打刻忘れ・ミスを防止するうえで効果的です。打刻方法は打刻方法は使いやすさはもちろん、打刻忘れや打刻ミスなどが生じた場合の管理の手間にも考慮して選ぶことが大切です。
過剰な残業を防止する
業務に追われていると打刻を忘れてしまう可能性が高くなります。
残業が原因で打刻忘れや打刻ミスが発生している場合には、恒常的な長時間労働が発生していないか、業務量が適切に管理されているかどうかを見直すことも有効です。
また、打刻はおこなわれていたとしても、タイムカードに打刻した後も残業をおこなう「サービス残業」が発生している場合も注意が必要です。
サービス残業をおこなうと、実際の労働時間と打刻時間に大きなずれが生じてしまう原因となります。サービス残業の問題を解決するためには、残業や休日出勤を事前承認制とした上で、承認されなかった残業・休日出勤の実行を防ぐ手立てを講じる必要があります。
例えば、残業の承認がない日は、終業時間と同時に管理職が率先して退社を促す。勝手に休日出勤させないよう、オフィスの鍵を事業者がしっかり管理するなどの対策が挙げられます。
このような状態が起こらないように、業務の効率化や人員配置の見直しなどを合わせておこなうことも大切です。

タイムカードのお悩み解決BOOK
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
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打刻忘れ・打刻ミスに罰則を設けてもいいの?
打刻忘れ・ミスが多い場合、罰則によって防ぐこともできます。ただし、いくつかのルールがあるので確認しておきましょう。
遅刻・欠勤扱いは違法
タイムカードに正しい打刻がないことを理由に、該当日を遅刻・欠勤扱いにするのは違法です。賃金はあくまでも労働の対価として支払われるべきもので、この罰則は賃金の未払いに該当します。
懲戒処分による減給は認められる
打刻忘れ・ミスを起こした従業員に対し、懲戒処分による減給を科すことは違法ではありません。ただし、以下の2つの条件を満たしている場合に限られます。
- 事前に就業規則の服務規律違反が懲戒処分の減給の規定で定めていること
- 減給する金額は法律の上限を超えないこと
また、減給する金額は、以下の2つの上限を超えないものとします。
- 1回の額:平均賃金の1日分の半額
- 総額:一賃金支払期の賃金総額の10分の1
打刻忘れ・ミスに罰則を設ける、もしくはこれから新しく設ける場合は、ペナルティについて従業員に広く周知徹底することが大切です。
打刻忘れ・ミスの罰則を極力避けるべき理由
打刻忘れ・ミスに罰則を設けることは極力避けましょう。なぜなら、従業員の不信感を招き業務に対するモチベーションの低下につながるためです。
打刻忘れ・ミスは偶発的に起こるケースがほとんどで、故意に起こるものではありません。勤務の実績があるにも関わらず打刻ミスで減給される、もしくはその可能性があることを快く思う従業員はいないでしょう。
特定の従業員が繰り返し打刻を忘れる、注意喚起しても改善が見られないなどの特別なケース以外、罰則は極力避けるのが無難です。企業は罰則を設けるより、打刻方法・環境を整えることを優先すべきでしょう。
打刻を楽にするなら勤怠管理システムがおすすめ!
打刻とは、適切に従業員の労働時間を管理したり、正しく給与計算をおこなったりするために、始業や終業の時間を記録することです。打刻方法には、紙のタイムカードやICカードを使用する方法があります。ただし、打刻漏れや打刻ミスが生じると、業務負担が増加したり、労働時間を適切に把握できなかったりするという恐れがあります。
そこで、打刻管理に悩まれている方は、勤怠管理システムの導入を検討するのがおすすめです。無料トライアル期間が用意されている製品もあるため、まずは試しに導入してみましょう。
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