タイムカードの打刻ミスを防止するには?理由や対策を解説!
勤怠管理システム
2023.09.11
2023.09.11
紙のタイムカードを使用して勤怠管理をおこなっているけれど、打刻ミスが多くて困っているという企業は多いのではないのでしょうか。タイムカードは比較的簡単に運用できるのが特徴ですが、手作業で運用するため、打刻ミスが発生しやすいというデメリットがあります。当記事では、打刻ミスの具体例や原因、対策について解説した後に、勤怠管理システムを導入するメリットについて紹介します。
打刻とは
「打刻」の読み方は「だこく」です。辞書によると「金属など硬いものに文字や数字を打ち記すこと。」と「タイムレコーダーなどで時刻を打ち記すこと。」の2つの意味があります。勤怠管理の文脈で使用される場合、後者の「タイムレコーダーなどで時刻を打ち記すこと」の意味で使われます。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、「使用者には労働時間を適正に把握する責務がある」と述べられています。
そのため、従業員一人ひとりの労働時間を客観的に把握するために、打刻をおこなう必要があります。正しく打刻をおこない、労働時間を適切に把握できれば、過重労働の防止や正確な給与計算につなげることが可能です。ただし、紙のタイムカードの場合、手作業で運用するため、打刻ミスが生じやすいというデメリットがあります。

打刻とは?打刻の意味や方法と打刻忘れのリスクを解説!
労働基準法の改正や働き方改革の影響もあり、企業は従業員の労働時間を正確に把握して、勤務状況を管理することが求められています。打刻は正確な勤怠管理をおこなうためにタイムカードや勤怠管理システムを使って従業員の勤怠時間を記録することです。打刻の意味や必要性、おこなわない場合のリスクを詳しく解説します。
打刻ミスの具体例
ここでは、打刻ミスの具体例について詳しく紹介します。
二重打刻してしまう
二重打刻とは、誤って複数回打刻をおこなってしまうことを指します。たとえば、始業時に打刻をおこなった後に、間違ってもう一度打刻をおこなうと、終業時の打刻をおこなってしまったこととなることがあります。
二重打刻してしまうと、修正をおこなわなければ、始業時間と終業時間が同様の時刻になってしまうことがあります。そのため、適切な労働時間を把握できない恐れがあります。なお、タイムレコーダーによっては、短時間に同一のユーザーが複数回の打刻をおこなった場合、予め設定された時間内であれば、打刻を無効にできる機能が搭載されているものもあります。
打刻することを忘れてしまう「打刻漏れ」
手作業で毎日タイムカードに打刻をおこなう場合、打刻することを忘れてしまうという事例は少なくないでしょう。打刻漏れがあると、客観的に労働時間を記録できないために、適切な勤怠管理ができないという恐れがあります。
また、打刻漏れが発生している従業員がいた場合には、事実確認をおこない、修正をおこなう必要があります。しかし、従業員の自己申告になることもあるため、不正申告が発生するリスクも否定できません。
打刻漏れが生じて、タイムカードの記録時間と勤務時間がズレないように、運用方法や罰則などの打刻ルールをあらかじめ定めておくのがおすすめです。
出勤と退勤を押し間違えてしまう
タイムレコーダーによっては、出勤や退勤のボタンを押して、打刻をおこなう製品があります。ボタンによって、時間外労働や休日労働、深夜労働などを管理できるため、業務負担を削減できるというメリットがあります。
ただし、出勤と退勤を押し間違えてしまい、打刻ミスが生じてしまう可能性もあります。製品によっては、音声ガイド機能や重ね打ち防止機能の搭載されているものもあるため、押し間違えに悩まれている方は、機能の観点からタイムレコーダーの変更を検討するのがおすすめです。
打刻ミスした場合のペナルティとして始末書は必要?
打刻ミスが生じたら、始末書を提出させる必要があるのかどうか気になる方は多いのではないのでしょうか。始末書の提出は必須ではありません。
しかし、打刻ミスの再発防止や打刻修正の証拠を残すという観点から、始末書を提出してもらうというルールを設けるのも一つの手です。ほかにも、始末書のかわりに、ペナルティを設ける方法もあります。
始末書を提出させることで、打刻ミスの原因がわかり、今後の対策につなげることが可能です。ただし、始末書の目的をきちんと従業員に周知しないと、従業員の不安につながる恐れがあります。
そのため、始末書を提出させるというルールを設ける場合には、目的や内容を明確化したうえで、従業員に適切に周知することが大切です。
打刻ミスをそのまま放置するリスク
打刻ミスをそのまま放置した場合に想定されるリスクを2つご紹介します。
給与計算のミスが起こりやすくなる
従業員の給与は、タイムカードなどで記録される労働時間に基づいて計算されます。そのため、打刻忘れを修正せずにそのまま放置すると、労働時間を把握することができず、正確な給与計算をおこなえなくなる可能性があります。
不明な部分は就業規則に定めた始業時間・終業時間に合わせるという方法もあります。しかし、当該従業員がその日に遅刻や早退、残業などをおこなっていた場合、給与の未払いや過払いが発生するリスクがあるため、注意しなければなりません。
これらの調整に時間と手間がかかるのはもちろん、場合によっては給与(標準報酬月額)をもとに計算した社会保険料や税金の修正も必要になるため、人事担当者に大きな負担がかかってしまうおそれがあります。

勤怠の改ざん発生時の対応集
この資料では、勤怠管理で改ざんが発生した際の対応方法についてまとめています。よくある不正と、その対処方法4つ、不正の防止策について解説します。
この資料では、勤怠管理で改ざんが発生した際の対応方法についてまとめています。よくある不正と、その対処方法4つ、不正の防止策について解説します。
労働基準法や労働安全衛生法などに違反するリスク
労働安全衛生法の第66条の8の3では、企業に対し、労働者の労働時間を把握し、記録することを義務付けています。
もし打刻ミスを放置していると、従業員の労働時間を正しく把握していないことに繋がるので、この法令に違反してしまいます。
また、働き方改革にともなう法改正により、2019年(中小企業は2020年)の4月から、時間外労働の上限規制が導入されました。
時間外労働について定めた36協定を締結していたとしても、原則的に、月45時間、年360時間を超えて時間外労働をおこなうことは法律で禁じられています。
打刻ミスを放置していると、知らない間に上記の時間外労働の上限を超えてしまうかもしれません。
時間外労働の上限に違反した場合、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられるおそれがあります。
打刻ミスはなぜ起こる?その原因とは
ここでは、打刻ミスが生じてしまう原因について詳しく紹介します。
打刻の習慣が身についていない
出勤後と退勤後に打刻するという習慣が身についていない場合、打刻漏れなどの打刻ミスが生じる原因となります。紙のタイムカードで勤怠管理をおこなうと、手作業で運用をおこなう機会が増えるため、どうしても打刻ミスが発生しやすくなります。また、社内で打刻ルールが明確化されていないと、従業員に打刻の必要性を周知させることができず、打刻ミスにつながってしまう可能性があります。
そのため、打刻の必要性を従業員にきちんと周知し、適切に打刻する習慣が身につくような対策をおこなうことが大切です。たとえば、タイムカードの運用方法を説明する機会を設けて、従業員に打刻の重要性を認識してもらうのがおすすめといえます。また、タイムカードの管理方法を工夫することで、打刻ミスを減らすことが可能です。
ぎりぎりの時間に出勤打刻してしまう
紙のタイムカードで勤怠管理をおこなう場合、打刻に手間がかかる可能性もあります。始業時刻のぎりぎりの時間に出勤すると、始業時間までに打刻することができず、打刻ミスにつながる恐れがあります。
たとえば、業務を実施する場所とタイムレコーダーの設置されている場所が離れていると、ぎりぎりの時間に出勤すると、打刻ミスが生じる可能性は高まります。また、タイムカードの打刻に列ができており、打刻するのに時間がかかると、面倒さを感じ、打刻することを後回しにしてしまい、打刻忘れなど打刻ミスにつながる可能性があります。
このように、打刻に手間がかかる場合、ぎりぎりの時間に出勤すると、打刻ミスが生じる可能性もあります。そのため、スムーズに打刻できる環境を用意することが大切です。
打刻ミスを防止する方法
ここでは、打刻ミスを防止するための対策方法について詳しく紹介します。
打刻の必要性やルールを周知する
打刻が習慣づかなかったり、ぎりぎりの時間に打刻をしてしまったりするのは、打刻の必要性やルールが、従業員にきちんと浸透していないという可能性があります。そのため、打刻のルールや重要性をきちんと理解してもらう機会を設けることが大切です。
たとえば、打刻忘れが一定数以上に達すると、人事評価を下げるなどのルールを定めれば、従業員の打刻に対する意識が高まり、打刻ミスを減らすことができるかもしれません。また、打刻する意味が従業員のためにつながることを周知すれば、打刻することの大切さを理解してもらうことができます。
このように、打刻ルールを明確にし、きちんと従業員に周知すれば、打刻ミスを防止することが可能です。

タイムカードの打刻ルールは必要?具体例や工夫をわかりやすく紹介
タイムカードを使用して、打刻や勤怠管理をおこなっている企業も多いでしょう。近年では、労働基準法の改正や働き方改革の影響もあり、打刻に関するルールを見直す必要性も増えてきているのではないでしょうか。当記事では、タイムカードの打刻ルールの必要性や具体例、運用方法などについて詳しく解説します。タイムカードの打刻に関するルールの知識を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
タイムレコーダーの設置場所を工夫する
打刻ミスの原因には、打刻の習慣が身についていないことや、打刻に手間がかかってしまうことが挙げられます。そのため、タイムレコーダーの設置場所を工夫するのがおすすめです。
たとえば、業務をおこなう場所と、タイムレコーダーを設置する場所を近くすることで、打刻ミスを防ぐことができます。また、事業所の出入口など、従業員の目につきやすい箇所にタイムレコーダーを設置すれば、打刻忘れなどの打刻ミスをなくすことが可能です。さらに、打刻のための列ができてしまい、従業員がスムーズに打刻できない場合には、タイムレコーダーの設置数を増やしてみるのもおすすめといえます。
このように、打刻を習慣づけるように、従業員のわかりやすい場所にタイムレコーダーを設置することが大切です。
張り紙などで注意を促す
タイムカードの運用方法を変更したときなどは、打刻ミスが増えてしまうという恐れがあります。そのため、張り紙などを使用して、タイムカードの運用方法や、打刻の必要性などを理解してもらう機会を増やすのがおすすめです。たとえば、よくある打刻ミスの例と、正しい打刻方法を張り紙に書いて、従業員に示せば、同様の打刻ミスを減らすことができます。
ただし、張り紙を使用する場合には、従業員の目につきやすい場所に配置することが大切です。たとえば、事業所の出入口やロッカー、廊下などがおすすめといえます。また、タイムレコーダーの上に配置すれば、従業員の目につきやすいため、上手に注意を促すことが可能です。
そして、時間が経つと、張り紙が貼られていることを当たり前に感じてしまい、効果が薄れてしまうという可能性があります。そのため、定期的に張り紙の位置や内容を変更するのがおすすめです。
リマインドや従業員同士での声かけをする
打刻は従業員の手作業によっておこなうため、打刻を忘れてしまうことは、誰にも起こりうることです。そのため、リマインドをおこなったり、従業員同士で声かけをおこなったりして、打刻ミスを減らすような活動を実施するのがおすすめといえます。
たとえば、始業時刻の5分前に、タイムカードの打刻を忘れていないか、メールなどでリマインドをおこなうと、従業員によっては、打刻忘れに気づくことができます。また、スマホのアラームやメモを貼るなど、打刻ミスが生じないようにできることを、従業員に周知するのもおすすめです。
さらに、席が隣の従業員や、管理者など、タイムカードの押し忘れがないか、声をかけあうような取り組みをおこなうことで、打刻ミスを防ぐことも可能です。
勤怠管理システムを導入する
紙のタイムカードで打刻ミスが多い場合には、勤怠管理システムの導入を検討してみるのがおすすめです。勤怠管理システムを利用すれば、PC・スマホ・ICカード・生体認証など、自社に適した打刻方法を選べるため、打刻ミスを減らすことができます。
また、不正打刻を防止することにもつながります。さらに、クラウドの勤怠管理システムは勤務形態によらず利用できるため、テレワークを推進することが可能です。
このように、勤怠管理システムは、打刻ミスを防止するだけではなく、ほかにもさまざまなメリットがあるという特徴があります。ただし、システムによって、機能や料金体系、サポート体制、セキュリティ強度などが異なるため、複数のシステムを比較して、自社のニーズにあうシステムを導入することが大切です。

タイムカードのお悩み解決BOOK
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
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勤怠管理システムのメリット
ここでは、勤怠管理システムのメリットについて詳しく紹介します。
打刻ミスなどの際にアラートを表示できる
勤怠管理システムによっては、アラート機能があるため、打刻ミスなどがあるときに従業員や管理者に対して、自動で警告を出すことができます。そのため、従業員に対して打刻することを習慣化するように促すことが可能です。また、管理者にも通知できるため、打刻ミスが多い従業員を素早く把握して、教育を実施することができます。
なお、システムによって、アラートの出し方はさまざまであるため、自社のニーズにあったものを選択することが大切です。たとえば、メールで通知をおこなうシステムもあれば、ツールの管理画面でアラートを確認できるシステムもあります。
打刻修正を簡単におこなうことができる
勤怠管理システムでは、打刻漏れや打刻ミスに備えて打刻修正の機能が搭載されているシステムもあります。たとえば、アカウント権限機能によって、申請・承認などの設定をおこなうことのできるシステムがあります。一般的な従業員には、申請のみの機能を権限を付与し、管理者には申請と承認の両方の権限を付与させれば、勤怠の修正の管理を適切におこなうことが可能です。
打刻修正の機能があれば、簡単に打刻の修正ができるため、勤怠管理の業務に手間がかからず、本来の業務に集中することができます。また、きちんと打刻修正の理由を記載させることで、適切に労務管理をおこなうことが可能です。
有休や残業時間などの管理もできる
勤怠管理システムには、打刻機能だけではなく、残業集計・スケジュール管理・休暇管理・アラート・ワークフロー・外部サービス連携など、システムによってさまざまな機能があります。
そのため、始業時間・終業時間だけではなく、残業時間や有給休暇の取得数、給与計算などの管理もシステム上でおこなうことが可能です。紙のタイムカードを使用する場合、集計を手作業でおこなわなければならないことが多いため、計算ミスなどにより、トラブルにつながる恐れがあります。しかし、勤怠管理システムを使用すれば、労働時間や給与計算をシステムを使用して、効率よく適切に管理できるというメリットがあります。
このように、打刻ミスを防ぐだけではなく、勤怠に関する業務を効率化させたいと考えている方は、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

勤怠管理システムの比較ポイントは?自社に適したシステムの選び方を紹介
日々の就業管理を効率化したいなら、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムとは、出退勤や休暇申請、残業時間管理など、従業員の就業状況をWeb上で把握できる仕組みのことです。導入の際は、月額利用料やサービス内容、外部連携できるシステムを比較し、自社の状況に合ったものを選びましょう。この記事では、勤怠管理システムの概要と、自社に合った製品の選び方を紹介します。
対策して打刻ミスを防止しよう!
紙のタイムカードを使用している場合、打刻ミスを減らしたいという悩みを抱く方は多いでしょう。打刻ミスの例には、二重打刻や打刻忘れなどがあります。
打刻ミスが生じる原因には、主に打刻を習慣化できていないことが挙げられます。そのため、張り紙を活用したり、タイムレコーダーの設置場所を工夫したりするのがおすすめです。また、打刻ミスがなくならない場合や、集計ミスやテレワークの推進など、ほかの課題も解消したい場合には、勤怠管理システムの導入を検討してみるのがおすすめといえます。

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