タイムカードとは?手書きは違法?手書きタイムカードの書き方やリスクを解説
勤怠管理システム
2023.09.15
2023.09.15
客観性のある勤怠データが求められているなか、手書きのタイムカードで勤怠管理をしていいか不安に思われるかもしれません。結論からいうと手書きでも違法でがありませんが、注意しなければならない点はあります。この記事では、手書きのタイムカードの書き方や注意点、改ざんなどのリスクについて解説します。

タイムカードのお悩み解決BOOK
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
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タイムカードとは
タイムカードとは、勤怠時間を記録する紙を指します。ただし、タイムカードには打刻するものと手書きするものの2種類に分かれます。打刻するタイムカードは、タイムレコーダーによって時間を記録します。一方、手書きする紙の出勤簿をタイムカードと呼ぶ場合もあります。
この記事では、手書きのタイムカード(出勤簿)について解説します。

タイムカードとは?仕組みやメリット、勤怠管理の方法を解説
勤怠管理の方法として、タイムカードを利用している企業も多いでしょう。タイムカードは、昔から利用されていますが、タイムカードとはどんなものかわからない、初めて使うという人もいるのではないでしょうか。この記事では、タイムカードの基本的な情報や利用するメリット、選ぶポイントについて解説しています。これからタイムカードを扱い始める方や、導入を検討している方は、ぜひ本記事を読んでみてください。
タイムカードがない!手書きでの勤怠管理は違法?
勤怠管理の方法は企業によってさまざまですが、厚生労働省が定める以下のガイドラインに従い適切な方法で勤怠管理をおこなう必要があります。
- 使用者が、自ら現認することにより確認すること
- タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること
手書きのタイムカードおよび紙の出勤簿は勤怠管理の書類のひとつとして認められています。そのため、タイムカードがないからといって必ずしも違法になることはなく、他の方法で適切に勤務時間を把握しているのであれば、タイムレコーダーなどの機器を購入する必要もありません。
ただし、手書きのタイムカードや出勤簿は自己申告制による記録に該当するため、客観性に欠けます。法的に問題はないものの、望ましい管理方法とまでは言えません。
なお、違法となるのは勤怠管理を全く行っていない場合です。勤怠管理をおこなうことは労働基準法で定められた使用者の義務であるため、従業員の労働時間の把握をおこなっていない場合には労働基準法違反で罰則を課される可能性があります。

タイムカードがない会社は違法になる?効率よく勤怠管理する方法も紹介
労働安全衛生法の改正により、2019年4月から従業員の労働時間を客観的に把握することが義務化されました。しかし、実は会社にタイムレコーダーやタイムカードがなくても法令違反にはなりません。タイムカードのメリットやデメリットを知り、自社に合った勤怠管理方法を選ぶことが大切です。この記事では、タイムカードについての厚生労働省の見解や、タイムカードの役割、タイムカード以外の勤怠管理方法を解説します。
手書きのタイムカードで勤怠管理をする際の注意点
手書きのタイムカードや出勤簿で勤怠管理をする際に注意すべき点を3つ解説します。
手書きタイムカードのテンプレートに必須の項目とは
手書きするタイムカードのテンプレートに必要項目が含まれているか確認してください。手書きのフォーマットについて明確な指定はありませんが、出退勤の時間を記録するだけでは、休憩時間や残業時間が適切かどうかを判断できません。タイムカードを見れば勤務の実態がわかるようなフォーマットを用意する必要があります。
勤怠管理に必要な項目は以下のとおりです。
- 出勤時刻
- 退勤時刻
- 休憩時間
- 出勤日数
- 時間内労働時間(法定内労働時間数)
- 時間外労働時間(法定外労働時間数)
- 休日労働をおこなった日時と労働時間
- 深夜労働をおこなった日時と労働時間
上長が確認したことを明記するチェック欄など、必要であれば項目を追加してフォーマットを完成させてください。
自己申告が適正かチェックする
自己申告の内容が適正であるかを管理者がチェックする必要があります。自己申告においては、実態と異なる労働時間を容易に申告できるため、記録を見るだけでは適切に労働管理をおこなえません。
また、厚生労働省のガイドラインにも必要な措置として記載されています。実際に働いている現場に趣き、申告どおりの労働をしていることを確認してください。
(参考)労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドライン
ボールペンで記入して改ざんを防ぐ
タイムカードを記入する際は鉛筆を使わず、消すことのできないボールペンで書くように徹底してください。鉛筆での記入を認めていると書き換えが容易になるため、時刻を改ざんされるリスクが発生します。書き間違えたときに修正するのが面倒になりますが、リスクを防ぐためにボールペンを使用するようにしましょう。
なお、ボールペンで記入した場合でも書き換えによる改ざんがおこなわれる可能性はあります。鉛筆でないから書き換えられることはないと過信しないように注意してください。

タイムカードの書き方の記入例や注意点、有給時・押し忘れた時の書き方などを説明
近年では、労働基準法など、勤怠管理に関する法改正が実施されたこともあり、従業員の勤務状況を適切に管理することが求められています。そこで、タイムカードを使用して勤怠管理をおこなうにあたって、書き方のコツや注意点について気になる方は多いのではないのでしょうか。 当記事では、タイムカードの書き方について解説します。
手書きタイムカードの改ざんや紛失に効果的な対策とは
手書きのタイムカードは改ざんや紛失のリスクが高まります。このような事態が生じれば、従業員の勤怠を正しく把握できないため、給料の未払いや過重労働を招く恐れがあります。
手書きのタイムカードで勤怠管理をおこなう際は、以下のような対策を取り入れるのが有効です。
- タイムカードに残業時間の記入欄を設ける
- タイムカードに記入できない場合は、事前申告の上、後で記入する
- タイムカードの保管は一元管理にする
- タイムカードの紛失が起きた場合は早急に再発行する
- 意図的な改ざんがあった場合には罰則を適用する
タイムカードの改ざんを防ぐためには、企業として常に勤怠をチェックしている姿勢を示すことが大切です。出退勤時間だけでなく残業時間の記入欄を設け、定期的にチェックする体制を作るだけでも改ざん防止につながります。
また、直行直帰などでタイムカードが記入できない場合は、出退勤時間を上長に事前報告し、それに基づいてタイムカードを記入すれば改ざんが起きにくくなるでしょう。
タイムカードは一箇所に集めて保管するのが基本です。各従業員に保管させるのは紛失のリスクが高く、必要なときに担当者がすぐに確認できないため避けましょう。
もし、タイムカードが紛失した場合は、勤怠管理に支障が出ないように早急に再発行します。また、紛失に備え、定期的にタイムカードのコピーをとったり、データとして保管しておくなどの対策も必要です。
万が一、自社でタイムカードの改ざんが起きた場合は厳正に処分しましょう。勤怠の改ざんは刑法では詐欺罪に該当します。改ざんした従業員には懲戒解雇もやむを得ないでしょう。明らかに意図的な改ざんと認められる場合は、次の改ざんを防止するためにも毅然とした態度で対応することが大切です。

勤怠の改ざん発生時の対応集
この資料では、勤怠管理で改ざんが発生した際の対応方法についてまとめています。よくある不正と、その対処方法4つ、不正の防止策について解説します。
この資料では、勤怠管理で改ざんが発生した際の対応方法についてまとめています。よくある不正と、その対処方法4つ、不正の防止策について解説します。
タイムカードを手書きで訂正する際の注意点
タイムカードに記入した時刻が間違っていたときは、手書きで訂正しても問題ありません。ただし、従業員が勝手に訂正できる体制の場合は勤怠の改ざんにつながるので注意が必要です。
ここでは、タイムカードを手書きで訂正する際の注意点を3つ紹介します。
上長の許可を得てから修正するようルールを決める
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間を記録する方法のひとつとして「使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。」を推奨しています。
しかし、会社の規模によっては、使用者の確認が難しいケースもあるため、上長の確認をもらうルールを設定しておくのがおすすめです。社内の秩序を守るためにも、タイムカードの手書きでの修正は上長の許可を必ずもらうことをルール化して周知させましょう。
このことを明確なルールにしておかなければ、ミスや不正などが起こるリスクも大きくなります。訂正するときは上長の印鑑を必要にするなど、上長が訂正を把握できるルールを考えてください。
他の従業員にも勤務実態の事実確認をしておく
訂正を承認する際は、その訂正が正当であるか確認してください。自己申告だけで訂正を認めていると、実際の勤務時間とのずれが生じる可能性があります。具体的な確認方法としては、同じ現場で働く従業員から証言を聞くことが挙げられます。
ほかにも、社屋の入退室履歴や、PCの使用ログといった客観的なデータを参考にするとよいでしょう。これらの方法で裏付けをとってから打刻の訂正を承認するようにすると、労働時間の水増し等が起こりにくくなります。
必ず本人が記載する
タイムカードの訂正は必ず本人がおこなうように徹底しましょう。
本人以外が訂正した場合は本人の認識とは異なる時刻に修正される可能性があり、後々トラブルへと繋がりかねません。不要なトラブルを避けるためにも、訂正する時刻を上長とすり合わせたうえで、本人自身の手でタイムカードを訂正させましょう。
訂正の手間をかけさせることで、今後ミスをしないように意識づける効果もあります。
タイムカードを手書きで管理するリスク
手書きのタイムカードで勤怠を管理するメリットは、低コストかつ簡単に導入できる点です。紙とフォーマットさえあれば実施できるので、特別な機器やソフトを購入する必要がありません。少人数であれば集計も短時間で終わらせることができるでしょう。
しかし、タイムカードを手書きで管理することにはリスクもあります。これから解説するリスクに十分な対策を講じられる場合は、手書きのタイムカードによる勤怠管理を継続しても問題ないでしょう。
労働時間の客観的な記録として認められない可能性がある
手書きのタイムカードによる勤怠管理は違法ではありません。しかし、厚生労働省のガイドラインでは、勤怠管理の方法は「使用者による現認」と「客観的な記録」を満たすことを求めています。そのため、手書きのタイムカードは勤怠を記録する十分な方法とまでは言えません。
容易に改ざんされてしまう
繰り返しになりますが、手書きのタイムカードの最大のリスクは容易に改ざんされてしまう点です。本人以外の従業員による記入や残業時間の水増しなど、従業員による改ざんは企業にとって大きな問題となります。
また、企業が長時間労働を隠す目的で改ざんするなど、時代に逆行するような不正が起こる可能性も否定できません。
給与計算など業務の効率が低下する
手書きのタイムカードで勤怠管理をする場合、集計や給与計算などは手作業で行うのが一般的です。全従業員のタイムカードを集計するのはかなりの労力を必要とし、ヒューマンエラーが起こりやすくなります。
タイムカードに記入漏れがあったり、修正などが必要になったりすればその分手間がかかります。業務効率の低下を招くだけでなく、より多くの人件費を損失してしまうでしょう。
保管・管理の手間がかかる
労働基準法では、タイムカードをはじめとする勤怠に関する書類には5年保管を義務付けています。紙ベースなので保管場所の確保が必要で、場合によっては保管コストもかかります。
また、いつでも取り出せるようにラベリングしたり、保管期限を過ぎたものを処分したりしなくてはなりません。タイムカードを管理する担当者にとって大きな負担となることは間違いないでしょう。

タイムカードのお悩み解決BOOK
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
この資料では、紙のタイムカード(打刻機)でよくあるお悩みとその解決方法について解説しています。押し忘れの場合の対処法やタイムカードに関する法律についても紹介。勤怠・人事・給与の担当者におすすめです。
手書きのタイムカードで対応できる場合とは?
企業の中には、手書きのタイムカードによる勤怠管理のほうが適している場合もあります。次の3点にあてはまる企業は手書きのタイムカードによる勤怠管理を継続しても問題ないでしょう。ただし、先ほど紹介したようなリスクを伴っていることを忘れてはいけません。
従業員が少ない企業
従業員が少ない企業であれば、手書きのタイムカードが適しています。集計するタイムカードの枚数が少なければ、機器を利用した勤怠管理のほうが手間になる場合があります。タイムカードを保管する際は場所をとらず、たいした手間がかからないでしょう。
また、全従業員の勤務態度も管理しやすいため、改ざんや不正が発生しにくい環境でもあります。従業員規模の小さい企業は手書きのタイムカードも選択肢の一つに入れるとよいでしょう。
業務でパソコンを使わない企業
PCを使用しない業務をおこなっている企業も、手書きのタイムカードが適しているでしょう。営業や業務管理を紙で実施している企業にとって、手書きのタイムカードは取り入れやすい管理方法です。また、手書きの出勤簿の集計に慣れていて、かつ従業員の人数が少なく、集計作業が複雑ではない場合には、タイムカード以外の管理方法より早く処理できる可能性もあるかもしれません。
アルバイトが多い企業
アルバイトやパートが正社員より多い企業も、手書きのタイムカードが適しています。アルバイトやパートは毎日出社しない場合があるため、全員を一様に管理できません。また、人員の入れ替わりも発生しやすく、そのたびに労働者の更新をする手間がかかります。それらの問題には、システムを利用せずに手書きで管理したほうが柔軟に対応しやすい場合もあるでしょう。
手書き以外のおすすめ勤怠管理方法
手書きのタイムカードは常に改ざんのリスクが伴い、保管などの手間もかかります。そこで、手書き以外のおすすめの勤怠管理方法を2つ紹介します。
タイムレコーダーでの打刻
使い慣れているタイムカードを継続して使用したい場合は、タイムレコーダーでの打刻がおすすめです。使い方も簡単で、タイムレコーダーの出勤・退勤ボタンを押してタイムカードを通すだけで打刻できます。
出勤・退勤時間が打刻されるので、手書きより改ざんのリスクを減らせます。二重打刻や打刻忘れがあった箇所もすぐに確認できるため、集計の手間も省けるでしょう。
ただし、改ざんのリスクがゼロになるわけではありません。従業員が自らの判断で勝手に打刻を修正できないように、あらかじめ運用ルールなどを決めておく必要があります。また、紙ベースでの保管になるので、業務の手間を大幅に減らす効果は期待できません。
勤怠管理システム
手書きのタイムカードによる勤怠管理を一新したい場合には、勤怠管理システムをおすすめします。勤怠管理システムとは、打刻した労働時間をクラウド上に記録し、自動で集計・計算するシステムです。
代理による打刻を防止できたり、いつでもリアルタイムで勤怠状況を確認できたりするため、タイムカードの改ざんや過重労働の防止に効果があります。また、事務処理の負担を大幅に減らすことができ、手作業によるミスの防止にもつながります。
従業員の勤怠管理を正しくおこなうのは企業の義務です。手書きのタイムカードによる勤怠管理に負担や問題を抱えているのであれば、勤怠管理システムの導入を検討するタイミングと言えるかもしれません。
手書きのタイムカード以外にも勤怠管理の方法はさまざま
手書きのタイムカードは勤怠の管理方法として認められており、注意点さえ気を付けていれば問題になりません。
ただし、改ざんされるリスクがあるといったデメリットも存在します。リスクを防ぎ、より正確な労働管理をするには、手書きのタイムカード以外の管理方法を検討してみるとよいでしょう。勤怠管理の方法を比較している記事があるので、興味があればそちらも参考にしてください。
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