タイムカードとは?仕組みやメリット、勤怠管理の方法を解説
勤怠管理システム
2023.01.25
2023.01.25
勤怠管理の方法として、タイムカードを利用している企業も多いでしょう。タイムカードは、昔から利用されていますが、タイムカードとはどんなものかわからない、初めて使うという人もいるのではないでしょうか。この記事では、タイムカードの基本的な情報や利用するメリット、選ぶポイントについて解説しています。これからタイムカードを扱い始める方や、導入を検討している方は、ぜひ本記事を読んでみてください。
タイムカードとは
会社の出退勤時や休憩時などに時刻を記録する紙のことをタイムカードと呼びます。主に勤怠管理することを目的として利用されています。出金記録時計や勤番記録時計といった別名を呼ばれる場合もあります。
タイムカードに時刻を記録するには、タイムレコーダーという機械を使用します。タイムレコーダーを使用すると、使用した時点の時刻がタイムカードに記録される仕組みです。このように時刻を記録することを打刻といいます。
なお、タイムカードを英語でいうとそのまま「time card」ですが、タイムレコーダーは「time clock」です。日本語の呼び方どおりに「time recorder」と言っても意味が通じない場合があるので注意しましょう。
タイムカードの種類
さまざまな種類が存在するタイムカードを4つに分類し、それぞれの特徴について解説します。
紙に時刻を記録するタイムカード
紙のタイムカードをタイムレコーダーに差し込むことで、タイムカードに時刻を印字するタイプです。ほかのタイプに比べてコストがかからないため、多くの中小企業が利用しています。昔から利用されていて馴染み深く感じている人が多い点も特徴といえるでしょう。
ただし、紙に印字されている記録をもとに集計する必要があるため、勤怠時間の集計に手間がかかるのが難点です。企業規模が大きいほど、紙のタイムカードの集計には大きな手間がかかるでしょう。
集計機能付きのタイムカード
月の終わりに実働時間や残業時間を自動的に集計するタイプです。紙に打刻するという基本的な機能は変わりませんが、月ごとの合計を印字するため計算の手間が省けます。計算のミスも省けるでしょう。
しかし、タイムレコーダーができる計算方法や項目は限られています。特殊な勤務体系で計算が複雑であれば、集計機能とは別に計算しなければならないでしょう。
紙のタイムレコーダーの中には、クラウドの勤怠管理システムとAPIで連携し、自動で集計をおこなうことができるものもあります。
USBに接続できるタイムカード
USBを利用して、タイムカードの記録をPCへ出力できるタイプです。記録の入力や計算を手作業でする手間が省けるうえに、集計のミスの発生を防げます。集計する件数が多いほど、その効果を発揮するでしょう。
このタイプは高性能ですが、打刻や計算の機能だけを持つものに比べてコストがかかります。そのため、勤怠管理を手作業にしても問題がない少人数の企業の場合は、費用対効果は低くなるでしょう。
ICカード対応のタイムカード
紙のタイムカードではなく、ICカードで打刻するタイプです。ICカードをカードリーダーにかざすことでPCにデータが送信・記録されます。従業員が交通系のICカードやセキュリティカードとして利用しているICカードを用いて、タイムカードとして活用することが可能です。
このタイプのデメリットはコストの高さです。従業員がICカードを持っておらず、打刻用のICカードを新たに用意する場合は、各従業員に発行する必要があるため、新しい従業員が入るたびにカードを作成する費用がかかります。また、タイムレコーダー本体も、ほかのタイプと比較すると高額です。コストが気になるのであれば、ほかのタイプを利用することも検討したほうがよいでしょう。
タイムカードの仕組み
タイムカードを利用することで客観的かつ正確なデータを記録できます。
タイムカードはタイムレコーダーを利用して出退勤した時間を記録しなければなりません。労働管理をするには、労働時間を示す客観的なデータが必要です。タイムカードを手書きすると客観性に欠けるため、客観的記録が残るタイムレコーダーを利用します。
また、タイムレコーダーによる記録は1分単位でおこないます。たとえば、15分単位切り捨てなどにして労働時間を丸めると賃金の未払いとなり、労働基準法の24条第1項に反する恐れがあります。
タイムカードのメリット
勤怠管理にタイムカードを利用するメリットは、以下の2点です。
方法を覚えやすい
タイムカードによる勤怠管理は方法を覚えやすく、導入しやすいメリットがあります。紙のタイムカードで打刻するには、タイムレコーダーに自分のタイムカードを差し込むだけです。使い方を覚えるのも、人に説明するのも簡単なので、導入するハードルは高くありません。また、タイムカードはPCが普及する以前から利用されており、とくに年配の方に慣れ親しまれています。そのため、PCやスマートフォンの操作に慣れていない従業員が多くても安心です。
コストを抑えやすい
タイムカードはコストを抑えやすい点が魅力です。紙のタイムカードを導入する際にかかる初期費用は次の3点です。
- タイムレコーダー本体の購入費
- タイムカードの購入費
- 印字に使うインクカセットの購入費
必要最低限の機能が付いたタイムレコーダーであれば、本体価格は数万円程度に収まります。タイムカードとインクカセットはそれぞれ数千円で購入できます。導入する際は本体を社内に設置するだけなので、設置費用などはかかりません。
タイムカードのデメリット
トラブルの原因にもなり得る、紙のタイムカードの問題点を3点紹介します。
集計に時間がかかる
紙のタイムカードで勤怠管理をする場合、手作業で計算やデータ入力などをおこなうため、時間がかかります。1カ月の勤務時間を全従業員分のデータをPCに移して計算するとなると、かなりの作業量になります。また、続けて印字されている時刻は見間違いを起こしやすく、計算を間違えた場合は修正作業も必要です。タイムカードの集計に時間がかかれば労働管理に人員を割り当てなければならないため、人件費にも影響が出るでしょう。
保管に手間がかかる
労働時間や賃金に関わる書類は労働基準法109条により5年間保管する義務があります。もし書類を保管していないと発覚した場合は処罰を受けることになります。そのため、タイムカードを5年間保管し、いつでも提出できる状態にしなければなりません。全従業員のタイムカードを5年間保管するとなると枚数も膨大になるうえに、年ごとに追加や破棄をする必要があります。タイムカードの管理には、場所も時間もとられるでしょう。
拠点が多いと郵送に手間がかかる
支社や支店など複数の拠点がある場合、最終的には本社にタイムカードを郵送するため手間がかかります。郵送には費用や時間もかかるため、大きなコストとなりかねません。
本社で勤務時間の集計をするには、ほかの拠点からタイムカードが届くのを待つことになります。もし郵送漏れなどのトラブルがあったときは対処に時間がかかり、給与計算が滞る原因となるでしょう。
タイムカード選びのポイント
購入する際に知っておきたい、タイムカードおよびタイムレコーダーを選ぶポイントは3つあります。
従業員規模に合っているか
タイムカードが自社の規模に合っているかは必ず確認したいポイントです。勤務管理の対象となる従業員が少ないのに高コストなタイムレコーダーを導入しても、コストに見合った効果を得られないでしょう。従業員数が多いのに手作業が必要なタイムレコーダーを利用する場合も、管理者の負担が大きくなります。また、タイムレコーダーの集計可能な人数が制限されている場合もあります。従業員の数を踏まえたうえで、いずれのタイプが自社にふさわしいか検討しましょう。
使いやすいか
タイムカードの使いやすさは意外と重要です。タイムカードは毎日利用するものなので、打刻するたびにストレスがあると業務の妨げにも繋がってしまいます。タイムカードはレコーダーに差し込みやすいか、壁に取り付けることができるか、時刻は見やすいかといった使いやすさを確認しましょう。毎日利用する従業員からの視点だけでなく、集計をおこなう管理人から見た使いやすさも気に留めておいてください。
必要な機能が搭載されているか
タイムカードを導入する際には、あらかじめ必要な機能を把握しておき、その機能が利用できるかどうかチェックしておきましょう。たとえば、休憩時間を複数回とっているなどの特殊な勤務形態をしている企業であれば、その形態に対応しているか必ず確認してください。
必要な機能が足りていない場合はタイムカードを買い直すか、対応していない部分を手作業で対応しなければなりません。どちらにしても無駄が生じるので、事前にチェックしてマイナスを避けましょう。
タイムカードではなく勤怠管理システムを導入するという手も
勤怠管理には、タイムカードのほかに勤怠管理システムを利用する方法もあります。勤怠管理システムとは、PCやスマートフォンをとおして出退勤の打刻や勤務時間の管理ができるシステムです。
勤怠管理システムはタイムレコーダーを利用せずに正確な時刻を記録できます。そのため、打刻をするためだけに外出先から戻る必要がなく、より正確な退勤時間を記録することが可能です。また、そもそもオフィスに出社しないテレワークのような形態で働く従業員がいる場合は、勤怠管理システムのほうが適しています。
ほかの記事では、勤怠管理システムについてのより詳しい説明や、勤怠管理システムの比較をおこなっています。もし勤怠管理システムの導入に興味があれば、これらの記事も参考にしてみてください。
自社に合うタイムカードを選ぼう
タイムカードは機能がシンプルで扱いやすく、低コストで導入できる勤怠管理の方法です。なるべくコストをかけずに正確な勤務時間を管理したい場合は、タイムカードの導入を検討してみてください。タイムカードを購入する際は、自社の従業員規模や使いやすさ、必要な機能の有無を確認し、自社に合ったタイムカードを選びましょう。
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