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有給休暇義務化に違反した際の罰則や企業の対応方法について

勤怠管理システム

2023.09.11

2023.09.11

2019年4月1日に成立した働き方改革関連法案の骨子の一つに、改正労働基準法で定められた「年5日の年次有給休暇の確実な取得」があります。この労働基準法を遵守しなかった場合、企業に30万円の罰則やペナルティが科される可能性があるので注意が必要です。この記事では、有給休暇義務化の概要や違反した際の罰則や、企業の適切な対応方法について解説します。

有給休暇義務化に違反すると30万円以下の罰則が科される

もし年5日の有給休暇を取得させなかった場合、労働基準法第39条第7項に違反し、30万円以下の罰金に科される可能性があります。ただし、悪質なケースを除いて、いきなり罰金刑が科されることはありません。

まずは所轄の労働基準監督署の指導や是正勧告がおこなわれ、繰り返し違反がみられる場合は労働基準第120条の罰則規定が適用されます。

有給休暇義務化の罰則30万円は誰が支払うのか

もし有給休暇義務化に違反した場合、誰が罰則の対象になるのでしょうか。労働基準法に違反した場合の罰則は「使用者」に対して科されます。

労働基準法上の使用者は第10条で定義されています。

この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

労働基準法第10条によると、事業主だけでなく管理者などの社員も罰金刑を科される可能性があります。ただし、労働基準法第121条1項には、事業主ではない従業員が違反行為をおこなった場合、法人自体が責任を負うという「両罰規定」も存在します。

有給休暇義務化の罰則30万円はどこに支払うのか

労働基準法上の罰金刑をはじめとして、企業が刑事罰を課された場合は、所定の金額を検察庁に納付する必要があります。納付方法は検察庁によって指定されます。納付方法は検察庁指定の金融機関への振り込みか、検察庁への直接納付が一般的です。

有給休暇義務化の罰則金は一人当たり30万円

有給休暇義務化に違反した場合の罰則金30万円は、一人当たりの金額です。有給休暇義務化に違反した従業員が10人いれば、300万円の罰則金を支払わなくてはなりません。

有給休暇義務化の対応が遅れて違反者が増えれば、その分罰則金も増えてしまいます。罰則金を支払えば済むと安易に考えるのではなく、有給休暇義務化を遵守する体制を整えることが大切です。

有給休暇義務化の罰則の実例

有給休暇義務化に違反したとして、送検されるケースも発生しています。送検されたのは、愛知県内の給食管理業者(10人以上規模のみ)と各事業場の責任者である店長3名です。

6人の労働者に対し、年次有給休暇取得の時季指定を怠り、従業員からの有給休暇申請に応じなかったのが送検の理由です。この行為は労働基準法第39条(年次有給休暇)違反に該当し、ニュースでも大きく取り上げられました。

有給休暇義務化の違反に該当する3つのケース

厚生労働省のガイドラインによると、有給休暇の取得義務化の対象は「年休が10日以上付与される労働者」です。(※1)

所定労働日数が少ないパートやアルバイトも、年休が10日以上付与される場合は年5日の有給休暇の取得が義務付けられます。

また、休日や特別休暇を合意なしに有給休暇に振り替える場合や、有給休暇の買い取りをおこなう場合も法令違反に該当する可能性があります。

(※1)年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省 p1

パートやアルバイトに有給休暇を付与しなかったケース

有給休暇の取得義務化の対象は正社員だけではありません。正社員よりも所定労働日数が少ないパートやアルバイトも、継続勤務年数によっては有給休暇が年10日を超えるため、年5日の有給消化が必要になる場合があります。(※2)

(※2)年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省 p3

休日や特別休暇を合意なしに有給休暇へ振り替えたケース

休日や特別休暇を合意なしに有給休暇へ振り替えて、年5日の有給休暇をみかけ上消化する措置も労働基準法に違反する恐れがあります。休日や特別休暇を一旦労働日とし、有給休暇へ振り替えた場合、労働条件の不利益変更に該当する可能性があります。

もし有給休暇への振り替えをおこないたい場合は、従業員との事前合意のうえで就業規則への記載が必要です。

有給休暇の買い取りをおこなったケース

有給休暇を買い取るかたちで消化することもできません。有給休暇を企業が買い取り、従業員に休暇を与えなかった場合、労働基準法第39条に違反する恐れがあります。

「休日や特別休暇の振り替え」「有給休暇の買い上げ」といった手段ではなく、従業員が有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組むことで、有給休暇の義務化に対応しましょう。

有給休暇の取得がなかなか進まない2つの原因

そもそも、有給休暇の取得はなぜ進まないのでしょうか。有給休暇の取得が滞る原因として「業務量が多く、有給休暇を取得する余裕がない」「有給休暇の取得状況が可視化されていない」の2点が挙げられます。

有給休暇の取得が進まない原因について知り、従業員が少しでも多く有給休暇を消化できる環境づくりに取り組むことが大切です。

業務量が多く有給休暇を取得する余裕がない

有給休暇の取得が進まない理由として、従業員の業務量が多く、有給休暇を取得する余裕がないケースが挙げられます。現場の人員が不足していたり、業務効率化が徹底されていなかったりする場合、従業員が有給休暇を消化したくても消化できない状態に陥ります。

有給休暇の取得率が低い場合は、従業員への聞き取りや社内調査を実施し、職場環境に原因が隠れていないか確認しましょう。

有給休暇の取得状況が可視化されていない

有給休暇の取得状況が可視化されていない場合「いつまでに有給休暇を消化する必要があるのか」「あと何日有給休暇が残っているのか」がわかりません。いつのまにか有給消化の期限が近づいて、年5日の有給取得が困難になってしまう可能性もあります。

年次有給休暇取得管理台帳の作成や保存、勤怠管理システムの導入などにより、従業員一人ひとりの有給取得の取得状況を可視化することが大切です。

有給休暇義務化の罰則を科されないためには「個別指定方式」や「計画年休制度」の導入を

有給休暇の取得義務化に対応するには、従業員が有給休暇を消化しやすい環境を整備することが大切です。有給消化を促進する制度として、有給休暇の取得数が5日未満の従業員を対象とした「個別指定方式」や、労使協定に基づいて計画的に有給休暇を消化してもらう「計画年休制度」といった方法があります。

有給休暇義務化へ対応するための2つの方法を解説します。

 

個別指定方式を導入する

個別指定方式とは、原則として有給休暇の消化を従業員一人ひとりに任せながら、有給休暇の取得数が5日未満の従業員を対象として企業が取得日を指定する方法です。ただし、有給休暇の取得日を企業が自由に指定できるわけではありません。

従業員と事前協議をおこない、なるべく希望に沿ったかたちで有給休暇の時季を指定する必要があります。これを「有給休暇の時季指定」と呼びます。

計画年休制度を導入する

計画年休制度とは、あらかじめ有給休暇の取得計画を立て、企業が取得日を指定する方法です。

企業が取得日を指定できるのは、有給休暇のうち5日をのぞいた日数に限られます。残りの5日は従業員自身の裁量で取得日を決めることができます。ゴールデンウィーク近くの平日を有給休暇にしたり、お盆休みを有給休暇で伸ばしたりと、企業が計画的に有給休暇を消化させることができるのが計画年休制度の特徴です。

ただし、計画年休制度を実施するためには、あらかじめ従業員の代表者と協議をおこない、労使協定を締結する必要があります。

計画年休制度には3つの実施方法があります。新しい休暇制度を導入することは、従業員の有給休暇義務化への意識を高めることにつながります。また、休みやすい環境づくりにもよい影響を与えるので、導入を検討してみましょう。

企業全体で一斉付与する

企業で時季を決め、全従業員に有給休暇を付与して休業する方法です。製造業のように、夏季休暇や年末年始休暇などの大型連休に合わせて操業停止日を増やして有給休暇を付与すれば、全従業員に休暇を取らせることができます。

ブリッジホリデーの大型連休にする 

ブリッジホリデーとは、ゴールデンウィークのようにカレンダー上で飛び石連休となる場合の稼働日に有給休暇を充てて大型連休とする方法です。

アニバーサリー休暇として活用する

最近注目されているのがアニバーサリー休暇です。ワーフライクバランスの向上を目的としたもので、以下のような特別な日に有給休暇を取らせることができます。

  • 従業員の誕生日
  • 従業員の子供の誕生日
  • 結婚記念日

有給休暇義務化に違反しないための仕組み作りが大切

有給休暇の取得義務に違反した場合、所轄の労働基準監督署による指導や是正勧告がおこなわれます。悪質な場合は、労働基準第120条の罰則規定に基づいて、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

有給休暇の取得義務に違反しないため、従業員が有給休暇を消化しやすい環境づくりに取り組むことが大切です。有給休暇の取得を促進する制度として、たとえば個別指定方式や計画年休制度が挙げられます。有給休暇の取得義務化の罰則について知り、すみやかに法令改正に対応しましょう。

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