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裁量労働制の残業代はどうなる?みなし残業との違いや計算方法を解説

勤怠管理システム

2023.11.17

2023.11.17

裁量労働制では、従業員の実労働時間にかかわらず、あらかじめ取り決めた労働時間を働いたものとみなして給与を支払います。そのため、もし従業員がみなし労働時間より長く働いても、原則的にみなし労働時間を基礎として給与を計算します。 しかし、裁量労働制でも残業代が発生するケースがあります。 本記事では裁量労働制における残業代について、みなし残業制との違い、計算方法などを解説します

裁量労働制で残業代が発生する3つのケース

裁量労働制では、従業員の実労働時間ではなく、みなし労働時間に基づいて給与を計算します。そのため、1日のみなし労働時間を超えて働いても残業代は発生しません。

たとえば、みなし労働時間が7時間の場合、4時間働いても8時間働いても賃金額は同じです。

しかし、裁量労働制でも残業代が発生するケースが3つあります。みなし労働時間が法定労働時間よりも長いケースや、従業員が深夜労働や休日労働をおこなうケースです。

みなし労働時間が法定労働時間よりも長いケース

裁量労働制はすべての業務や職種に適用できる制度ではありません。また、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2種類があり、それぞれ対象となる業務が定められている制度です。

裁量労働制のうち、専門業務型裁量労働制を導入する場合は、過半数労働組合または過半数代表者との労使協定を労働基準監督署長に提出することで、みなし労働時間を設定します。

また、企画業務型裁量労働制の場合は、労使協定は認められず、労使委員会での委員の5分の4以上の決議を労働基準監督署長に提出することでみなし労働時間を設定します。

このみなし労働時間がそもそも法定労働時間よりも長い場合は、超過した部分の残業代を支払わなければいけません。。法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間の上限のことで、労働基準法第32条では、1日8時間、週40時間を超えて従業員を働かせることが禁じられています。

第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。

② 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

たとえば、みなし労働時間を9時間に設定する場合、労働時間の上限を超えた1時間分の割増賃金の支払いが発生します。なお、法定労働時間を超えて従業員を働かせる場合は、36協定の締結と所轄の労働基準監督署への届出が必要です。

従業員に深夜労働をさせたケース

裁量労働制では、従業員が出社日や出社時間を自由に決められるため、やむを得ない事情により深夜の時間帯(22時から翌5時まで)に働く場合があります。

従業員に深夜労働をさせた場合は、労働基準法第37条により、所定の割増賃金の支払いが必要になります。

第37条 使用者が、午後10時から午前5時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

たとえば、みなし労働時間が7時間の従業員が、以下のような週間スケジュールで働いたとします。火曜日に2時間の深夜労働をおこなっているため、25%以上の法定割増賃金率で残業代を支払う必要があります。

曜日 実労働時間
月曜日 8時間30分
火曜日 6時間出社時間:18時00分退社時間:23時00分
水曜日 5時間30分
木曜日 7時間
金曜日 10時間

 

従業員に休日労働をさせたケース

従業員に深夜労働をさせた場合と同様に、休日労働をさせた場合も所定の割増賃金の支払いが必要です。裁量労働制が適用されるのは、就業規則に記載された所定労働日に限られます。

そのため、従業員を法定休日に働かせた場合、35%以上の法定割増賃金率で残業代を支払う必要があります。また、従業員を法定外休日に働かせた場合も、事前に労使協定を締結していない限り、25%の割増賃金を支払う必要があります。

みなし残業制と裁量労働制の違いや共通点

裁量労働制とよく似た労働時間制度として、「みなし残業制」があります。みなし残業制は固定残業制ともよばれ、実際の残業時間にかかわらず、一定の残業をおこなったとみなして残業代を支払う制度です。

みなし残業制では、所定の残業時間を超過した部分に対し、割増賃金の支払いが必要になります。裁量労働制とみなし残業制の違いや共通点を解説します。

みなし残業制は残業時間にのみ適用される

裁量労働制とみなし残業制の違いは、みなし残業制はあくまでも残業時間にのみ適用される制度であるという点です。裁量労働制では、従業員の仕事の進め方に合わせて、出社日や出社時間を柔軟に決めることができます。

しかし、みなし残業制の場合、出社日や出社時間について特定のルールが設けられているわけではありません。就業規則の規定に従って勤務する必要があります。

制度 適用範囲
裁量労働制 労働時間に対して
みなし残業制 残業時間に対して

 

いずれも時間外労働の上限規制が当てはまる

裁量労働制とみなし残業制の共通点は、「時間外労働の上限規制」の対象となる点です。

2019年4月1日に改正労働基準法が施行され、時間外労働の上限が月45時間、年360時間となりました。裁量労働制やみなし残業制を導入している場合も、特段の事情がない限り、時間外労働の上限を超えて従業員を働かせることはできません。

裁量労働制での残業代の計算方法

裁量労働制を導入している場合でも、残業代(時間外手当)の支払いが発生することがあります。

また、法定休日に出勤した場合や、22時~翌5時までの深夜勤務の場合にも、会社側はほかの労働者と同様に、休日労働や深夜労働の割増賃金を支払わなければいけません。以下では、それぞれのケースに分けて、時間外労働の割増賃金の計算方法を紹介します。

所定労働日における残業代の計算

所定労働日における残業代の計算方法は、以下のとおりです。

残業代=1時間あたりの基本賃金×残業時間×1.25(割増率)

所定労働日における通常の残業代は、法定労働時間とみなし労働時間との差で計算します。そのため、1日の労働時間が8時間以内の場合は残業代は発生しません。しかし、たとえば、1日のみなし労働時間が9時間で法定労働時間の8時間を超えている場合は、超過分である1時間分の残業代が発生します。

休日出勤における割増賃金の計算

裁量労働制であっても休日労働の規定は適用されます。休日には法定休日(週1日または4週に4日)と、会社が自由に規定する所定休日があります。このうち、法定休日に働いた場合は、働いた時間分だけ次のように割増賃金を計算します。

割増賃金=1時間あたりの基本賃金×残業時間×1.35(割増率)

裁量労働制のみなし労働時間は、あくまでも所定労働日に所定の時間働いたこととみなすものです。そのため、休日出勤をした場合には、働いた分だけ給与を支給することになります。

また、所定休日の場合は休日出勤の割増賃金はありませんが、労働時間が1日8時間以上、あるいは週40時間を上回る場合は、法定労働時間を超えるため1.25倍の割増率で計算します。

深夜労働における割増賃金の計算

裁量労働制の場合でも、22時~翌5時までの深夜帯に働けば、深夜労働として割増賃金が発生します。計算方法は次のとおりです。

割増賃金=1時間あたりの基本賃金×労働時間×0.25(割増率)

なお、深夜労働をした日が所定の労働日であれば、どれだけ深夜に働いてもみなし労働時間分だけ働いたとみなされます。

つまり、その分の給料はあらかじめ通常の給料に含まれているため、追加で支給されるのは割増分の金額だけです。

裁量労働制の残業代の支払いに関する注意点

裁量労働制における残業代を計算する際、注意が必要なポイントが4つあります。

まず、従業員に支払う割増賃金は、時間外労働の種類によって割増賃金率が異なります。従業員の労働状況に合わせて、正しい法定割増賃金率で計算しましょう。万が一、従業員に残業代を支払わなかった場合、事業者に対し罰則が科される可能性があります。

ここからは、裁量労働制の残業代の支払に関する注意点を解説します。

裁量労働制が適用される職種か注意する

そもそも、裁量労働制はどんな職種にも適用できるわけではありません。また、裁量労働制には「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2種類があり、それぞれ以下のように適用職種が定められています。

種類

対象業務

専門業務型裁量労働制

  • 新商品や新技術、人文科学や自然科学の研究開発
  • 情報処理・設計業務
  • 取材・編集・番組再作
  • デザイン業務
  • ディレクター業務
  • コピーライター業務
  • システムコンサルタント業務
  • 証券アナリスト業務
  • 金融商品の開発業務
  • 大学における教授・研究
  • 公認会計士業務
  • 中小企業診断士業務
  • 建築士業務
  • 不動産鑑定士業務 など

企画業務型裁量労働制

  • 事業場の運営に関わる業務、企画・立案・調査・分析業務
  • 労働者の裁量にゆだねる必要があると客観的に判断が可能で、広範な裁量が労働者に認められている業務

 

裁量労働制を検討している場合には、業務が規定に該当しているかの確認が必要です。

みなし労働時間と実際の労働時間に乖離がないかを確認する

裁量労働制を導入する際は、企業側と従業員側が、みなし労働時間を何時間とするかを話し合った上で、具体的な内容を定めて労働基準監督署に届け出をしなければいけません。

この際に重要となるのが、みなし労働時間と実際の労働時間に乖離がないかを確認することです。なぜなら、裁量労働制を導入している企業では、みなし労働時間と実際の労働時間に乖離があることが少なくないからです。8時間を超えてみなし労働時間を設定するのであれば、一般労働者と同じように36協定の締結が必要です。

また、1日あたり8時間分の給与を支払っていても、実労働時間と乖離が起きている場合は8時間を超えた分の給与を支払っていないことになります。この点からも、みなし労働時間と実際の労働時間に乖離がないかの確認は重要です。

残業代を支払わないと罰則が科される

もし従業員に残業代を支払わなかった場合は、労働基準法第119条の規定により、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

ここまで説明した通り、裁量労働制であっても残業代の支払いが必要なケースはあります。労働基準法に違反しないためにも、裁量労働制における残業代の取り扱いには注意が必要です。

裁量労働制でも労働時間の把握が必要

働き方改革関連法においては、裁量労働制を適用している場合でも、従業員の労働時間状況を客観的に把握することが企業に義務づけられています。

かつては、「みなし労働時間で働く労働者や管理監督者については残業代が関係ない=労働時間を把握する必要はない」といった考え方をする企業も少なくありませんでした。しかし、残業代の支払義務の有無に関わらず、長時間労働は過労死や精神疾患などのリスクをもたらすものであり、裁量労働制のもとで働く従業員にもそのリスクは伴います。

労働時間の把握は、残業代の計算という側面だけではなく、従業員の健康管理という側面もあります。

裁量労働制における残業代の取り扱いを確認し、正しく割増賃金を計算しよう

みなし労働時間を設定する裁量労働制でも、従業員へ残業代の支払いが必要になるケースがあります。

たとえば、みなし労働時間が法定労働時間を超えるケースや、従業員に深夜労働や休日労働をさせるケースが挙げられます。

時間外労働の種類によっても法定割増賃金率は異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

残業代を正しく計算するには、裁量労働制であっても従業員の勤怠管理をおこなう必要があります。

働き方改革関連法案の成立により、裁量労働制にも時間外労働の上限規制が適用されました。残業代の計算だけでなく、長時間労働を未然に防ぐためにも従業員の勤怠管理を実施しましょう。

【監修者】小島章彦(社会保険労務士)

 

大学卒業後、某信用金庫にて営業と融資の窓口業務に関わる。 現在は、某システム開発会社に勤務。 会社員として働きながら、法律系WEBライターとして人事労務関係や社会保険関係のライティングを4年半以上行っている。 また、金融知識を生かした金融関係のライティングも含め、多数の執筆案件を経験している。 その他保有している資格は、行政書士、日商簿記3級など。

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