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裁量労働制とフレックスタイム制の違いとは?適した会社の特徴も紹介

勤怠管理システム

2023.08.29

2023.08.29

裁量労働制もフレックスタイム制も、出社時間に縛りのない労働時間制度です。しかし、裁量労働制とフレックスタイム制には、制度の対象範囲や給与の計算方法などの点で違いがあります。2つの制度の違いを比較し、自社に合った制度を導入しましょう。

1. 裁量労働制とフレックスタイム制の3つの違い

裁量労働制とフレックスタイム制は、出社時間への従業員の裁量が広く認められているという点でよく似ています。働き方改革の一環として、裁量労働制やフレックスタイム制の導入を検討する企業も増えてきました。

しかし、裁量労働制とフレックスタイム制には、「対象となる労働者の範囲」「出社時間の自由度」「給与の計算方法」の3点で明確な違いがあります。

1-1. 対象となる労働者の範囲の違い

裁量労働制とフレックスタイム制では、対象となる労働者の範囲が違います。そもそも裁量労働制は、厚生労働省令や厚生労働大臣告示によって導入可能な職種が指定されているため、すべての企業が導入できるわけではありません。

例えば、専門業務型裁量労働制の場合、税理士や弁護士、大学教員、研究開発職などの専門業務に従事する19の職種のみが制度の対象となります。一方、フレックスタイム制には職種の制限がないため、すべての企業が導入できます。

勤務制度 職種の制限
専門業務型裁量労働制 厚生労働省令などで定められていた19の専門業務
企画業務型裁量労働制 厚生労働省などで定められた4つの条件を満たす企画業務
フレックスタイム制 なし

 

1-2. 出社日や出社時間の自由度の違い

裁量労働制もフレックスタイム制も、従業員が出社時間を柔軟に決めることができる労働時間制度です。

しかし、仕事の進め方や時間配分の自由度は裁量労働制のほうが大きくなります。裁量労働制は、実際の労働時間にかかわらず、一定の労働時間を働いたものとみなす「みなし労働時間制」の一つです。そのため、業務上の必要がない場合は、極端に労働時間が短くても所定の給与が支払われます。

一方、フレックスタイム制では、一定の期間内(清算期間)の総労働時間を設定する必要があります。清算期間内に所定の労働時間だけ働かなかった場合、企業は賃金控除などの処置をとることが可能です。

また、コアタイムのあるフレックスタイム制の場合、従業員はコアタイムの時間帯に必ず出社しなければなりません。そのため、フレックスタイム制よりも裁量労働制のほうが柔軟な働き方が可能です。

また、コアタイムのあるフレックスタイム制の場合、従業員はコアタイムの時間帯に出社しなければなりません。そのため、フレックスタイム制よりも裁量労働制のほうが柔軟な働き方が可能です。

1-3. 給与の計算方法の違い

裁量労働制は実労働時間にかかわらず、みなし労働時間に基づいて従業員の給与を計算します。そのため時間外労働が発生しても、あらかじめ定められているみなし労働時間におさまる場合においては残業代の支給は必要ありません。ただしみなし労働時間を超過した残業には、25%の割増賃金が発生します。

一方で、フレックスタイム制は従業員の清算期間単位で労働時間を管理し、実労働時間に基づいて給与を計算します。1日8時間を超える労働があったとしても、清算期間内の労働時間の総枠に実労働時間がおさまる場合においては、残業代の支給の必要はありません。

ただし清算期間内の実労働時間が労働時間の総枠を超える場合には、25%の割増率で残業代の支払いが必要となります。

1-4. 導入手続きの違い

裁量労働制を導入する場合には、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の種類によって手続きが異なります。

「専門業務型裁量労働制」の場合は、以下の流れで手続きが必要となります。

  1. 労使協定の締結
  2. 届出の作成
  3. 就業規則への記載
  4. 労働基準監督署長への届出の提出
  5. 従業員の雇用契約書の更新

「企画業務型裁量労働制」の場合は、以下の流れで手続きが必要となります。

  1. 労使委員会を設置・決議
  2. 就業規則への記載
  3. 労働基準監督署長への届出を提出
  4. 対象労働者本人からの同意を得る
  5. 労使委員会で決定した措置の実行・定期的に所轄労働基準監督署へ報告
    参考:企画業務型裁量労働制|厚生労働省

一方でフレックスタイム制の導入は、清算期間が1ヵ月以内であれば労働基準監督署長へ労使協定の届出を提出する必要はありません(就業規則を変更する場合は届出が必要)。ただし1ヵ月を超過し、上限の3ヵ月以内の期間で設ける場合は、労使協定の届出をする必要があります。

フレックスタイム制の導入する際の手続きは、以下の流れでおこないます。

  1. 必要・任意事項の決定(対象となる労働者範囲、清算期間、清算期間における総労働時間、1日の労働時間、コアタイム、フレキシブルタイムなど)
  2. 就業規則への記載
  3. 労使協定の締結
  4. 労働基準監督署長への届出の提出(清算期間が1ヵ月を超過する場合のみ)
  5. 従業員の雇用契約書の更新

2. 裁量労働制のメリット・デメリット

ここからは、裁量労働制のメリットとデメリットについて解説します。

裁量労働制のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 人件費の管理がしやすくなる
  • 従業員の業務の生産性向上に期待ができる

裁量労働制は、従業員の実労働時間にかかわらず所定の労働時間分働いたとして、給与を支給します。そのため時間外労働が生じるたびに、割増賃金を支給する必要がなく、人件費の管理がしやすくなるといえるでしょう。(ただし、みなし労働時間を超過した時間外労働や、深夜労働、休日労働が発生した場合は、割増賃金を支給する必要があります。)

また従業員自身で仕事のペース配分等を決められることで、業務の生産性向上に期待ができるでしょう。

一方で裁量労働制のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 従業員の労働時間管理が煩雑化しやすい
  • 従業員の残業代が減り、不満が生じやすい
  • 導入手続きに時間がかかる

労働安全衛生法の改正により、裁量労働制の従業員においても「労働時間の適正な把握」が義務付けられました。働き方が柔軟であることから、適正な勤怠管理や、労働時間の集計が難しくなることが考えられます。

また法定労働時間を超過した残業をおこなっても、みなし労働時間以内であれば、割増賃金が発生しないため、残業代が減少することを懸念する従業員も現れるでしょう。

また導入手続きには、労働者と使用者間で協定を締結するほか、届出の提出が必要であったり、「企画業務型裁量労働制」に関しては労使委員会の設置・決議が必要となったりするため、多くの労力がかかることが考えられます。

2-1. 裁量労働制の導入がおすすめな会社の特徴

裁量労働制はどのような企業に向いているのでしょうか。仕事の進め方や時間配分の自由度が高い裁量労働制なら、フレックスタイム制よりも柔軟な働き方を実現することができます。

裁量労働制は次のような企業に向いています。

  • 従業員の創造性やイノベーションを引き出したい企業
  • 従業員に業務上の指示をほとんど与えず、仕事の進め方やスケジュールを委ねている企業
  • 労働時間の長さにかかわらず、業務上の成果を求める企業

厚生労働省が裁量労働制で働く人を対象としたアンケート調査では、制度を利用した理由として、44.0%の人が「仕事の裁量が与えられていることにより仕事がしやすくなると思った」、32.3%の人が「自らの能力の有効発揮に役立つと思った」と回答しています。

例えば、税理士や弁護士、大学教員、研究開発職などの専門業務をおこなう事業所では、裁量労働制のメリットを効果的に活かすことが可能です。
参考:裁量労働制等に関するアンケート調査|厚生労働省

3. フレックスタイム制のメリット・デメリット

ここからは、フレックスタイム制のメリットとデメリットについて解説します。

フレックスタイム制のメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 優秀な人材が集まりやすい
  • 従業員のワークライフバランス・生産性の向上が見込める

フレックスタイム制は、始業・終業時刻を自身で自由に決められるため、魅力的な求人に映るでしょう。自由な勤務形態を希望するタスク管理能力の高い人材を確保できることが期待できます。また柔軟な働き方により、育児や介護、プライベート時間の確保などがしやすくなるため、従業員の満足度や、生産性の向上などにも繋がりやすいです。

フレックスタイム制のデメリットとしては、以下の点が挙げられるでしょう。

  • 社内のコミュニケーションが不足しやすい
  • 顧客・取引先とのやり取りに弊害が及ぶリスクがる

勤務時間を選択できる反面、従業員同士で顔をあわせることや、雑談を含めたコミュニケーションが希薄化しやすいことが挙げられるでしょう。

また社外の人においても、連絡が取りにくい状況となりやすい点がデメリットとして挙げられます。

3-1. フレックスタイム制の導入がおすすめな会社の特徴

裁量労働制と違って、フレックスタイム制には職種の制限がありません。そのため、ほとんどの事業所でフレックスタイム制を導入することができます。

裁量労働制より仕事の進め方やスケジュールの自由度が低いものの、出社時間を柔軟に選べるフレックスタイム制にもさまざまなメリットがあります。

フレックスタイム制が向いているのは次のような特徴を持った企業です。

  • 通勤ラッシュを避けるため、オフピーク通勤を導入したい企業
  • 従業員のワークライフバランスを改善し、育児や介護と仕事を両立できるようにしたい企業
  • 出社日や出社時間の制限をなくし、従業員の生産性を高めたい企業
  • 働き方改革を推進したいが、職種の制限によって裁量労働制を導入できない企業

4. 裁量労働制やフレックスタイム制を導入している会社の割合

働き方改革をきっかけとして、裁量労働制やフレックスタイム制の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。

厚生労働省の就労条件総合調査を元として、国内での裁量労働制やフレックスタイム制の導入状況を解説します。

4-1. 裁量労働制の導入率は合わせて2.4%

厚生労働省の令和3年就労条件総合調査によると、裁量労働制を始めとしたみなし労働時間制を導入している企業の割合は次の通りです。

- 事業場外みなし労働時間制 専門業務型裁量労働制 企画業務型裁量労働制
令和3年 11.4% 2.0% 0.4%
令和2年 11.4% 1.8% 0.8%

 

裁量労働制の導入率は、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制をあわせて2.4%となっています。

令和2年の調査と比較すると、企画業務型裁量労働制の企業全体の導入率は低下したものの、専門業務型裁量労働制の導入率は0.2%上昇しました。従業員規模が大きい企業ほど裁量労働制の導入率が高くなっています。

4-2. フレックスタイム制の導入率は6.5%

一方、フレックスタイム制を始めとした変形労働時間制の導入率は次の通りです。

- 1年単位の変形労働時間制 1か月単位の変形労働時間制 フレックスタイム制
令和3年 31.4% 25.0% 6.5%
令和2年 33.9% 23.9% 6.1%

 

フレックスタイム制の企業全体の導入率は6.5%です。令和2年の調査と比較すると、フレックスタイム制の導入率は0.4%上昇しています。

裁量労働制と同様に、従業員規模が大きい企業ほどフレックスタイム制の導入率が高くなっており、従業員数1,000人以上の大企業では導入率が28.7%に達しています。
参考:令和3年就労条件総合調査|厚生労働省

5. 裁量労働制とフレックスタイム制に関してよくある疑問

ここからは、裁量労働制とフレックスタイム制に関してよく生じる疑問について解説します。裁量労働制とフレックスタイム制の併用が可能であるかや、移行方法などについて紹介します。

5-1. 裁量労働制とフレックスタイム制は併用可能?

裁量労働制とフレックスタイム制を併用することは、できません。

裁量労働制とは、労働者へ労働時間に関する裁量を一任する制度です。また導入可能な職種は限定されています。

一方で、フレックスタイム制は従業員が始業・終業時刻を自由に選択できる制度です。フレックスタイム制は、清算期間内に所定労働時間を満たす必要があり、法定労働時間を超過した場合は割増賃金が支給されます。

このように形態が異なる制度であるため、併用は不可能となります。

5-2. 裁量労働制からフレックスタイム制に移行するには?

裁量労働制からフレックスタイム制に移行をする場合には、フレックスタイム制の導入に必要となる手続きをおこなうことで導入が可能となります。

フレックスタイム制の規定に必要となる事項を検討し、労使間による協議をおこない、労使協定を締結し、就業規則を更新することで移行ができるとされてます。

6. フレックスタイム制と裁量労働制の違いを知り、自社に合った制度を導入しよう

フレックスタイム制と裁量労働制は一見よく似ていますが、それぞれ異なる特徴を持った労働時間制度です。

たとえば、裁量労働制には職種の制限が設けられていますが、フレックスタイム制はすべての企業が導入することができます。

また、フレックスタイム制よりも裁量労働制のほうが出社日や出社時間の自由度が高くなります。

働き方改革を推進する場合は、フレックスタイム制と裁量労働制のメリットやデメリットを比較し、自社に合った制度を取り入れることが大切です。

【監修者】涌井好文(社会保険労務士)

 

涌井社会保険労務士事務所代表。就職氷河期に大学を卒業し、非正規を経験したことで、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。 その後、平成26年に社会保険労務士として開業登録し、現在は従来の社会保険労務士の業務だけでなく、インターネット上でも活発に活動を行っている。

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