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連勤は何日まで可能?法律の上限日数・注意すべき点について解説

勤怠管理システム

2023.08.29

2023.08.29

労働者が連勤をする場合には、健康上のリスクなども考慮し、なるべく最小限に抑える必要があります。しかし、業務を遂行していくうえで、どうしても連勤が避けられない場合もあります。今回は、労働者が連勤をする場合に可能な上限日数について説明し、あわせて過度な連勤がもたらす問題点や労働者の健康上のリスクについて解説します。

1. 連勤日数は何日まで可能?労働基準法に沿って解説

連勤については、労働基準法上における休日の要件から上限日数を把握することができます。

ここからは、労働基準法に基づいた連勤の上限日数と、条件について解説していきます。

1-1. 法定休日が週1回の場合、連勤の上限は12日間

労働基準法第35条では、企業は従業員に対して、毎週1回の休日を与えなければならない旨を義務付けています。

曜日の固定までは触れていないため、1週目の初日と2週目の最終日に休日を与えれば良く、理論上は12日間の連勤も可能です。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

1-2. 変形週休制の場合、連勤の上限は24日間もしくは48日間

4週間のうち4日以上の休日を与える4週4休制であれば、理論上は24日もしくは48日の連勤が可能です。24日の連勤をおこなうパターンでは、4週目の最後の4日間に4日の休日を与え、48日の連勤をおこなうパターンでは、1週目の初日から4日間の休日を与えたあと、第8週目の4日目から4日間の休日を与えるという形になるでしょう。

なお、1年単位の変形労働時間制を採用している場合、連続で勤務させられる日数は6日まで、繁忙期により「特定期間」を設けたとしても12日までと決められています。

ただし、このような連勤の形式をとると、従業員にとっての負担は大きいです。

業務効率が低下する可能性が高く、時間外手当も増加するなど、さまざまな問題が発生するため、過度な連勤は避けましょう。

2. 連勤による法的な問題点について解説

ここからは、連勤をおこなうことによって起こりうる法的な問題点について解説します。

連勤が生じやすい企業においては、最悪なケースに至らないためにもリスクをあらかじめ想定することが重要です。

2-1. 労働契約法に違反している可能性がある

使用者には労働者が心身の安全を確保して働けるよう、必要な配慮をしなければならない「安全配慮義務」があります。

この安全配慮義務は労働契約法第5条及び労働者安全衛生法第3条第1項に規定されており、過度な連勤で従業員が心身の健康を損なった場合、この法律に違反する可能性があります。

安全配慮義務を守らなかった場合の罰則は存在しませんが、企業としての社会的信用は損なわれる可能性が高いと考えたほうがよいでしょう。

3. 連勤による労働者と会社間で生じうるトラブルとは

労働者に連勤を強いることにより、労働者と会社間で次のようなトラブルが発生することが考えられます。

3-1. 労災が発生する可能性が高まる

連勤によって労働者側の疲労が解消されない場合、労災が適用される場合もあります。もし労災が認められれば、慰謝料や損害賠償が発生する可能性も拭えません。

状況によっては、労災により従業員が働けなくなることも考えられます。

一時的とはいえ労働力を失うことにもなりかねない点について頭に入れておく必要があります。

3-2. 労働者の労働環境に対する満足度低下を招く

連勤が多い労働環境では、休みを取りにくい職場であるがゆえに従業員の満足度が低下する傾向にあります。

結果として、仕事に対するモチベーションも下がり、労働者の離職が加速する可能性も出てきます。

3-3. 労働者の心身に対する負担を増加させ、生産性の低下をもたらす

連勤が続くことにより、労働者の心身に対して大きな負担をもたらします。疲労が蓄積したまま勤務することは、同時に生産性の低下にもつながりかねません。

労働者のメンタルにも影響することが考えられ、鬱病の発症なども心配されます。

4. 連勤が続くと、従業員の健康上どのようなリスクがあるのか

連勤をおこなうことで、労働者側には健康上のリスクが発生します。ここでは、連勤により労働者側に起こりうる健康上のリスクについて紹介します。

4-1. 精神疾患

連勤は、労働者の精神的なストレスももたらします。連勤によって、身体には疲労が蓄積し、鬱病などの精神疾患を引き起こす可能性もあります。

4-2. 集中力低下による事故の発生

連勤が重なることで、労働者の集中力が低下し、事故につながる可能性があります。また、結果的に労働者の業務の効率も下がってしまうため、生産性の低下にもつながりかねません。

4-3. 心疾患や脳疾患、過労死

連勤により長時間労働が常態化すると、心疾患や脳疾患を引き起こす可能性があります。場合によっては、これらの疾患が引き金となり、過労死等に結びつくこともあります。

労働者の過労死が発生した際に、労災が認められるような事態になると、多額の慰謝料の支払いが発生することもありえます。

5. 連勤によるトラブルを回避するための工夫

このように、長期的な連勤が常態化すると企業としての信頼や、従業員の健康状態に危害が及ぶ可能性が高く、極めて危険です。

とはいえ、人事労務の業務を担当している方の中には、事業を継続・発展するうえで労力を削れないとお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、連勤によるトラブルを回避するために企業がとるべき対策方法について解説します。

5-1. 連勤が発生しないよう適切な人員配置をおこなう

連勤が発生する職場は、どうしても人員が不足している可能性が否めません。

連勤状態が続く労働者がいる場合には、適切な人員配置がなされているか、一度見直しをおこなう必要があります。

5-2. 従業員の労働時間管理方法を見直す

連勤をする労働者が少しでも減るよう、労務管理の整備をおこなっておくとよいでしょう。

勤怠管理システムや労務管理システムを導入し、労働者が適切な働き方をしているのかを管理しておくことで、労働者の過度な連勤を防止することも可能です。

5-3. 勤務間インターバル制度を導入する

勤務間インターバル制度とは、退勤後から翌日の出勤までに一定以上の時間(インターバル)を設ける制度です。この制度を導入することで、従業員の睡眠時間や休息の確保ができると考えられてます。

連勤が続きやすい企業では、従業員の心身の健康状態を保つためにも導入の検討をしてみてもよいしょう。

6. 連勤が発生している企業で多い質問・注意点

ここからは、連勤が発生している企業にてよく生じうる疑問について解説します。

そもそも労働基準法による「休日」の定義や、管理職の連勤上限日数、その他注意すべき点などをあわせて紹介します。

6-1. そもそも労働基準法の「休日」とは?定義について

休日には、各企業が任意で設ける「所定休日」と、労働基準法により1週に1日もしくは4週に4日の付与が義務付けられている「法定休日」の2種類が存在します。

企業は、従業員に休日を与える際には、原則午前0時~24時の連続した24時間を、労働義務から解放させる必要があります。
そのため、例えば法定休日付与日の前日17時~翌日1時まで勤務をした従業員がいた場合、1時まで労働した日は休日として扱うことができません。

休日は、原則午前0時~24時の連続した24時間与える義務があるため、注意しましょう。

6-2. 正社員・パート・アルバイトにも労働基準法は適用される?

連勤にかかわらず労働基準法は、正社員・パート・アルバイトなどの就労形態問わず適用される法律です。そのため、連勤上限日数や休日の定義等に関しても、同様に管理することが求められます。

6-3. 管理職の連勤は何日まで?

管理職の従業員においても、連勤上限日数は12日までとされています。

ただし「管理監督者」に該当する者に関しては、労働時間や休日の要件について労働基準法の規制を受けないとされています。

管理監督者とは、経営者と一体的な立場であり、責任や業務の裁量等、相応の報酬を受けているといった実態に基づいて判断されるものです。

そのため役職名が「管理職」であるだけでは連勤上限日数に変更は生じないため、注意しましょう。

6-4. 振替休日が発生したときの連勤日数に注意

連勤日数の上限まで勤務が発生する企業においては、従業員が振替休日を取得する際に注意しなければなりません。

振替休日とは、あらかじめ休日と労働日を入れ替える制度です。入れ替えをおこなう際に、その期間内の連勤上限日数に達していないか必ず確認することが重要です。

6-5. 割増賃金が未払いとなっていないか注意

時間外労働や休日出勤には、割増賃金を支払う必要がありますが、悪質な会社ではきちんと支払われず、そのまま未払いとなっている可能性もあります。

通常、時間外労働や深夜労働では25%の割増率、休日労働では35%の割増率が加算された割増賃金が支払われていなければなりません。

参考:労働基準法- 割増賃金編-|厚生労働省

6-6. 36協定を締結しているか注意

時間外労働や休日労働は、企業側と労働者側との36協定を労働基準監督署に届け出ることで認められ、36協定を結ばずに時間外労働をおこなわせた場合、罰則の対象となります。連勤をさせる場合、週40時間の法定労働時間を超える時間外労働が発生する可能性が高いため、必ずあらかじめ36協定を締結しておきましょう。

7. 過度な連勤をさせない仕組み作りが大切

労働基準法に規定された休みを付与すれば、法的にも連勤についても問題はありません。

しかし、過度な連勤は長時間労働で発生した割増賃金の未払い問題や労働者の健康上の問題を抱えるリスクがあるため、注意しなければなりません。

労働者の心身への負担を減らすためにも、職場環境における労務管理をしっかりとおこなっていきましょう。

【監修者】涌井好文(社会保険労務士)

 

涌井社会保険労務士事務所代表。就職氷河期に大学を卒業し、非正規を経験したことで、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。 その後、平成26年に社会保険労務士として開業登録し、現在は従来の社会保険労務士の業務だけでなく、インターネット上でも活発に活動を行っている。

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