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所定労働時間とは?法定労働時間との違いや計算方法を詳しく解説

勤怠管理システム

2023.12.22

2023.12.22

月の所定労働時間数を確認するには、所定労働時間と休日数を求める必要があります。正しく残業代を計算するためには、月の所定労働時間の計算方法を理解することは重要です。本記事では、月の所定労働時間の計算方法や、所定労働時間が長いことによるリスクについて詳しく解説します。

1. 所定労働時間とは?意味や上限を解説

月の平均所定労働時間の説明をする前に、まずは所定労働時間について確認しておきましょう。

所定労働時間とは、会社の始業から終業までの休憩時間を除いた労働時間のことを指します。始業9時で1時間の休憩をはさみ終業18時の会社では、所定労働時間は8時間となります。

この所定労働時間をもとに、年間の合計時間を12か月で割ったものが、月の平均所定労働時間です。

1-1. 所定労働時間と法定労働時間の違い

所定労働時間数は会社によって自由に決められるものですが、法律によって一定の制限を受けます。労働基準法第32条では、使用者は従業員に1日8時間、週に40時間を超えて労働させてはならないとしています。

つまり、1日の所定労働時間は、この労働基準法の規定に従って8時間以内におさめなくてはいけません。36協定を結ばずに1日の労働時間が8時間を超えた場合は、法律違反となり罰則の対象となってしまいますので覚えておきましょう。

1-2. 法定労働時間を超える場合は36協定の締結が必要

法定労働時間を超えて働かせる場合や、休日出勤を命じる場合は、事前に36協定を結んでおかなければなりません。

36協定とは、労働基準法36条で定められている、時間外労働に関する協定のことです。36協定は、従業員の過半数で組織する労働組合か、従業員の過半数を代表する者との間で締結します。さらに、所轄の労働基準監督署長に届出をする必要もあるため忘れないようにしましょう。

また、36協定を結んだ場合でも時間外労働時間の上限は存在し、「1カ月につき45時間、1年につき360時間」と定められているため注意が必要です。

なお、事業場において大幅な業務量の増加が見込まれる場合には、加えて「特別条項」を締結しておくことで「1カ月につき100時間未満、1年につき720時間以内」に上限を延長できます。

ただし、時間外労働の月45時間超過は年6カ月以内のみ、2カ月~6カ月間の休日労働と時間外労働の1カ月あたりの平均時間を80時間以内にとどめる必要があります。

1-3. 月の平均所定労働時間とは?計算の必要性を解説

月の平均所定労働時間を計算する理由には、残業代との関係があります。先にも述べましたが、労働基準法で1日8時間、週40時間と労働時間の上限が設けられています。

上限を超えて従業員を残業させる場合は、事前に労使協定を締結し、割増賃金を払わなくてはなりません。割増賃金は「1時間あたりの基礎賃金×割増率」によって求められますが、この1時間あたりの基礎賃金を求める際に、月の平均所定労働時間が必要となるのです。

1時間あたりの基礎賃金は次の計算式によって求められます。

1時間あたりの基礎賃金 = 一定の手当等を除いた月額基礎給与 ÷ 月の平均所定労働時間

ただし、ここで重要となるのが月の平均所定労働時間の計算方法です。

単純に「1日の所定労働時間数×月の所定労働日数」で計算すると、28日しかない月と30日まである月とでは所定労働時間数にばらつきがでてしまい、正しく残業代の割増賃金を計算することができません。

そのため、次に紹介する月の平均時間数によって、月の平均所定労働時間数を求める必要が出てくるのです。

2. 月の平均所定労働時間の計算方法

ここからは、実際に月の平均所定労働時間の計算方法について解説していきます。月の平均所定労働時間は、以下の3つの手順を踏むことで求めることができます。

【手順1:年間の所定労働日数を計算する】

年間の所定労働日数=365日-1年間の休日の合計日数

【手順2:年間の所定労働時間を計算する】

年間の所定労働時間=年間の所定労働日数×1日の所定労働時間

【手順3:月の平均所定労働時間を計算する】

月の平均所定労働時間=年間の所定労働時間÷12カ月

手順1〜3までを一つの計算式にまとめると、次の通りとなります。

月の平均所定労働時間=(365日-1年間の休日の合計日数)×1日の所定労働時間÷12か月

これだけでは、イメージが掴みづらいと思いますので、次に具体的な例をもとに計算方法を紹介します。

2-1. 具体的な計算例①(一般的な会社のケース)

年間休日125日、所定労働時間8時間の会社を想定して、実際に計算してみましょう。

【手順1:年間の所定労働日数】
365日-125日=240日

【手順2:年間の所定労働時間】

240日×8時間=1920時間

【手順3:月の平均所定労働時間】
1,920時間÷12カ月=160時間

手順1~3を踏まえた計算式に当てはめると、
(365日-125日)×8時間÷12ヵ月=160時間(月の平均所定労働時間)となります。

2-2. 具体的な計算例②(変形労働時間制の会社のケース)

変形労働時間制とは、繁忙期に長く、閑散期に短く労働時間を設定することで、年間の総労働時間の短縮を図る制度です。

1年単位の場合と1カ月単位の場合で、それぞれ計算してみましょう。

【1年単位の場合】
365日を、7日間(1週間)で割り、年間の週数を算出。年間の週数に、週の法定労働時間40時間を乗じて、年間の総労働時間を計算します。
365日(1年間の日数)÷7日(1週間の日数)×40時間(法定労働時間)=2085.714時間

年間の総労働時間を12カ月で割り、月の平均所定労働時間を計算します。
2,085時間÷12カ月=173.75時間(月の平均所定労働時間)

【1カ月単位の場合】
1カ月単位の場合は、月によって日数が異なるため、次のように計算します。

31日間の月 31÷7×40=177.142時間
30日間の月 30÷7×40=171.428時間
28日間の月 28÷7×40=160時間

177.142時間×7カ月+171.428時間×4カ月+160時間×1カ月=2083時間
2,083時間÷12カ月=173.583時間

3. 所定労働時間から残業代を計算する方法

使用者は労働者に対して、適切な賃金を支払う義務があるため、特に残業代をはじめとする割増賃金の計算には注意が必要です。

残業代を計算するには、1時間あたりの基礎賃金を使うため、先ほど解説した「月平均所定労働時間」の算出が必要となります。

3-1. 残業時間の計算方法

残業時間には、「法定内残業」と「法定外残業」の2種類が存在します。

法定内残業とは、各企業が定めた所定労働時間を超えているが、労働基準法によって定められた法定労働時間を超えていない残業のことです。

一方で法定外残業とは、労働基準法によって定められた法定労働時間を超えた労働時間を指します。

前者の法定内残業も残業ではありますが、「法定労働時間」を超過していないため、時間外労働には該当しません。

一方で後者の法定外残業は、時間外労働に該当し、25%の割増賃金が発生します。

なお、残業代を計算する際には、深夜残業と休日労働に該当していないかについても確認しましょう。

深夜労働とは、22時~5時までの時間帯での労働を指し、25%の割増賃金が発生します。

休日労働とは、週に1回または4週に4回付与しとらせなければならない法定休日に労働させることで、35%の割増賃金が発生します。

これらの「時間外労働」と「深夜労働」「休日労働」と「深夜労働」が、重なった場合には割増率が加算されるため、注意が必要です。

3-2. 残業代の計算方法

残業代は、下記の公式にあてはめることで計算が可能です。

「残業代=残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」

1時間あたりの基礎賃金は、月の平均所定労働時間で月給を割ることで求めることができます。

たとえば、所定労働時間が8時間の企業にて、月給24万円の社員がいるとします。

この社員の月の平均所定労働日数が20日であった場合、1時間の時間外労働をおこなうと下記の計算式になります。

まず、1時間あたりの基礎賃金を計算しましょう。

24万円÷(8時間×20日)=1,500円

1時間あたりの基礎賃金をもとに、時間外労働をおこなった時間と割増率25%を掛け算します。

1,500円×1.25×1時間=1,875円

この従業員の残業代は、1時間1,875円であることがわかります。

4. 所定労働時間・法定労働時間の捉え方が異なる働き方

このように原則、月の労働時間は1日・1週間の法定労働時間の上限をもとに計算し、超えないようにしなければなりません。一方で、給与形態や勤務形態によっては一部例外に該当します。ここでは、労働時間の捉え方が変則的な働き方を解説します。

4-1. 変形労働時間制

変形労働時間制とは、一定期間(月・年単位)の労働時間を法定労働時間内におさめることで、1日8時間・1週40時間の規定を超えることが認められた労働形態です。

時期により業務量が変動するレジャー系、旅館、スキー場などの業界に取り入れられていることがあります。

4-2. 固定残業

固定残業制とは、残業が発生しうる企業にてあらかじめ一定時間分の残業代を支払うことで、指定した労働時間内であれば、実労働時間に比例した残業代が発生しない制度です。

ただし一定時間分の残業時間を超えた場合、割増賃金とともに時間数分の賃金支払い義務が生じます。

4-3. 管理職

経営者と一体の立場として経営判断や業務をおこなう「管理監督者」に該当する者は、時間外労働や休日出勤に対する割増賃金が発生しません。ただし、深夜労働に対しては通常と同じく25%の割増賃金が発生し、また有給休暇の取得義務はあります。

4-4. フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、労働者が出勤・退勤の時刻を自由に選択できる制度です。必ず労働すべき時間帯を指す「コアタイム」を設けている企業が多く、その前後の始業と終業の時間は自身の裁量で決められるため、ワークライフバランスがとれた働き方が可能となります。

労働する時間(所定労働時間)をあらかじめ定め、一定期間(清算期間)で満たす必要があるため、1日単位では残業が発生しません。総労働時間が所定労働時間を超過した場合は割増賃金が発生し、満たなかった場合は不足時間分の賃金控除、もしくは翌月の総労働時間への加算の処置が可能です。

4-5. 年俸制

年俸制は、プロスポーツ選手や成果主義の企業などで取り入れられている給与形態です。使用者と労働者という関係性である限りは、法定労働時間を超過した場合、割増賃金が発生します。しかし労働者でなく個人事業主として契約を結んでいる場合は、時間外労働に対する割増賃金の支払い義務は発生しません。

4-6. 裁量労働制

裁量労働制とは、労働者に労働時間を一任する労働形態です。成果によって働きを判断するため、労働時間がどれほど増減しても原則として給与に変更はありません。主に研究開発、デザイナーといったクリエイティブな職種など法律で定められた特定の職種のみ、導入が認められています。

4-7. パートやアルバイトの所定労働時間は?

所定労働時間や法定労働時間の考え方については、正社員やパート・アルバイトといった雇用形態による違いはありません。

パートやアルバイトを雇う場合は、正社員と同様、法定労働時間を守ることや休憩時間を与えることが必要です。時間外労働や休日出勤に対する割増賃金についても同様であるため注意しましょう。

5. 所定労働時間が長いことのリスク

所定労働時間が長いことが会社に及ぼすリスクには、どのようなものが考えられるでしょうか。ここでは、想定されるリスクをいくつか紹介します。

5-1. 離職率が高まる可能性がある

労働時間が長すぎることが原因で、離職率が高まってしまう可能性もあります。離職する人が増えると、残っている従業員の負担が大きくなり、さらなる離職につながるケースもあるため注意しなければなりません。

新たな人材を採用したり、教育したりするには大きなコストがかかります。無駄なコストの発生を防ぐためにも、デジタル化により業務効率化を図る、業務の再配分をするなど、適切な方法で労働時間を短くするよう工夫しましょう。

5-2. 採用に悪影響を及ぼす可能性がある

2019年4月から施行された働き方改革関連法によって、さまざまな企業で労働時間削減して、従業員のライフワークの拡充を図る取り組みが活発化しています。

所定労働時間が長いということは、育児や介護を両立しながら働きたいと考えている人の雇用を妨げることにつながります。今後、労働人口が減少していくと予測されている中で、所定労働時間を長くすることは、自社の雇用面で悪影響を及ぼすことが考えられるでしょう。   

5-3. 従業員の健康被害を招く恐れがある

採用の面だけに限らず、現在働いている従業員にさまざまな影響があることも考えられます。所定労働時間が長くなるほど、従業員のプライベートな時間が減ることにつながるため、十分な休息を得られないことでストレスにつながってしまう恐れがあります。

また、所定労働時間が長いと、基礎賃金が低くなるため残業代は減りますが、それによって従業員の不満がつのり、モチベーションの低下を招く恐れもあります。残業代を減らすには、所定労働時間を長くするのではなく、残業時間も含めた全体的な労働時間を削減することが効果的でしょう。

6. 所定労働時間を超過してしまう場合の対処法

上記の通り、労働時間が長すぎると、さまざまなリスクが発生する可能性があります。これらを防ぐためにも、自社の課題を分解して考え、以下のような対処を検討することが重要です。

業務があまりに多い場合はアウトソーシングをおこなう、IT化システムを導入して効率化を図るなどといった手段も有効でしょう。

6-1. 業務のアウトソーシングを検討する

業務があまりに多い場合は、アウトソーシングを検討するとよいでしょう。

業務の一部を外部の企業や個人事業主に委託することで、自社の従業員をコア業務に集中させることができます。

特定の分野の専門家に委託すれば、社内でおこなうより効率よく作業が進むケースもあるでしょう。新しく人材を採用するよりコストを抑えられることも大きなメリットです。

6-2. 勤怠管理システムを導入して労働時間を「見える化」する

労働時間を「見える化」することも重要です。労働時間を短縮したいと考えていても、従業員や部署ごとの勤怠状況を正確に把握していなければ、適切な対策を立てることはできません。

各従業員の労働時間を正確に把握するためには、勤怠管理システムを導入するのがおすすめです。時間外労働や休日出勤の状況をリアルタイムで把握できるため、法定労働時間の超過を防止しつつ、適切な対策を講じることができます。

6-3. 有給休暇の取得を推進する

労働時間を短くすることだけではなく、有給休暇の取得を推進することも大切です。

とくに繁忙期に時間外労働や休日出勤が増えた場合などは、別のタイミングで積極的に有給休暇の取得を促し、リフレッシュしてもらいましょう。

しっかりとした休息を取り、プライベートを充実させることで、モチベーションアップや業務効率のアップも期待できます。

7. 所定労働時間をしっかりと管理して職場環境を改善しよう!

月の平均所定労働時間は、割増賃金を計算するための基礎賃金を正しく算出するうえで必要となります。

本記事で解説した計算方法を元に、正しく計算できるようになりましょう。所定労働時間は、会社で自由に時間を設定できるわけでなく、法律で決められた労働時間の範囲「1日8時間、週40時間」に収まるよう設定しなくてはなりません。

また、所定労働時間が長いことでのリスクもいくつかあります。リスクも考えたうえで、所定労働時間の見直しを図っていくことが必要です。

【監修者】涌井好文(社会保険労務士)

 

涌井社会保険労務士事務所代表。就職氷河期に大学を卒業し、非正規を経験したことで、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。 その後、平成26年に社会保険労務士として開業登録し、現在は従来の社会保険労務士の業務だけでなく、インターネット上でも活発に活動を行っている。

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