夜勤明けの日は休み扱い?法律での休日の定義や注意点をわかりやすく解説
勤怠管理システム
2023.11.16
2023.11.16
夜勤明けは休みにはなりません。その理由は、労働基準法によって定められている法定休日が、原則0時〜24時の暦日単位でなければならないからです。法定休日の規定を満たすなら、夜勤明け以外の休日を付与しましょう。本記事では夜勤の休みの付与の仕方や注意点を詳しく解説しています。
▼夜勤の休日の取り扱いについてはこちらもチェック!

夜勤管理対応マニュアル
この資料では、夜勤の管理方法について解説しています。夜勤明けの休日の取り扱い方法や割増賃金などについて詳しく知りたい方、夜勤のある就業形態の企業の人事・勤怠の担当者におすすめです。
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夜勤における休みの考え方
夜勤の休日については、日勤とは違ったルールがあるため、注意しなければならない点がいくつかあります。
夜勤は始業時刻から終業時刻までを「1勤務」とする
通常、暦日は0時から24時までの24時間を指すため、「深夜0時をまたぐ夜勤は2勤務扱いになるのでは」と考える人もいるでしょう。
しかし、暦日の定義に基づいて夜勤の勤務日数をカウントすると、休憩時間が短縮されたり、時間外労働の手当を支払わずに済んだりするため、夜勤担当の従業員に負担や不利益が生じます。
労働基準法では、深夜0時をまたぎ、始業日と終業日が異なる継続勤務について、始業時刻の日の1勤務として扱うことを定めています。[注3]
たとえば月曜日の21時から翌火曜日の6時までの夜勤であれば、「月曜日の勤務」として扱われ、労働時間は休憩1時間を引いた8時間労働として処理されます。
夜勤の休日については、この定義に基づいて考える必要があります。
夜勤明けは休み扱いではない
夜勤をすると必ず「夜勤明け」がありますが、夜勤明けを休日としてカウントすることは法律上で認められていません。
労働基準法では、従業員に対して週1回または4週間に4日以上の休日を付与する規定があります。[注2]
これを法定休日といい、法定休日の日数が規定に満たない場合は、労働基準法違反となります。
法定休日は、原則「0時から24時までの暦日」であることが定められています。そのため、夜勤明けとは別の法定休日を付与する必要があるのです。
例外的に夜勤明けが休みとして認められるケース
ただし、例外として介護施設や医療施設等で「日勤、準夜勤、夜勤」の8時間の交代制で勤務する三交代勤務制度を導入しているケースでは、夜勤明けを休日として扱えます。三交代勤務制では、休日を暦日ではなく継続24時間を1日とすることができるからです。[注3]
夜勤明け以外で休日を取らせるやり方
夜勤明け以外で従業員に休日を取得させるには、0時から24時までの暦日で法定休日を付与しましょう。
例えば、火曜日の21時から翌水曜日の5時まで夜勤をした従業員の場合を考えてみましょう。
労働基準法に基づいた休日を取得させるためには、夜勤明け(水曜日)の翌日である木曜日を休日にします。これで暦日単位の休日を付与できるため、金曜の午前0以降に出勤可能となります。
木曜日に出勤させてしまうと、休日と認められないので注意しましょう。
夜勤におけるそのほかの注意事項
夜勤では、休日の取らせ方以外にも注意するべきポイントがあります。
休暇や手当について確認しておきましょう。
夜勤明けの有給休暇について
夜勤明けの日を有給休暇にすることはできません。有給休暇も法定休日と同様に労働基準法で暦日単位(午前0時〜午後12時の継続した24時間)での支給が義務付けられています。従業員が有給休暇を申請してきた際に誤って受理しないように注意しましょう。

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夜勤の従業員の休憩時間
夜勤においても休憩時間の規定は日勤と同様です。
労働基準法では、休憩時間の付与規定を以下のように定めています。
要件 | 付与しなければならない休憩時間 |
6時間を超える労働 | 45分以上 |
8時間を超える労働 | 1時間以上 |
休憩時間は分割で付与しても問題ありません。
ただし、それぞれの休憩時間は労働時間の間で付与しましょう。勤務開始直後や勤務終了直前に休憩を与えることはできません。

夜勤の休憩時間のルールとは?「休憩なし」が違法になるのかも解説
従業員に夜勤の業務にあたらせる場合には、日勤の場合と同様に休憩時間を取得させる必要があります。適切な休憩時間取得がなされない場合には、法的な問題が発生する場合もあるため注意しましょう。今回は、夜勤で休憩時間を取らせる場合のルールについて解説していきます。
夜勤に対して割増賃金を支払う必要がある
夜勤において、労働基準法の深夜業(22時~翌5時)に該当する深夜労働時間に対しては、割増賃金を支払う必要があります。
割増賃金は下記の計算式で算出します。
深夜労働の割増賃金 = 1時間あたりの基礎賃金 × 深夜時間の労働時間数 × 深夜労働の割増率(25%)
※月給制の場合の1時間あたりの基礎賃金
1時間あたりの基礎賃金=月給 ÷ 月平均所定労働時間数
月平均所定労働時間数:(365-年間休日)×1日の所定労働時間÷12カ月
割増賃金の未払いは、労働基準法違反として、6ヵ月以下の懲役、30万円以下の罰金が課せられる可能性があるため、きちんと計算して支払いましょう。

夜勤手当はどうやって計算する?労働基準法での割増率の考え方
夜勤手当は会社が任意で設けている手当です。労働基準法で定められた深夜手当とは別に支払われ、支給額や支給条件は会社の規定によって異なります。深夜手当は22時〜翌5時の労働に発生する割増賃金で、割増率は25%です。未払いは法律違反となります。
夜勤明けの日の夜勤も割増賃金が発生する可能性がある。
先述の通り、勤務日数は0時から24時までの暦日で数えます。
したがって、夜勤明けの従業員がその日の夜にまた夜勤をおこなう場合には1日に朝と夜の2回に分かれて勤務時間が発生しているものとして計算します。
仮に4月1日の23時~翌4月2日の6時まで夜勤で勤務をした従業員が、2日の20時から翌3日の5時まで勤務したような場合には、2日の労働時間が法定労働時間で定める8時間を超えることになります。
この場合、8時間を超える労働時間に対しては、1時間あたりの基礎賃金に深夜労働の割増賃金率(25%)に、時間外労働の割増賃金率(25%)を加算した、50%分の割増率で計算した賃金を支払う必要があります。
法定休日の規定を満たすには夜勤明けとは別の休日が必要
労働基準法では、特例を除き、法定休日は0時〜24時の暦日単位で取得することを定めています。そのため、夜勤明けは休みと認められません。
法定休日の規定は、週1回または4週に4回の休日を付与することで満たせますが、夜勤は従業員の疲労が溜まりやすい勤務形態です。できるだけ無理のない働き方ができるよう、労働時間や休日の日数には配慮することが大切です。
[注1]改正労働基準法の施行について|厚生労働省
[注2]労働時間・休日|厚生労働省
[注3]労働条件Q&A「Q5:「休日」とは、継続24時間の休息と考えてよろしいですか?」|厚生労働省 福岡労働局
[注4]現行の労働時間制度の概要|厚生労働省
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